きっとどこかの物語

詩 2006




一人の死刑囚
彼は笑うだろう全人類に
奴等が馬鹿だって知ってるからさ

俺を殺して何に為る
この地球上に無限大の数ほどの
いきとしいける者の中のほんの一匹が
たった1日の今日この日死ぬだけさ

皮肉にも死刑囚は笑う
それはただの罵りだ
そうただの 罵り

けれどそこに大きな勘違いがあった
監視員がそれを嘆きと取った

ただそれだけの間違いだった

全人類という莫大な数の生き物が
彼を弱虫と煽った。

そして数百年
幾千年が
たった今も
とある国の
とある教科書には
そう書かれている
莫大な数の人間が知っている
大虐殺を犯した死刑囚は
とんでもない弱虫野郎だと

いつまでも彼の刑は続いていく


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ゴミ溜めの道


雑然とした僕の道は
誰かに切り捨てられただけのゴミ溜りだった
掃除をして
ときどき切れて
誰がこんなにしたんだ
どなってやった

それでも僕は自分が進めるように
道を綺麗にして
立ちふさがるゴミの中で
ゴミ同然の姿で
道を開拓してた
前も見えなかった
夢は
このゴミの先にあるのかなあ

いつか僕は
あることに気づいた
この道には
先が見えない
だけど僕は
いつのまにか
花の咲く道を作り出してた
その先には
僕の帰る場所があることに

でも僕はそれでも
夢を追うから
まだ
ゴミ溜めの道に
花を咲かせてやるんだ



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小さな俺が見てる


手を振りやがってこの野郎
馬鹿みたいににたにた笑い
そんなに楽しいかコラ
てめえが掴んだ幸せは
誰かからもらったもんなんだぞ
でてめえはその後全部それを忘れちまう運命にある
それで
また集め始めんだ
今度は自分の手で

当たり前のようにあった
家族に友達、お昼休みに3時のおやつ、
小さな俺はそれをほおばってにたにた笑い
でてめえはその後全部それを完食しちまう運命にある
で、小さな俺が見てる大きい俺は

ここでその食いカスと思い出の味を動力源に
大きいケーキ作ってんだ

ああ?
てめえに食わせるためじゃねえよ
大きい俺が自分で食うんだ
それで小さい俺が見てる前で
にたにた笑いしてやるよ





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小僧の足取り


僕はまだ何も知らない小僧のままで
大きな街道を超スピードで走りぬける

知ってるか小僧
そんな小さな身で小さな脳で
こんな大きな道を走ってるお前を
みんなが笑ってるぞ

知らないね

僕は何も知らない小僧のままで
大きな夢をかつぎ誰の制止も聞き入れない

知ってるか小僧
そんな細い腕で細いからだで
こんなでかい夢をかついでるお前は
危なっかしく見えてしかたねえんだ

知らないね

小僧は笑う
ホントは知ってんだけど
笑われるその恐怖も
制止されるその暖かさも

知らないふりだ
止めさせない
僕を融通のきかない小僧だと思っていてくれ

その足取りは不確か
しかしその行き先は
明確



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誰に、何を。


罪を背負ってた
“誰に”? “何を”?
わからなかった



ここに いるよ。

小さい頃の
僕たちが
そう言って背中を押してくれた

僕らの夢のために頑張ってくれて ありがとう

そう言ってあの子らは笑ってくれた
畜生にも程がある世界の中で
これほどかってくらい腐っていた僕らに対して
それでも夢を追いかける僕らに対して
やさ子たちはそういってくれた

