こんぱすコーチの全方位日記

廃線跡を歩く-西武安比奈線

◆◆◆廃線跡を歩く-西武安比奈線◆◆◆ <2006/11/5>

わが家の最寄り駅、西武新宿線新狭山駅の、
本川越寄りの次が「南大塚」という駅。

休止貨物線分岐駅・南大塚

ここから今は列車が走らなくなってしまった
「安比奈(あいな)貨物線」。

その昔、入間川畔の砂利を運搬するために作られた貨物路線だが、
休止扱いになってから40年が経過しているらしい。

こちらに越してきた当初から、
国道16号を横切る妙なレールがあるのに気づいており、
何かの廃線跡だとは分かったが、調べてみると上述のことがわかった。
厳密には廃線ではなく休止扱いなので、
今も西武鉄道が線路敷きの土地も所有している。

わが家の近所に残る廃線跡、ということで興味があり、
いつかはこの沿線を歩いてみたいと思っていたのだが、
何と、西武鉄道が主催でこの安比奈貨物線をたどる
ウォーキング大会が行われるというので、覗いてきた。

9時半の受付開始時間に合わせて、スタート地点に到着すると、
既に大勢のウォーカーがエントリーをしているところだった。

ウォーキング受付

この貨物線。南大塚駅構内には残っているが、
駅から離れたところで横切る道路を優先的に整備したせいか、
ぷっつり途切れており、ウォーキング大会受付場所付近から再び始まっていた。

ここから線路が始まる

さぁ、いよいよ出発。大勢が一糸乱れぬ隊列を組んで、
線路に沿って進んでいく。
線路は長年メンテナンスを受けていないらしく、
ほとんど雑草に埋もれてしまっていた。

雑草に埋もれた線路

10~20分ほど歩くと、小さな用水路を横切る鉄橋が。
まくら木は朽ち果ててしまい、痛々しい姿だ。

朽ちた鉄橋

遠くに森が見えてきた。
線路はその森へ向かって一直線に敷かれている。
と思う間もなく隊列は森の中へ。

森の中を線路は続く

まるでトトロでも出てきそうな気配。
樹木が線路に覆い被さり、
木製の架線柱も本物の樹木に同化してしまっている。

それにしても、雑草に埋もれ、樹木に浸食されながらも、
線路は撤去されずに残っている。
廃線ではなく、あくまでも休止線扱いにしているからであろうか。

終点の砂利積み込み貨物駅跡に近づくと、
分岐器(ポイント)があった。

線路のど真ん中に大木

驚いたことに、その分岐器の数メートル先には、
線路の間から樹木が成長し、大きな幹で通せんぼしている。
40年の歳月を感じさせた。

貨物駅跡は、葛の葉に覆われ、ほとんど線路も見えない。
あっけない幕切れだった。

終点の貨物駅らしき跡

それにしてもウォーキング大会。
今回のテーマがテーマだけに、
確かに鉄ちゃんの姿もチラホラいたが、
何よりもウォーキングを楽しむ老若男女が
圧倒的多数であることに驚いた。

今やウォーキングは、大きな市民権を得ているなぁ、
と感じた。

機会があれば、鉄ちゃんとは関係ない、
ふつうのウォーキングに参加しようと思った。


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