夢のゴミ箱

夢のゴミ箱

~5~






何日か後に、彼女へ合格通知が届いた・・・。









それは出会った日に受験した学校ではなく、彼女の家から近い学校であった。






彼女の第一希望校であったが、俺は側にいてほしかった・・・。





















俺の遠距離恋愛が続く事が確定した・・・。





















会った事への達成感、続く遠距離恋愛の不安感、




俺の就職活動が始まり、体調不良も重ね、彼女に対する配慮が薄くなっていった。






それからは風邪を治す事にも、就職活動にも、バイトにも、




そして、恋愛にも一生懸命になれない自分がいた。







時間ばかりがある俺は、いろいろと忙しい彼女に対して、












「なんでメールしてくれないんだろう?」 「俺の事、嫌いになっちゃったかな?」
















ただ、ただ、彼女の愛を求めてばかりいた・・・。






















俺の風邪もよくなり、徐々に体が動くようになっていった。





暖かくなり、楽しいと思える事も増えていった。












反面、どんどん彼女の体調が悪くなっていった・・・。






そして、確実に俺に対する彼女の態度が変わっていった・・・。


















そして、「俺の愛が重い」と告げられた。












そのうちに連絡がとれなくなった・・・。


















今まで連絡をとらなかった事は何度かあった。



しかし、それは連絡をとらないようにしよう。という話し合いの上での事だった。



今回のような事は初めてで、戸惑い、どうしたらいいかわからなくなった。



堂々と努めるべきか、不安な気持ちを伝えるべきか、ただ待つのが良いのか、










連絡がとれなければ、彼女が生きているのか、死んでいるのかもわからない。










この時ほど距離を憎んだことはなかった・・・。












そして、改めて彼女の存在の大きさを知った。













電話をすれば、留守番電話案内の声だけが響く。














どうにもできない自分の無力さをただ嘆くばかりであった・・・。














気が狂いそうになる夜、「俺達はもうダメなのかな・・・?」という初めての感覚を覚えた・・・。
























バイトの帰り道。






どうにか出てくれと、すがる想いで彼女に電話した。





























・・・久々に声が聞けた。













俺の中では、互いの「ごめんね」で、笑って話せる2人に戻れると信じていた。









今までの様に、ここからがスタートなんだと思っていた・・・。




















しかし、その声は曇っていた。








話を聞くと、ここ数日、色々と大変な事があったようだ。


























そこで、不意に出た一言・・・











































「ねぇ・・・別れてほしいの・・・」
























突然の言葉に唖然とした。














そこには今までの言葉とは明らかに違う、彼女の確かな気持ちがあった・・・。







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