ふいに許された気がした
落ちぶれていくことも
腐っていくことも
ただ
必死に生きていれば
それで
笑ってくれる人がいるなら

許された気がした。

僕らが背負っていた罪は
“昔の自分たち”に“腐っていく自分”を
だったのかもしれない



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どっかの街。


セピアの空 セピアの街
一人で歩く少年

そこらへんに
少し人がいる
大きな街なのに
街は息をしていない

少年以外が生きていないように

活気があるわけでもなく
スラムのわけでもなく
笑い声があふれるわけでもなく
泣き声が聞こえるわけでもない


聞こえますか
もう耳など
とうに腐っていますか

街に触れてみた少年の手に
かすかな
ぬくもり

ああ

少し

遅かったんだ




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誰かの推測。誰かの想像。




ひとり

憂鬱がめぐる
くるくるきらきら

それは
悲しい物語のはじまり
それは
苦しい鳴き声の主を
まとわりつけさせて
離さない
迷路

こう
貴方にのしかかる言葉を
与えてあげる

悪魔の言葉

預言書







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彼の炎


小さな花が
散ったの
あの燃え上がる
炎の中で

聞こえますか
ぱちぱちと
燃えるでしょう
花が
灰になるの

目を背けたくて
誰かにすがり付いて
あの花を助けてと
叫びたくて
でも花は言った

これが
正々堂々の勝負だ

燃え尽きた花は
負けた彼は
赤い炎を流していく

はじめて正々堂々闘った彼の勇姿
見たはずなのに
見られたはずなのに

泣いてる
涙が落ちる
その炎を消したくて

消したくて





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昔聴いた音楽につられて


昔 聴きながら
ペンで紙に思いを詰め込んだ音楽
詰め込んだのは
悲しみと 憎しみと 後悔と

いとしさ

暗い過去
誰にも知られたくない
自分

認めてくれた
人たちに
幻滅されるであろう
思い
感情

人を殴り 人を殺し
人を 人を 地獄に突き落とした

アノ頃きいた音楽が
思い出させる
僕の暴挙

どうか
許してください
夢の中で僕が謝る

僕に向かって

僕を殴り 僕を殺し
僕を 僕を 地獄に突き落とした
僕が謝ってる




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拳をもう一度


嗚呼たえてみせる
衰えていく煩悩
衰えていく思考
嗚呼この屈辱に耐えてみせる

大人になり人に合わせることを知った
俺は俺なりの道を見つけた
嗚呼 けど確かにそこには
ありはしなかった
自分の素直なまっすぐな道

これでいいのか
これが俺でいいのか
昔見た自分の大人像
アノ頃の僕は
こんな俺を望んでなどいなかった

世間と名づけた畜生に
罵声を浴びせもう一度立ち直ろう
俺は俺の正しさを信じ生きていく
誓ったはずだ
俺はもう
生きるしかない
それなら
大きな夢をかなえてやろう

数年前に他人への心からの妥協として
自分を殴ることを忘れ
だらりと開け放った手のひらに
拳をもう一度握った





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アンタはどっち?


あっちではAで笑っていて
こっちではAで冷めている
そっちではBで怒っていて
どっちではBで楽している

自分はどっち
誰に感性を売る
仲間はずれは
嫌?

