夢のゴミ箱

夢のゴミ箱

~3~






俺は「待つ」という答えを出した。







「俺の特等席はとっておくから、しっかり受験に励んでほしい」



「今まで話してきた事、全部叶えたいから合格するまで待ってるよ」




そんな内容を延々と綴ったメールを送った。




本気で彼女だけを見ていこうと決心した瞬間でもあった。















次の日は胸が痛く、呆然としていた。







決意したものの、先を考えると不安にもなった。




















その時、携帯にメールが入った。


















彼女からだった・・・






















「メール見たら決意が揺らいじゃう。好きで好きで仕方がないよ。」









俺は、すぐさま電話して、一緒に泣いた。





そして、共に頑張っていこうと心に決めた・・・。









それからは、試験前は連絡をとらないようにしたり、工夫して一緒に頑張っていった。





そして、試験前の1週間、連絡をとらないことに決めた・・・。






そう決めた時は不安が大きかった。














俺達は遠距離恋愛















連絡をとらない時間が長いと気持ちが離れていってしまうのではないか心配だった。








毎日の連絡が当たり前の俺達にとって1週間は、途方もない時間だった。








「連絡をしない」という約束を破り、俺は毎晩、気持ちを込めてメールをした。











返事はいらない、一方的な応援のメール。






毎晩同じ時間に、「俺が今日頑張ったこと」と「一緒にがんばろうな!」って事を送った。











純粋に彼女は喜んでくれた。








彼女が受験勉強をして連絡がとれない最中、俺は大学のメンバーで鍋パーティーをした・・・。









そこには、以前、俺が好きになって、告白したけど、ふられた子がいた。









自分では冷めていたつもりでいた。






しかし・・・












「男の子は座ってくつろいでいてよ。」









この一言で、その子の優しさ、当時の気持ちを思い出してしまった。






自分の気持ちが分からなくなっていった・・・。





彼女も、そんな俺の事を何かしら感じ取っていた・・・。











試験が終わって、久しぶりの長電話をした。





しかし、彼女は俺が心ここにあらずという印象を受けたようだ。





俺は、鍋パーティーの時の事を話した。





彼女は、そんな俺に対し、「ガッカリした。」と言い、電話を切った。









何日か連絡がとれなくなった・・・。








その間、考えることは




「まだ怒ってるのかなぁ・・・」



「きっと学校にでも携帯置き忘れてんだよ・・・大丈夫。大丈夫・・・。」



「他にいい人できたなんてこと・・・ないよな・・・。」



「・・・事故にでも遭ってないよなぁ?」









「このまま一生、声が聞けなくなったらどうしよう・・・!??」










どうにもならなくなった俺は、一か八かで家に電話してみることにした。










すると、彼女が出た。





少しだけ話したが、「ごめん、今は話したくないの」と言われた。










気分はどん底だった・・・。










しかし、反省しつつ、そんな状況でも希望だけは捨てなかったのが吉と出たのか、





次の日、仲直りできて、いつものように話ができた。









そして、彼女に連絡できない時に、俺の事を知ってもらうため、




俺の思った事、感じた事を彼女にわかってもらいたいという事を理由に、





俺はこの公開日記を始めた・・・。




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