☆りんぼぉ☆卵奮闘記☆

脳低体温療法



脳低体温療法は、脳内毛細血管内圧低下による脳浮腫と頭蓋内圧亢進の抑制、脳内熱貯留の防止、脳内興奮性神経伝達物質放出抑制などの効果が期待されている方法である。
しかし、この脳低体温療法は心拍出量の減少免疫能の低下による呼吸器感染症、低カリウム血症、血小板減少症、敗血症やエンドトキシンショックなどの合併症は低体温の程度と密接に関係しており35℃程度では、その発生はわずかであるが、32℃前後になると高率に発生するとされている。

脳低体温療法は、脳にとっては良くても、生体には大きな侵襲を及ぼす二面性を持っている。そのため、単に体を冷やせば良いというものではなく、各温度の変化に伴う生体の反応を十分に認識することが重要である。

1.ベッド準備
 1)脳圧を安定に保つためベッドアップする。(15~30°に固定)
 2)頸部は過度の屈曲、伸展による静脈還流障害を起こさないように注意する。冷却マットは患者の体の上に置き表面冷却によって体温を低下させる。その上にタオルケットを覆うようにかけ、外気に体表面ができるだけ触れないようにする。必要に応じアイスノンを腋窩部、鼠頸部、背部にあてる。
 3)四肢は末梢循環が悪く皮膚障害をきたすため、バスタオルを、あるいは手袋や靴下などで保護する。
 4)目標体温は深部体温で評価する。


2.体温管理
脳低体温療法は導入期・冷却期・復温期の適切な体温管理のもとで実施される。
 1)導入期
  ・目標温まで冷却を急速に行う。
  ・深部温が35℃以下は急速な体温低下による生体防御反応とシバリング誘発を防ぐため、1時間に0.5~1.0℃以内のペースで緩徐に冷却する方法がとられていることが多い。
  ・目標温直前は冷却を緩めておかないと、目標温より加工してしまうおそれがあるので注意する。

 2)冷却期
  ・目標温を維持する。
  ・目標温の許容範囲は±0.5℃以内とする。
  ・目標温到達直前直後は特に、深部体温モニタの変動は注意深く観察する。体温の変化が現れるまでには数時間かかり、その後急速に変化することも多いため体温が下がらないからといって冷却を強めたりせず反応を待つことが重要である。

 3)復温期
  ・24時間で0.5~1.0℃上昇させることを目標とする。
  ・加温せず、冷却を緩徐にしていく方法が良い。
  ・35℃前後に達すると代謝亢進やサイトカイン放出に伴うもどし侵襲が発生するといわれている。温度変化に対する生体侵襲をおさえるために生体をならしながら、ゆっくり復温する方法もある。


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