嗚呼そうさ
この世で生きていくためには
他人にあわせなくてはいけない
そのうち自分を見失う
さあ
アンタはどれを選ぶ

選ばなかった人間を見てみたい?
それなら
アレだよ



その人差し指が指した方向は
墓場







その奥にドア





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昔の自分を亡くした


雨が降った

人を亡くした

虹が出た

笑った



あと
ひとしきり泣いた



僕は僕だ










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埋もれる頭脳


嗚呼嗚呼
またはじまった
わけがわからない文字羅列
わけがわからない行進曲
嗚呼嗚呼
またはじまった

僕の頭はいつもこうだ
たまに誰かが天才と呼ぶ
僕の頭はいつもこうだ
眠れない眠れない
新しい情報が
どんどん入る
どんどん埋もれる
僕の頭脳

だから知りたくないんだ
テレビだってつけたくない
こびりつく文字 頭を叩く音楽
情報に埋もれる頭脳

天才天才うるさいよ
頭痛い
その声が
その文字 音波数値が
僕の頭から離れない

嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼嗚呼





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14歳


本が呼びかけた
お前はアノ頃どうだった?
私は
平和な場所に居た
複雑な環境で育った子など
たくさんいたのかもしれない
それとは無縁のように生きていた

私が
複雑な環境下におかされていて
他人になど
目も暮れていたなかった
どうせ下衆だ
何もしらない下等人種だ
この世に何があるか知らないで

私が言わなかっただけだった
打ち明けたとき
受け止めてくれた私が下衆と呼んだ人種

私が下衆だった

本が教えてくれた人間模様
受け止めてくれることを
当たり前としていた自分
下等人種

そんな世の中じゃない
そんな甘い世界じゃない
言い聞かせろ
言い聞かせろ
じゃないと情にすがるだけの
下等人種のままだ





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神を称えよ


枯れ果てた苦しみに
幻想を抱く少女
偽りも
魂も
最後の希望も捨てていく様を

もがき果て
悦びよ
誰の手に渡るの
それが真実の
愛ならば
みんな綺麗に賛美を歌うのに

神はただ
見下ろすの
この地上の貪欲を
行方も
知らぬ者
歩くことさえ
出来ぬ者

神を称えよ
賛美は謳う
ただ何もしない者へ

神を称えよ
賛美は濁る
何も食らう物が無い者が歌うから




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ぐるぐる


嗚呼嗚呼嗚呼
誰か 誰か助けて
こんな人間になりたくなかった
殺して 殺して 殺して

叫び声が
ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる
SOS信号か
それとも
誰かの戯曲か

僕で
戯曲なんて
つくらないで
僕を
おもちゃに
しないで

おもちゃが朽ちるまで
遊ぶ
遊ぶ
戯曲よ
回れ







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心情書き残し9


道はまだまだ続く
それは険しいかもしれない
もしかしたら
ただまっすぐな道なのに
お邪魔虫がすっとんでくるだけなのかもしれない

お邪魔虫になることに時間をつぶす者
道を行く者

断然
後者を選びたい

でも歩いていたら
きっと誰かの道を横切って
前者になることも
あるんだろうな

それでも
道を行く者を選ぶんだろう








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心情書き残し8


あれからもう半年が経つ
全てが嘘だったかのように
日常が動き出す
僕も新しい地に慣れてきた
あいつらは
どうしているだろう

苦難の日々が続いてたあのとき
苦しくて悲しくて
でも笑いあってた
あのときを
こんなにも懐かしく思い
そして
それを
過去と思う日がくるなんて

知っていたさ
いつかそんな日がくることなんて
別れはいくつもあった
何度も繰り返した

どんな思いでも過去と呼んで
過ぎ去らしてきた
あいつらを
過去と呼ぶことが
できない事実を知るまで

最後じゃない
始まったんだ

そうだ
そういわれた
そうだよな




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心情書き残し7


小さい白い玉がひとつ
泣いているの 少し揺れてる
小さい透明な雫がひとつ
白い玉から流れ 床ではねて散った

嗚呼君が白いってはっきりとわかったのはさ
周りが黒かったからなんだ
嗚呼周りが暗いってわかったのはさ
君が白かったからなんだ

まざりっけのない白さでいるのに
自分は濁った黒い生き物だなんて
泣いているの

悔しいのかい
悲しいのかい
寂しいのかい
苦しいのかい

小さい白い玉がひとつ
揺れてる 泣いているんだね
小さい透明な雫がひとつ
散らばった 冷たい床ではねて

嗚呼言葉を並べることならいくらだってできるさ
僕らは言葉の神様だから
だけどね僕らがどんなに言葉を並べても
救えないことも
嗚呼
あるんだ

嗚呼お願い出てきて
嗚呼そこから出てきて



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心情書き残し6


他人を皮肉って言葉で蹴落として
嗚呼それでも僕は自分を称えようというの
自分を誇ろうというの
でもこれがなくなったら
僕は
闇に堕ちるんだね

ここで皮肉らないと
ここで嘲笑わないと
目がさえてくるんだ
自分の現在地を認めたくないんだ

他人を皮肉って蹴落とせば
自分はそれより優位に立つ
でもそれは
自分は全然移動もしないで
相手を後ろにひっぱっていってるだけだよ
わかってる
わかってる

現在地を認めたくなくて
弱い心が蹴落としていく
それに蹴落とされない奴
一人いた

自分だった

もう皮肉なんていらない
本当は蹴られたら堕ちたくてたまらなくて
それを我慢してる自分が
誇らしい
もう皮肉なんて要らない
十分な現在地




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二人の、信じてもらえなくなった者たち。


泣き泣きすがる少年
僕はどうしたらいいの
今から何をすればいいの
僕はどうしたらいいの
わからなくなっていた何もかも
どうして自分は
この暗闇に堕ちなくてはならなかったのか

泣き泣きすがる少年
その姿を見る、嗚呼なんと呼ばれていただろうか一人の老人
今じゃ私に力はない
誰も私に力を与えてくれなくなったから
老人は語りそして言う
探すんだ、自分の足りないものを、
そしてそれを、少しずつでいい。
できるものから付け足していくんだ。
私にできることは、もう言葉をかけてやることだけだ。

嗚呼一人の少年
老人の言葉に泣き泣きすがり信じた
その瞬間
老人に力が戻った
少年に、
暗闇の中でも歩いていける脚力を
自分を信じる自尊心を
足りないものを補う補助力を
そして最後に、少年にひとつの魔法
「生きなさい」

少年は老人の名を思い出す
そうだ、あのお人の名前は





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心情書き残し


段々習慣を習慣にしていくことに疲れを感じ始め
段々「もういいかな」が近くなる
負けちゃいけない のだけれども

ここで1日折れたら
1日捨ててしまうという不安
休んでも
いいのにな
心が
焦ってんだ

夢って誰がつけた
目標って言っても よかったんじゃないか

夢の横に人が立ってたら
儚いらしい
じゃあ僕は
儚いのかなあ

一枚一枚絵を描く毎日は
儚いのかなあ


ふと思った
じゃあ僕は
夢の横に立つのはやめる
そんなに儚いなら
横っちょは嫌だ

夢の次にずっとならって
夢人になろう
儚いを通り越して
それそのものになっちゃえ


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優しい人たち


目の前で事故が起きた
といっても、「ぱこ」という小さな音を立てて
車の横っちょにバイクがぶつかっただけだけど

そのまま車の横を通り過ぎていくバイクがひとつ
そしたらそのバイクったら
何度も振り返っては振り返ってはして
こっちを見てるの
ほら、危ないよバイクの人、
前見ないでよろよろ運転しちゃって、
自分が事故っちゃうよ
そんなこと
お構いなしなのかな

