<転機をつくる言葉>



「今、そこにある苦悩からの脱出」齋藤孝著 KKロングセラーズ
■本などからの引用 ○私の意見


■エネルギーは、自分の中で増やして貯めていくだけでは機能しません。
 外に向かって表現し、それを他人に受け止めてもらう。その反応を得て、
また次のエネルギーを作り出して表現していく。この循環ができてこそ、エネ
ルギーは有機的に回りだしていくのです。

○中身のあるアウトプット(発信)をしようと思うならば、インプット(受信)の
蓄積が欠かせません。


■もし今、不遇の時代だと思っている人がいたら、将来のエネルギーを貯め
こむための時間だと思ってみてください。この時間が長ければ長いほど、放出
するエネルギーは長く続きます。

○左遷、不遇は自分がそのように思うかどうかです。少し立ち止まってパワー
を充電する時間と思えば、有効に活用する途は山ほどあります。


■目標というゴールと現状を結び、その間に置石を置いていくようなイメージで
す。置石があまり多いと混乱してしまうので、三つくらいにしておくと良いでしょう。
 その際最も大切なのは、一番手前の右、つまり始めの一歩を何にするかとい
うことです。ゴールに最も近い石は、ある程度夢見がちなものでも良いでしょう
が、一歩目は具体的な内容であり、かつ今の自分に努力を課すようなものであ
る必要があります。

○目標は、チャレンジング、アグレッシブなものである必要がありますが、それ
だけに到達できるたどうかが明確になる具体的なものである必要があります。


■スポーツで、自分でプレーしているときにはプレーの良し悪しはわからないけ
れど、フィールドの外に出て見てみるとよくわかる。
 世阿弥の言う「離見の見」です。自分が中に入り込んでいるとわからないこと
が、外からの視点で見るとわかってくるということです。

○「岡目八目」というのがあります。渦中にいると気づかないことに気づくために
少し距離をとってみるといいように思います。


■時々、人格的な攻撃をしてきたり、直しようのないことを言ってくる人もいま
すが、そういう人にも、どこがどう変わればよくなるか、どうすればもう少しマシ
になるかを聞いてみる。少しでも具体的なことが出てくれば、そこからどう改善
できるかという話し合いができるようになります。
 全てを否定的に解釈せず、直した方がいい部分だけを変えていく。自分の
実力や自信を失わない形で、よりよく改善することはできます。

○相手の言うことは変えることはできませんが、そのことの受け取り方は自分
でいくらでも変えることができます。前向きに都合のいいように解釈すればいい
のです。


■見返すというのは、恨みやねたみとは違います。
 恨みは特定の個人に負のエネルギーが向かってしまうことであり、ねたみは
相手をひきずりおろすことにエネルギーを注ぐことです。
 特定の個人を攻撃せず、自分の努力によって相手の後悔を期待する。だか
ら、実際に相手が後悔するかどうかはわかりません。ただ、そこに向かって努
力する自分には、普通以上のパワーが出るものです。

○見返すという行為を自分の成長の動機にしていけたらいいと思います。


■世の中は、努力と時間をかけた分上がっていくという正比例グラフにはなって
いないのです。評価は短期的に期待しないこと。長期的な評価を目指して行動
しないといけません。

○努力は決して嘘をつかないと思いますが、結果が表れるまではタイムラグが
あります。大事なことは結果がすぐに出なくてもあきらめないことです。


■自分の人生なのですから、自分に全財産をかけるのが当然。全財産を賭けて
いるからこそ絶対に外せない。真剣に勝負をしなくてはという気持ちが芽生えて
きます。
 勝てるといいなぁではなく、絶対に勝つという思いが必要なのです。

○絶対に勝つつもりでやっても思い通りにならないのですから、そのつもりを持た
ないで勝てるわけがありません。


■悔しさを持った上で、客観的な評価の尺度を持ち、自分よりある点において優
れている人を認める発言をすることで精神的な余裕が生まれ、自分の器が大きく
なったような気がするのです。

○達人は達人を知る、できる人は、できる人を知るということがあります。できない
人にはそれさえわかりません。


■武道では、反復練習を続けてワザを身につけるという「量質転化」の考え方が
あります。
 突きや蹴りの練習を、毎日200回ひたすら続けるということ。技になるのは二万
回が目安です。これだけ量をこなしていると、ワザとして身につく、「技化する」とい
うことが起きます。
 ポテンシャルを高めるには、時間とエネルギーをかけること。集中して、時間と
エネルギーをどれだけ注ぎこむか。私の経験では、一日10時間以上続けたこと
は、どんな苦手なことでも好きになるし、「技化」してできるようになります。
 10時間以上かけた経験は、確実に人を変える力があるのです。

○毎日200回、一日10時間、続けるということが物事を達成する上での臨界点に
なるのですね。できないと言うまでに、それだけの努力をしたかどうかを自分に
問いたいものです。


■現代のビジネス社会は、総じて進行するスピードが早くなっています。そのため、
遅い人は弾かれてしまう。納期や約束は守るのが大前提で、その上さらにスピード
が早くないとついていけない、クオリティはその次の段階の問題です。
 納期よりも早く仕上げて行くことで、次のステージが用意されます。
 タイミングを自分の方から早くしていくことで、情熱を見せ、ステップアップの速度
を上げていくことができます。「仕事が早い」という信頼を得れば、次の仕事も来や
すい。

○カルロス・ゴーン氏も絶賛した、締め切りを守る、日本人のデッドラインの美学で
すが、さらに進めて締め切り前に仕上げれば自分も次の仕事にかかれますし、依
頼した相手にも喜んでもらえます。


■追い詰められた状況にあるとしたら、その状況を逆手にとってエネルギーにして
いく。ネガティブな思いとネガティブな状況だからこそ、突拍子もないポジティブな
エネルギーに変換することができるのです。

○批判は、誰しもつらいものですが、批判されるということは自分の言動がある程度
影響力を持ってきた証拠と思い、自信を持ちましょう。


■人間の気力を支えてくれるのは、身体・人間関係・言葉の三つだと思っています。
 身体が健康でエネルギーにあふれていること、人間関係が円滑でモチベーション
が上がること、言葉で心を鼓舞することが大切です。
 時には、身体の調子が優れなかったり、人間関係が不意に変化したりすることが
あります。ですが、言葉の威力は一定で、なおかつ状況に応じて自在に変化させる
ことができます。そう考えると、言葉が最も安定的に気力を支えるものとも言えます。

○言葉は他人に発するとともに、自分にも届くものです。順序としては自分の発する
言葉を最初に聴くのは自分です。マイナスの言葉は自分自身にも悪影響を与えると
いうことを忘れないで、自分を勇気づける言葉を自分にかけてやりたいものです。


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