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2004.07.07
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カテゴリ: ばくばく冒険小説
福井晴敏が”ダイス”シリーズから初めて離れて書いたオリジナル作品が,この『終戦のローレライ』だ。妻夫木聡主演で映画化も決定している。

時は第二次大戦末期,主人公の17才の少年は,新兵として南方で謎の任務に付く。それはドイツ軍から委譲された潜水艦Uボートに乗り,アメリカ本土に攻撃を加えるというものだった。ところが,この潜水艦には「ローレライ」という謎の新兵器が搭載されており,また任務にも2重3重の謎と裏切りが仕組まれているのだった。

設定は「女王陛下のユリシーズ号」的な海洋戦記冒険小説だ。一方で「鷲は舞い降りた」的に,日独米の敵味方をきちんと人間として描き,正史の裏の冒険譚を描く作品でもある。じゃあ,冒険小説かと思うとそうじゃない・・・・・

ネタバレを避けるために,あいまいに表現すると,この作品は戦記物の形を借りているが,社会現象とまでなった某自閉症的ロボットアニメーションの小説版だと感じた。

福井晴敏作品で多い設定として,「罪を犯した第一世代」「挫折した第二世代」「時代を切り開く第三世代(主人公)」があるが,これも上記アニメーションの監督作品と共通する。

そうした世界設定を踏まえた時に,自分が「第三世代」な人たちは素直に主人公たちに感情移入をして,怒り泣けるのでいい。読み終わったときに,前向きな気持ちで,自分と現実を変えてやろう!と思うに違いない。

でも,いつの間にかもう「第二世代」な僕ら(ら,って誰?)が,素直に感動だけしてていいのか?もっと現実を改善すべく動かなくていいのか?「アンタの現状認識はその程度か!」って「第三世代」に追及されることを恐れてる自分がいる。思いっきり作品世界に影響受けてるけど・・・

ま,そーゆーキモチにさせるほど,この作品の力は強い。作者が巧みなせいもあって,正直魂を揺すぶられることが何回もあった。でも,真っ直ぐな主人公は,「第二世代」としては時々痛かった。

また表紙の装丁も素晴らしい。映画が公開されてもこのままで使ってもらいたいと思う。

でも,よく言われているように,終章は蛇足じゃないだろうか?福井晴敏お得意の日本現代史批判にはなってるけど,ファンは逆に「またこれかよ?」って読み飛ばしてると思うな。

終章のこともあるし,個人的には『亡国のイージス』の方が好きだな。





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Last updated  2004.10.11 23:26:01
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