僕もそのまま車の横を器用に通り過ぎた
そしたら前方に
こっちを覗き込んだあと
Uターンして戻っていくピザ宅配のバイクの兄ちゃん
宅配中なのに
わざわざこの小さい小道に
入ってきたんだ
馬鹿な奴等だ
そんなに心配しなくても
大丈夫だよ

といいつつ
僕も
振り返っては振り返った




実話より



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彼は死んだ


彼は周りから祝福され生まれたにもかかわらず
3歳の頃
姉を亡くし
5歳の頃
両親を亡くし
6歳の頃
引き取られ先からDVを受け
8歳の頃
やっと解放され引っ越した先で過酷な虐めに合い
12歳の頃
自殺を計る

13歳の頃
事故で右手を失くし失明し
15歳の頃
最後の光を失くした
16歳で
暗闇を走ることを覚え
17歳で
自分というもともと一人の孤立を自覚した
18歳で
無い右手のかわりに左手でバイオリンの弦を弾き
19歳で
無い視覚のかわりに聴覚で人を判断する
22歳で
恐るべき速さで奇跡のバイオリン奏者になり
25歳で
天才神童鬼才の名を欲しいままにする

のち、たった3年間彼は人々の拍手を浴び続けて生き、
彼は死んだ。
人生のほとんどが絶望だったにも関わらず、
彼は、良い人生だったと微笑んだという。





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無題


もとに戻るということは
暗闇に居たことを忘れることでも
光の場所に行くことでも
ないんだ

死にたいと生きていた
あのときのことを
大事に包んで
その上で
色んな人と
かかわっていくこと
大事なことは
それなんだ


立ち向かうべきなんだ
本当の意味の光へ
挑むべきなんだ

人との関わりを拒絶した
「人が嫌いだ」といって遠ざけた
そのとき「逃げちゃいけない」の意味がわからなかった
やっとわかったんだ
嫌いなことを遠ざけ続けて
逃げていたことで
自分の大事なものが
段々
枯れていくのを

マダ残っていたのに
気づかなかった

今 取り戻せるなら 取り戻せるなら



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無題


逃げたその足のつま先から
悲壮の足跡が生まれ続ける
そして僕らはまた歌を歌う
誰からも逃げる事を恐れず

籠の中の蝶がモガキ苦しんで
悲しみにくれてる「花の蜜を吸いたい」と
君に預けたリボンにくるまれた
箱の中の愛は空っぽだ

心の中の蝶がヒラリ悲しんで
美しいその羽に気づかず泣いている
君に預けた美麗な花束は
涙を吸い取っても枯れていた

逃げたその足のつま先から
悲壮の足跡が生まれ続ける
そして僕らはまた君を笑う
誰かに咎められる事恐れず

君はマダ花の蜜を吸いたいと願ってる

涙を流すんだ今そのときなんだ
花を咲かせるためにその水滴を
蜜はすぐそばにある
その美しい羽で空を舞って
籠の中から逃げ出して
鍵はその手の中にあるでしょ
その美しい羽で空を舞って
蜜はすぐそばにある


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無題が続きます(心情書き残し)


誰かにすがりつきたかった
僕はまだ社会を認めたくない子供

でもこの、大罪を犯した子供が
誰かにすがって良いはず無いんだ
そうこれは
いわゆる懺悔
救われたいと思いながら
救われようと動きださない
傷ついた人たちへの
懺悔

誰かがそれは苦しいと言うだろう
それはあまりに 悲しいと言うだろう
そう 悲しい わかっている
だからこそ
懺悔
大罪を犯しながら
誰にも罰せられなかった

これは
懺悔





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無題


光を取り戻したはずの体
だけど闇をまた欲しがってた
そこじゃないと
生きていけない体になってた

光は眩し過ぎて。
眩しすぎて。

光を取り戻したはずの心
嗚呼生きたいと思うようになっていた
暗闇を織り交ぜた光を持った心は
灰色ににじむ

これが真の姿
人間の心理
そうどこかの哲学者が言った

光だけの世界など
光だけの人間など
居ないという

僕もそう思う
いや
そうであってほしいと
願っている



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無題


突き放されたひとつの命
もがいてもがいてもがいても
進むことができずにさまようだけなの?

嗚呼 許されるのなら
この身さえ全て投げ出して誰かのところへ行きたい
この血さえなければ、この血の筋道の証さえなければ、
僕も普通に誰かに恋して
誰かを愛したかもしれないのに

助けにすがりたいだけの今
人を信じ愛すことに恐れおののく自分を
血のせいだと決め付け
弱い細い糸にすがろうとする

嗚呼 許されるのなら
アノ頃へ戻して
何も知らなかった
僕が人をコロス悪魔だと知らなかった
アノ頃へ

人にすがり泣き愛すことが怖い
人を信じ友を持つことが
こんなに怖い
立派な血筋の相手を汚すことなど
下民と悪魔の間に生まれた自分が
できることではない
突き放されるかもしれない
怖いのだ
怖いのだ





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強制仮面舞踏会


仮面を被って
くるくる踊る
異性同性
くるくる踊る
友達知人
くるくる踊る

友人が言う
私の顔知っていますか。
相手は答える
全く知りません。

仮面をかけて
素顔を見せない

仮面をとってもいいですか
一人が叫んだ
泣いて請う
しかしここは強制仮面舞踏会
素顔を見せれば大勢の嘲笑と
冷たい目

仮面をとりたいと叫んでいる
皆が
叫んでいる
主催者は誰だ
出て来い

ここは強制仮面舞踏会
ここは地球





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弱い部分。


「無理に明るい世界に行かなくていいんだよ」
弱い部分が言うんだ。
「辛いんでしょ? 闇を知らないふりをするの」
奴に首を振ってみせた。
「光への生ぬるさへの怒りを抑えるのに必死なくせに」
必死だ。確かに必死だ。この激怒。この不安。この寂しさ。
自分を知る者が居ない。
弱い部分を支えてくれる人がいない。
だから奴は
弱い部分は誘惑してくる。
「早く、闇へ戻って。」
うつろな目をして
「じゃないと私」
言うんだ。言わないで。言わないで。
「消えちゃうよ。」

弱い部分を抱いて
それさえも自分が守って
歩くことはできないのか。
それをするには
まだ私は子供なのか。
誰か彼女の涙をぬぐってはくれないか。
他人に頼ることなど甘いと知ってる。
一人で生きていかなくてはならない闇を
背負って生まれてしまった。
生きていく、歩いていく、そのときにまとわり付く言葉。
闇、闇、闇。
いつそこに堕ちてもいいのだとささやき続ける彼女。
彼女が知っていてくれたら。
大きな闇を持って生まれてきた。
決して許されないことをして生まれてきた。
それでも私は
ふつうの人間として生きたいんだ。



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他者の言葉VS自分の精神


暗くなる瞳の
その奥に自分が眠っているような感覚がする
幻想的なこの感情はどうしても
どうしても
暗く淀む

他者の言葉に殴り倒された自己
赤く染まるというよりは
黒く淀む
身体というよりは


薄暗い
他者の言葉からの敗北に気づかず
暗闇の中へ堕ちていく
薄暗く 暗い闇が
また迫る
負けて黒の波に浮かぶのは
楽だ

もとに
もどるのだろうか
いや
もどりたくなどない
自分を見ることもできず
今のどろだらけの自分に
この前やっと気づいたのに
また気づかず汚れていくなんていやだ

だから
だから
この勝負
勝たなくては。




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内側と外側


自分の内側の死に直面して
もがき苦しむこともできないとき
ただ漠然と前を見るでもなく後ろを見るでもない目をしているときに
僕らは呼吸ができないでいる
自分の内側が死んだから

もしそれが外側の死だったら
楽なんじゃないの
そう考える内側の僕ら
呼吸をしていない内側は
酸素が足りないらしい
思考さえも放棄した

考えることさえモドカシイ
失うことさえ動じずに
うっすらと笑うことだけただできた

内側が死んだ
内側が死んだ
内側が死んだ

ただひたすら
そう叫ぼうとしたのに
内側は死んでるから
外側に伝えることができない

もちろん
外側は
内側が死んだことになどとうに気づいていた
だけど外側は内側を失ったまま
ただ
ただ
生きて泣いていた





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新世界


たまに見える光か闇
そこに刻まれた知識
嗚呼そうかこういう景色もあるのかと
僕の鼓動はたまに鳴る

こういう心を持つのかと
思うことがある
それはもともとある欲望を超えていく


死のうと
逃げたいと言っている
大切な人が居た

昔もあった
でも僕はそのときより
少しだけ
大人になった
今現在
昔のように
「そんなに辛いなら僕は何もできない
殺してしまおうか」と思わなかった
今なら
僕の力で貴方を助けられる
僕は少しだけ大人になって
世界に少しだけ出て
新しい世界が見えてきた
だから
貴方を助けられる





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暗闇の輪廻


暗闇を擁護するかわりに
光を叱り付けるのは
輪廻をつくりだす。

暗闇にずっと居て
頑張って這い出てきて
そしたら見知らぬ人間が
自分を貶している。
それじゃあ
暗闇の輪廻だ。

今いる光の人間が
それの黒さをわかっていないと思ったら
大間違いだ。
忘れていると思ったら
大間違いだ。
あんな生々しいものを
あんな薄暗いものを
忘れるわけがないんだ。

それほどの暗闇にいた光なんだ。

それなのに
それなのに
やっと出てこれた人間を
また暗闇に落とすのか。






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自慰


にやりと笑うソイツは
勇気に満ち溢れた冒険者
挑戦ぶった目で睨んできやがる
口元は面白そうに笑ってンのに

俺は鼻で笑う余裕しかなかった
何をそんな楽しそうに笑ってんだか
よくみたら傷だらけだ

  ソイツは睨み返してこなかった
  俺の傷に気づいたのか
  少し動揺していた
  もっと重要なことにはまだ
  気づいていない様子だった

自分の体を見たら
自分の体に無数の傷跡。
目の前にいるコイツみたいに生々しい血は流れてないけど
はるか昔につけた傷のようだった

はっとしたんだ
もう一度ソイツをよく見てみたんだ
ソイツはやっぱり不敵に笑って
こっちを見ていた

「文句言いにきたのかよ」
涙が出てきた。
「傷だらけになってまで追いかけた夢
諦めたって責めにきたのかよ」

ソイツは力強く笑ったあと
「まだ間に合う」
そういって消えていった



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知りきった大人たち


艶や媚が飛び交うここは裏街大通り
世の反対側を知りきった大人たちが
ケツを振って闊歩する

少女の声は
場違いだった
艶めいた鳴き声が響くこの街に
切なさと愛おしさがぎゅうぎゅうに詰まった
少女の鳴き声が街を占拠した

悲しみや絶望などとうに知りきった大人たちは
少女を横目で舌打ちした
「ここはアンタのくるところじゃないのよ」
帰る場所がないと泣く少女
「ママはどこなの」
親はもう、どこにもいないと泣く少女
「お金は」
そんなもの、持ってないからここにきたの

“理由が同じだった”
ただそれだけのことだった
悲しみや絶望などとうに知りきった
世の裏を知りケツを振って歩くような大人たちが
クスリを売るような大人たちが
少女に一握りのチップとパンを与えた

ここに来た
“理由が同じだった”




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人のもつその羽


人はその羽の中に何をつけているの。
空を飛ぶための羽ならば
飾りは必要ないわ。

飾りをつけすぎてこんなに羽根が痛んでしまった。
飛べたはずなのに飛べなくなった。
鳥は空を恨めしそうに眺めるだけ。

小さなアクセサリーや宝石を
たくさんつけているのに
その羽をひとたび振れば
羽は飾りの重みにぷちぷちとちぎれ
赤い血を舞わす。

その鳥はこう言うの。
「空なんか、飛べなくていい。」
またひとつ
飾りが増えた。









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当然の心、抗う心


誰かが己の枠で描いた当然。
その当然の中で生きる僕ら。
当たり前と称し僕らは閉じ込めた。
当然に抗う心を。

ある日、抗う心が家から出てきた。
奴は即座にこういったんだ。
  何ということだ!
その表情は怒りではちきれんばかりに歪んでいた。
  人を傷つけるなと教えられたはずだ
  何故戦争がおきている?
  当然は?
  当然はどこに行ったのだ?
  当然よ!お前らは一体何をしていたのだ?
  こんなに
  こんなに世界が壊れていることに気づかないのか?

当然は言ったんだ。

非現実的なものに見なかったふりをするのも
また生きていくための
当然なり。


僕らはもう一度
抗う心を持たなくてはならない。



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情けは人の為成らず


薄汚れた裏路地。
月夜。
金髪の少年が言った。
「情けは人の為成らずってことわざの
ちゃんとした意味知ってるか?」
「嗚呼、“人に情けをかけたら、いつか自分に報いが返ってくるから
自分のためにならない”って意味でしょ?」
黒髪の少年が答えた。
「そ」
「それがどうかしたの?」
「べつにどうでもよくねぇ?って、話よ」
「?」
「昔はどうだったかなんて知らないけどよ、
今は自分投げ捨ててる奴多いじゃん?
だ、か、ら、さぁ」
金髪の少年は黒髪の少年を見た。
「?」
「べつに情けかけたっていいと思うわけよ
むしろじゃんじゃんかけろ?みたいな」
黒髪の少年は金髪の少年の風貌を見た。
耳ピアスは何個あけてるかわからないし、
根性焼きなんていまどきやるのかってほどの数の痕。
「別に迷惑じゃねえんだよ。
お前みたいなパンピーがこんな汚ぇとこまできて
俺みたいなクズに話しかけてくれるの
むしろ嬉しいと思っ」
「でもさあ、今はこのことわざ、
“情けをかけたら相手のためにならない”、って誤って理解してた人が多いから
そういう意味でも正式にとられるようになったらしいよ」
「・・・まじ?」
「まじ」
黒髪の少年が笑った。
「じゃ、また明日もくるから」


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闇の暴走


ボクの闇が暴走をし始めた。
ボクじゃ手に負えない。
誰か助けて。

振りかざした拳。
どこにぶつければいい?
どこを殴ってもスカばかりで
闇は更にご機嫌ななめだ

いい人ぶって生きてきた。
それでいいと思った。
自分よりも明るくていい奴がいたら
そいつより努力した。
闇の存在を知ったとき
そいつを邪魔くさいと覆い隠した。
闇は居場所を失った。

ボクの闇の暴走。
振りかざした拳。
どこにぶつければいい?
ボクの闇の暴走。
振りかざした拳を
ボクに向けた闇。
胸に強くあたったはずなのに
痛くなかった。

そのかわりとてつもない悲しみがぶつかってきたんだ。

ボクは大粒の涙を流した。
闇の奴は居場所がほしくてたまらなかったんだ。
少しでもいい、存在を認めてくれって、闇が泣いてた。
いつのまにか闇を抱きしめて
ボクも泣いてた。





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「生きるなら精一杯生きる」


「生きるなら精一杯生きる」なんて言葉
わからない奴にはわからない。

暗闇の中で
がむしゃらに走って
それなのに絶望を見た
どんなに頑張ったところで
先へは進めない
見たんだろ?
あの風景を。
『絶望』
その言葉がどれほど重いか
知ったんだろ?

だからわからない。
もともとその言葉に望みを託していたかもしれない。
もともとそんな言葉信じていなかったかもしれない。

なのに助けてほしいんだろ?

誰かに手を差し伸べられたくて
でもその手を自分は拒むかもしれない
その一瞬の判断が
光か闇 まさに明暗をわける

助かりたいんなら
がむしゃらに差し伸べられた手をつかめ。
そのせいでどんなに傷ついても
また手は降ってくる。
それを見逃すな 盲目になるな 瞳を開け
生きるなら精一杯生きろ。
そうすりゃお前は助かるから。
もう 狂わないですむから。




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僕らの巨大スクリーン


積もり積もって数十億年
流れ流れて僕らはゆく
数十億という歴史の中に
一瞬でしか、いやそれ以下かもしれない僕ら
そのくらい小さいんだというけれど
みて御覧
人が一人一瞬あらわれて消えた
まるで点滅する光のようだ

光が連なってできた歴史
まるで巨大スクリーンの映像が
光を連続して何かを映すのと同じみたいじゃないか
映画のように次々と流れていく映像

流れ流れて僕らはゆく
歴史から見たらひとつの点かそれ以下でしかない僕ら
でもそのひとつでもかけたら
この映画は
つまらなくなる








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怪獣は気づかない


一匹の怪獣が町で暴れている
そいつは無口な機械質で
ミサイルを落として
ごうごうとビルを焼いた

 なあ聞こえるか怪獣よ
 お前はどうしてそこまで
 怒るんだ

少年は声を張り上げた
目に涙をため
自分に気づいてもらえるように大きく手をあおぎ

怪獣は気づかない
そこに、いやそこらじゅうに
戦争をやめてくれと叫ぶ人間がいることに

また爆弾が落とされた
怪獣は気づかない
少年が必死で
怪獣に停止を求めていることに
怪獣は気づかない
だけれど怪獣の中に乗った人間は
泣いているというのに

怪獣はきづかない





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悪魔の子


父は母を殴ります。
母は悲鳴をあげて助けを請います。
兄は父に刃物を向けました。
父は私に責任を押し付けました。

私はただそれを見ていただけでした。

眼前でリアルに広がる絶望を
誰かに伝えなくては
私も母のように助けを請わなくては
そう思いました。

体が動かなかったのです。
自分の腕を切ることはできても
誰かに手を伸ばすことが
できなかったのです。

それは
変わってしまうという恐怖でした。
もしこれで私が普通の家庭に行ったらどうでしょうか。
私はそこで
普通の行動がとれるでしょうか。

悪魔の子と呼ばれるのでは。

幼い私はいつでもそう呼ばれていいように
自分を名づけました。

悪魔の子

父親と同じ行動をとるのを恐れていたのです。
いつか、私も大切な人の心を
殺してしまうと。





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世界への叫び


楽しい感情が
醜かった頃の
狂いそうなくらい強い感情を
消していってしまう

あの頃世界へ叫んだものは
唯一無二のSOS
聞こえなくなるのが怖かった
ボクはもう一度
闇に堕ちるか
悩んでる

この世界へのSOSを
誰かが受け取ってくれると信じたあの頃
誰も受け取ってはくれなかったから
自分で受け取った
「いつか、偉大になって、これを世界にばらまくんだ」

救われない子供がいることを
その本当の部分がどういうものか世界に教えるんだ

あの頃の熱い強烈で
しかし針のようにとがっていても
針のように細かった感情は
折れてしまったのだろうか

ボクは問う
これでいいのか
ボクは答える
これでは、誰も救われない

もう一度世界へのSOSを
闇の中に入り見つけ出そうとしていた






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混沌新病


「苦しいなら消えてくれ
目の前から
他に危害を与えないでくれ」

怒鳴り散らされた正義
「悪魔は消えれば良い」
そういう思考

世の中の正しさはどこに
正しさを理解できないのは
誰がどこで何をしたから?

