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フランス北部のリール市管轄のどこかの高校で、今週月曜日、ある先生が18歳の女子生徒から平手打ちを受ける事件が起こっていました。生徒たちの証言によると、被害を受けた女性教師は生徒の話しに耳を傾け、とても優しい先生で、よく生徒の勉強を手伝ってくれる素晴らしい先生だという。その先生が、イスラム教徒の女性がよく頭にかぶる布姿で校内を歩いていた一人の女子高校生に気づき、話しかける。わが校は、宗教性を帯びない方針の高校なので、こういう布も禁止されているから、その布を取りなさい、と注意したところ、その女子高校生が先生に向かって侮辱的な言葉を浴びせ、先生が生徒の名前を確認しようとしたところ、先生に平手打ちをし、さらに叩いたり、脅迫めいた言葉を発しながら、学校の外に逃げた、という。同高校の匿名の女子高校生は、禁止されているのがわかってるわけだから、校内では布を被らなければいいだけの話しじゃないの、暴力振るう必要ないでしょ、と理解に苦しんでいる様子。問題の女子高校生は18歳で、これまで特に警察沙汰を起こしたこともないことがわかっているが、校内カメラには彼女が先生に暴言暴力を浴びせる姿が映っており、その後、停学処分になっており、裁判は12月初旬に行われる、とか。暴力を振るわれた教師の顔と足にはあざができていたようで、何より精神的ショックを受けているとのこと。裁判所では女子高校生は謝罪したとのこと。もしこういった暴力行為のために教師が8日間以下、職務の遂行ができなくなった場合、フランスの法律で、禁錮3年半及び45000ユーロの罰金が科せられる場合もあるそうです。45000ユーロは、もし今、1ユーロが160円とすると、720万円です。この頭にかぶる布のことをヒジャブと呼ぶらしいです。フランスでは宗教性と切り離した環境の教育現場を提供する形の学校があります。なので、こういう学校では、ヒジャブも禁止しているし、クリスマス時に、校内にキリスト生誕の飾りをつけることも禁じています。
October 10, 2024
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選挙演説中という極めて開かれた空間で、銃社会ではない日本でこんな事件が起こるとは。最初、ユーチューブの誰かの画面に泣き顔が映り、悪い冗談を、咄嗟には信じられませんでした。最初は、ケネディ暗さつを思い出しました。2022年7月8日67歳。11h30頃。何故、あんなに狙われやすい場所で演説されたんだろう。人に迷惑を掛けない場所をという思いやりがあだになった、と?海外アクション映画の見過ぎかも知れませんが、車上から狙われる可能も遭ったように思えます。ユーチューバーの方々の動画で疑問を傾ける内容を聞いて、やはり不思議に思えます。確かに車に突っ込まれる可能性もありました。何故、日本の元総理がまるで野蛮な国か銃社会で起こったような、こんな物騒な事件で命を落とさねばいけなかったのか。海外からは安全平和清潔と言われている国で。それとも、平和な国の盲点を突かれたのか。安倍元総理のご冥福をお祈り申し上げます。
July 19, 2022
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一昨日6月3日のフランス時間の遅い時間にふっとネットニュースで関東や宮城県でも、ピンポン玉くらいのひょうが降ったと知った。フランスでも南仏を除く多くの地域、特にノルマンディやイルドフランス地方でも嵐というか、結構大きなひょうが降ったそうだ。12日前か5月23日頃には南仏の方のリヨンでも相当大きなひょうが降ったのか、車の窓ガラスがぼろぼろになった写真を見た。やはりピンポン玉くらいのひょうが降っていたそうだ。ド・セーヴルでは手のひら大のひょう。車もぼろぼろ、屋根に穴があいたりもした写真もあった。アンドル地方ではテニスボールほどの大きさのひょうも降ったそうだ。またしてもメモ的に書きつつ。確か、2.3年前にもフランスの中央あたりの地域だったか、ひょうで屋根に穴が開いて、住民たちが各自の家の屋根にビニールシートで保護しながら、雨が止むのを待っている映像を観たことがある。あれは火災保険の対象になるんじゃないかなあ。すべて自己負担だとしたら、結構大変な話だし。屋根の修復で、瓦の種類にもよるんだけろうけど、ノルマンディでは5000ユーロで小屋の片面の屋根の修復にかかっていた。10メートル平米くらいの面積。なんと、今日の為替レートでは1ユーロが140円を若干こえている。この間は135円くらいだった。20年前ほどには110円の時もあったのに。なので今日なら5000ユーロだと70万円を少し超える。20年前なら、55万円。どちらにしても高いものです。
