11:LA編・悪夢4~凶器~

11:LA編・悪夢4~凶器~ 

そんな最悪な状況が予想される中、俺は一目散に公衆電話に向かう。

その公衆電話だけが俺の命綱!!


壊れてるなよ・・・祈りながら電話に近づく。


ここでもし電話が全部壊れていた場合・・・

まず、地図がない為~帰り方がわからない。

しかも、ここは
明らかすぎる位に観光地ではないし、
売店がパチンコ屋の換金所状態 なとこから察するに、
こんな危険な地域を歩く勇気を、
残念ながら俺は持ち合わせてはいない。


つまり、また車に乗って公衆電話を探さなければならない訳だ。

冗談じゃない。


出来る事ならば、ここで現在地を確認し~
生きてここを脱出しなければならないのだ!

そんな祈りにも近い願いを込めて受話器を取る・・・





壊れてない!


やった、俺はついているぞ!!

やったぞ~~!!

まだ、生きて帰られるかも!
(それはちょっと大げさか)


友人Yに急いで電話して、周りの風景と周りの状況を説明する。

ついでに、
売店がパチンコ屋の換金所みたいだった事、
気温が少し高い事、
地名が英語じゃなくテキーラの名前みたいである事、
周りが明らかに変な事等を伝える。

この時の俺は正直に言えば恥ずかしいが、びびっていた。

奴らは俺より全員が全然でかい。
ボブ・サップみたいなのが目の前で乱闘してりゃ~
幾ら俺が空手二段だからって、巻き込まれれば秒殺は間違いない。


しかも、その乱闘を見ながら電話しているのを目撃され、
警察に電話なんかしてんじゃねぇ~ぞ、
みたいに勘違いされて電話をグシャリと破壊された日にゃ~



俺の精神まで秒殺だ。



コソコソと隠れて友人に相談をすると・・・


「どう考えてもそこは危険だし、時間も遅いし~オレンジカウンティーは諦めて帰って来い。」


という、答えが返ってきた。



うん、もっともだ



帰ろう。。。。いや、帰りたい!
ここを無事に脱出できるのならば・・・


Yに帰り道を聞き・・・

俺がいるのは予想通りかなりアメリカ南部・・・
サンディエゴのメキシコにかなり近い国境やや手前の地域らしい。
そして帰り道を聞けば、もう怖い物はない。
電話を切り、あとはいかに無事にここを切り抜けるか!!

売店をぐる~っと周り、
誰にも気が付かれない様に車に忍び込もうとしたその時!!





メキシコ人の一番後ろにいた男がケツポケあたりから、
何かを取り出したのだ!!







































あっ!!





ナイフだ!!






包丁くらいの大きさだが、本物っぽい!!


・・・・これからあの黒人は刺されるのだろうか?

・・・・それとも脅しなのだろうか?



しかし、そんな事はもはや俺には関係ない。
俺は車に急いで乗り込みエンジンをかけ、ダッシュでその場を逃げたのである!

みなさんは逃げた俺を責めますか?
丸腰で、危ないからやめなさい!って止めに入りますか?入れますか?



怒り狂ったボブ・サップ & 汚い言葉を連発して吐き出す黒人女性

VS

ナイフをもった5人のメキシコ人
の喧嘩を止められますか?



周りには、ほとんど何にもなし。
たぶん、あの場で俺が仮に止めに入っても、刺されておしまい・・・
もし自分が女性なら余裕でレイプされたかも~
結果的にあの黒人の女性もどうなったかはわからないし。
もしかして、あの中にゲイの人がいたら~
押さえ込まれて俺までレイプされた後に刺し殺されて、
その辺に捨てられて終わりかもしれない。 


僕は思いっきり逃げました。
逃げるのは嫌いですが、逃げました。


もう脇汁たれまくり。


日本では経験出来ない・・・・死ぬかも?という感覚を味わう。


売店のおじさんも気付いているのかいないのか・・・・


願わくばあの後、彼らは仲直りをして酒場で一緒に杯でもかわしていれば良いな~
と切に願うばかりだ。




こうして、俺は無事ルート5を逆方向に乗り、ルート405を目指し、
そしてサンタモニカの平和な町を目指して、アクセル全開で爆走するのであった・・・



しかしまだ冷静になれていない俺は、
この時点ではまだ気がついていなかったのだ・・・・





























ガソリンがあんまり残ってない事を・・・



不幸のとどめはこの後に起きたのであった・・・




つづく


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: