日々雑感

硝子細工

娘には夢があった
その為に　行きたかった高校は　中学校の担任の先生に『努力が必要』と言われた
受験発表の日の娘の笑顔はサイコーの笑顔だった
夢に　一直線
娘も　私たち親もそう思った春の始まり

きっかけは
同級生の何気ない一言
世の中の大多数の人達が『なんだ　そのくらい』というかもしれない
けれど　娘の心を傷つけるには十分だった

毎日　又言われないだろうかと思いながら過ごす
同級生が　みんな自分の事そう思ってるかもしれないと疑心暗鬼になる日々
教室に入るのが辛い
学校に行くのが怖い
校門を入ると気分が悪くなる

それでも
私は『大丈夫』
『そんなことないから』と娘を学校に送り出した

頑張ったと思う
一生懸命だったと思う
でも
教室に入れるない日が少しずつ増え
遅れていく日　早く帰る日が増え
一泊研修の日は　　もうこれ以上無理と　途中で主人と二人で迎えに行った
親睦を深める研修に躓いて
いっそう　学校が辛くなった

保健室の先生にカウンセリングを勧められた
O大の精神科の先生
娘と話をして『もしかして　パニック障害かもしれませんから　改めて　専門の先生に診てもらっては』と言われた

職場の若い同僚の子と話していて
『私も　高校生の頃同じ様な症状でした』と彼女が通ったという心療内科の先生を紹介してもらった

恐る恐る受診した心療内科の先生は　
『思春期によくある症状』と言う
それでも『行けないんです』と食い下がる私に
それじゃぁ　と
パキシルとリーゼを処方してくれた
パキシルは18歳未満であまり処方しないというネットの情報があったが
娘は危惧した症状はでなかった
かといって　良くなったと言う気もしないという本人の訴えもあり
一ヶ月で服薬も中止し
通院も二ヶ月で一応区切りをつけた

でも。。
ほんというと　その間　娘は　何度かリストカットをやっている
勿論命に関わるほど深い傷ではないけれど　かといって
笑えるほど浅い傷じゃなかった
何十本という傷が　娘の手首には刻まれていた
死にたいわけじゃない
ただ　傷つけてたら落ち着くと言う
精神状態も最悪で　今まで聞いた事もないような大きな声と言葉で私を罵倒する
娘の心は緩やかに壊れていっている気がした

どこかで止めなければ
そう思いながら　やっぱり　世間の常識
『学校は行くもの』という呪縛から逃げられない私だったけれど
ある日
『あんたがあの時無理に行かせなければ　ここまでなってなかった』と言う娘の言葉でふっきれた。。

そうか
全ては　私から始まったのか
私の世間体が娘を追い詰めたのか

最近娘にその話をすると
『私　そんなこと言ったっけ?』なんていうけれど
きっと　あれは　娘の心の叫びだったのだと思う
誰かのせいにしなければ耐えれなかったんだよね

心は　硝子細工
脆く壊れやすい

　　　　つづく

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