June 5, 2022
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あるフランスの役者さんのツイッターです。J'ai fait la 3ème dose hier. 昨日、三度目の接種をしたわ。Pleine forme. いたって元気よ。Mais pour la 4ème ou la 5ème, ils peuvent toujours se gratter.だけど、4回目や5回目となったら、いつまでも無駄に追いかければいい。C'est niet. 断固拒否よ。Je vis comme les non vaccinés. もう非接種者と同じように生きてるのよ。Masque, distance, angoisse etc. Quel bourrier!マスク、距離、不安、等々。無意味でしょ。— Isabelle Mergault (@IsaMergault) December 30, 2021se gratter には、「欲しいものや願うことを得ることができない」と言う比ゆ的意味があります。本来は、何か痒くて掻く、という意味があります。痒いなあ。ça me gratte. この役者さんだけではなくて、いろんな人が同意見を呟いています。
January 1, 2022
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世界経済大国第二位になった中国。共産主義が世界を救う、と世界制覇を目指す。その陰で、独裁国家の言いなりにはならない、と若い女性が動画を放つ。その直後、警察が彼女の住まいにやってくるところまで彼女は動画に出した。それ以降、彼女の消息は絶たれた。現在の中国の都会ではすべての人間がカメラで管理されている。カメラに映る人の顔だけで、個人の年齢、名前、銀行までが即わかる。そうして国家の管理下に置かれている。確かに泥棒を嫌う人間にはありがたいシステムだが、そこで物事が終わっているなら、何もいう事はない。安全国家だと言える。が、これは個人の人権侵害だ、などのように国家を批判するなら、即逮捕である。恐ろしい。フランスでイタリアでギリシャでコロナワク反対デモが起こっているが、その場で即逮捕である、としたら。私もここでこんな独り言を書くこともできなくなる。確かにすでに批判意見を述べたフランスの博士たちは大手の報道機関から狂人扱いに近いののしりを受け、中には役職を下ろされたりしたが、少なくとも、彼らの筋の通った話までは押し殺すことはできなかったし、逮捕され、投獄されたりもしなかった。中には医者が同業者から死の脅迫さえ受けたが、逆に脅迫をした医者が罰を受けた。アルテの報道の中での中国は教育者が国家を批判する内容を学生の前で言えば、すぐに逮捕。その後、どこに連行されるのかわからない。病院と言う名の刑務所か。アメリカに住む中国人ジャーナリストが現中国政権を批判して、いろいろ中国から脅迫を受けた、と言う。中国語で書いたんだろうか。中国には批判精神が忍び込む隙間すらないイメージ。アルテの報道がすべて信頼に値するものかどうかはわからないけれど。中国はアフリカに大きな援助を施した。中には植民地としてアフリカを搾取した過去のヨーロッパに信頼を失った国もあっただろうから、喜んで、中国を受け入れたのかもしれない。アフリカにも独裁国家がある。ヨーロッパがそういう国々への援助を渋っている間に、中国はそういう独裁者に金銭的援助を持ち込んだ。が、その背景には中国のシルクロードを広げたい政治的野心がある、と欧州は不安を抱えている。