香る死気
殺すなら殺せと正義は怒鳴る
悪魔は鳴きながら殺すのか
自分の心を

正義などにならないと背を向けた
正義とのゴングは二度とならない
あきらめは最後の手段?
それとも切断?

息のない悪魔よ
正義をどう睨む
手を切るだけか
殴り倒すのか
殺してしまうのか



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だからこれから


少年が言いました。
「手を伸ばせないものがあるの」
苦笑しながら言いました。
「優しくて不器用で、ちょっと、怒った顔が怖くて、
・・・それ以外、知らないけど」
少し寂しそうな顔をしました。

この世には、どうにもできないものがあるのだと
少年は言いました。
悲しくても寂しくて、そんな類の言葉を全部並べても
きりがないのだと言いました。

少年は6年間、その「手を伸ばせなかったもの」の前で
笑わなかったそうです。
嫌悪があったそうです。
自分を怒鳴って殴って暴れる、そのものに。

ですが今、手を伸ばしたいと思っているそうです。
その自分を怒鳴って殴って暴れた、そのものに。

でも、この世には、どうにもできないものがあるのだそうです。

「もう二度と、笑ってあげることができないんだ」
少年はうつむきました。
それでもまだ笑っていました。
「死ぬ前に、ぼくの笑った顔が大好きだって言ってくれたんだ」
でもね

「もう会えないのに、父さんの前で、ぼく、泣いちゃったんだ・・・」

だから、これからずっとずっと、笑うんだ。
父さんに見せてあげるんだ。





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人間の勉強。


小さい手が何かをつかもうとしているの。
何もない空間に手を伸ばして
「そこに何かを見た」と言って。

周りを見たら人間が居た。
ここは地球。
優しい手が
伸べられる場所
「大丈夫」
その一言で
私は手を取れる。

見えないんだ。
手って
見えないの。
だけど「そこに何か見た」って。
言ったの。
言ったのよ。
とても優しい声で
あの絶望の子供が
言ったのよ。

涙を流して笑ったのよ。






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彼の続き。


少年は自分の足をみてみた。
無数の傷があった。
だけど彼は嬉しそうに笑って、傷薬を塗った。

痛くないのだろうか。
誰もが彼を見守った。
彼は人々の前で笑って言う。

これは“絆”なんだ

嬉しそうに笑っていうんだ。
楽しそうに笑っていうんだ。
その言葉の笑顔のどこにも「負担」の文字はなかった。

友達を助けるために
今まで旅をしてきたのだという。
どこにあるかもわからない薬草を探して
病気の友達を待たせているのだという。

50年も旅をしていると言う少年に、
自国への戻り方は覚えているのかと誰かがきいた。
一瞬考えて、また笑った少年。
「忘れたけど、必ず帰ると約束しているから必ず」

“帰るさ”

彼が亡くなってから50年。
この国には、そういう彼の亡霊が出るという。
だけれど人々は怖がりもせず、彼が話しかけてきたときは、
かならず、笑って傷薬を渡すのだと
人は言った。





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モザイク


モザイクのかかる心
曖昧に響く副音声
誰の声なの
そこに誰かいるの

甲高い副音声がキャハハと笑う
その声に感情があるとは思えない
「愛してる!」
副音声が言った
本当に?

モザイクをかけられた心は
どう思っているのかしら
モザイクをかけられていることを
知っているのかしら

あれ。
あの茶髪のショート
あの黒のスウェット

アタシジャナイカシラ。



副音声で笑う少女が
涙を流していたことに
モザイクをはずした少女は気が付いた。





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もとに戻れたよ。


かけていくよもっと遠くへ
才能の証なんてなくても
恐れることを恐れたくないから

笑っていくよ誰かと一緒に
その先の栄光を手の中に入れたとき
独りでありたくはないもの

手にしたものを引き離したとき
もうもとに戻らないことを知ったとき
ぼくはまた走り出すと思う
ぼくはまだ笑っていると思う
もどらないことが悔しくて
もう二度と悔しさを味わいたくなくて
さらに走りだすんだ
もっと笑っているんだ


そこから出てきたとき、本当に自分がいた場所が暗闇だったって気づいたんだ。




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歩き出すきっかけ。


一生分の後悔を悟ったら
歩き出そうと思った

一秒の後悔もあれば
永遠の後悔もあるのだと
知った夕日の中だった

自分のどうでもいい意地のひとつで
大切な人を亡くしました。
あのときは意地に埋もれて気づかなかったけれど
あれから六年経った今
亡くなったことを知りました。

一生分の後悔を悟りました。

高く高く飛ぼうと思った。
それはもう後悔など届かないくらいの
高い場所へ



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