夢のゴミ箱

夢のゴミ箱

~1~




ここ数日間、何かあるごとに一喜一憂し、大切なものを手にすることができた。





ありがとう





お前に出会えてよかった・・・。













『物語の始まりはそう、成す術もない僕らが主役・・・』












その子と知り合ったのは2004年の秋。






場所はPCの前、YAHOOメッセンジャーだった。




俺は純粋にBUMP OF CHICKENの話がしたくて




三重県に住む高校3年生の女の子に話しかけた。






第一印象は、あまり良いものではなかった。




『ハートに包帯をグルグル巻きにしているような女の子』で




必死に自分を取り繕っている感じだった。






そして1時間程度話し、




その日のメッセは幕を閉じた・・・。










メッセを終えてからも、なぜか、その女の子の事が気になっていた・・・










そして、それから数日間、寝ないでメッセをする日もあった。





会話の内容はバンプの事や、受験や学校の事、前の恋愛の話と多岐に渡った。







彼女は、人に言えない傷を持っているようだった。







自信がなく、受け入れてもらえない事の恐怖から、自分に素直ではないのだと感じた。






そうして、話していくうちに、彼女の弱さや脆さ、優しさ、温かさを知っていき、
















それは、いつしか恋心となっていった・・・。
















その事を打ち明けると、彼女も同じ気持ちでいてくれたみたいだった。





彼女はどんどん自分の気持ちをさらけ出し、素直になっていき、





俺はもっともっとこの子を知りたいと思うようなった。










その反面、俺達は顔も知らない同士。







「好き」と言いながらも、心のどこかで常に不安はあった。







ましてや、遠距離恋愛。本気になればなるほど辛くなると思った。









『俺のことなんか1つも知らないくせに・・・』








いつ切れてもいいように心の準備はしていたつもりだった・・・。






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