独裁国家だと、好きなロックも聞けないんだろうなあ。と、そういうレベルかい、と思われるだろうけど。日本も、個人より集団を大事にする意識が強かった気がする。でも、まだ好きな音楽も聴けるよね。まだ、お気に入りの服に身をまとうこともできるよね。中華料理は好きなんだけどなあ。漢字も好きだし。中国大陸を舞台にした映画の中には心が温かくなるいい映画もあるし。と、いう呑気な思いも吹っ飛んでしまうような報道番組だった。とりあえず、中国、ロシアの勢力に対して英米諸国と日本があるという図式。フランスは、2020年からのコロワク接種騒動で推奨派と反対派の意見が両方あるのは社会としては健全なのかもしれない、とすら思えるほど。ただ、大手の報道機関は推奨派を押しているけれど。反知性主義のポルポト政権も怖かったよね。市民がジャズを楽しんでいたカンボジアの民衆が虐殺にあった。虐殺を逃れて、フランスに亡命し、パリのメトロで屋台にカバンを積んで販売していたアジア人のおじさんに話しかけたら、「怖かったよ。親戚も殺されて」と話していた。命からがらで亡命に成功したんだなあ、と。もう30年ぐらい前の話だけど。カンボジア。首都プノンペンに2015年頃行ったことがあった。下水道とかがないみたいで、誰がこの国をこんなにしたのか、と強烈に思うような安全性に欠けるコンクリートの建物に住む人々もみた。一週間ほど滞在して、空港に向かう途中で7歳くらいの女の子が信号で止まった時に、車の窓に手を乗り出して、ドルをくれ、と叫んだので驚いた。宿泊したホテルはかつてフランス領だった時代の小さなお城のように立派なものだった。一泊一万円も出すと、超豪華なスィートルームに泊まれた。自分たちはもう少しワンランク下の部屋だったけれど、それでも広々として、シャワー室も大きくて中々豪華なものだった。でも、街にでると、ごみがいっぱい落ちていた。広場では細い身体の若者たちがストリートダンスでヒップホップを踊っていた。トゥクトゥクという乗り物に乗ると、カメラやバッグはしっかり膝の上に置かないとひったくりに遭うので注意してね、と運転手から言われてまた驚いた。素敵なブティックもたくさんあったが、下水道が完備していないためか、異臭があちこちから漂い、道路は中途半端にガタガタだった。土産物屋が集中している場所では、小学生くらいの英語のわかる愛らしい顔をした女の子が店番をしていた。まっすぐな表情で、このスカーフを安くするけど、買う?と聞かれ、商売根性はなかなか立派だが、何よりも賢そうな子だなあ、と思った。物憂い不満げな表情の女性が店のオーナーみたいだった。学校は、と聞くと、この場所が私の学校、と答えていた。日本やフランスと違うなあ、と思った。この国はきっと貧富差の激しい国なんだろう、とふっと思った。いろいろ異なる世界を知ることで、日常の暮らしに感謝の気持ちを発見することもあるし、生き延びるための知恵を学ぶこともある。まあ、でも、勝手知ったる我が家に隠しカメラがトイレまで追いかけてくるような国にだけは住みたくない、と思う。
July 31, 2021
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いろいろ、脱線しながら書いていきます。日本国内で1年3カ月以来拘束されていたゴーン容疑者(2020年3月9日で66歳になる)がレバノンに逃亡したのが2019年12月30日。保釈料の15億円を没収されることになった。15億円を没収されても平気だったのだろうか。 しかも逃亡にかけた金額は50億円?16億円?とも推定される。2020年1月4日付けのフランスの番組 C dans l'Air と言う番組でpôle Asie à la Fondation pour la recherche stratégiqueというアジア戦略調査団体の責任者で、日本や中国の経済に関する本の著者でもあるフランスのヴァレリー・ニケ女史は、フランスの番組で、日本と言う国についてこう語った。「日本は約束を守る国なので、日本側としては、今回の逃亡に非常に驚き、また屈辱すら覚えているだろう。約束したら守る、ということを当然のこととしているのが日本人だ」約束を破るなんてありえない、まさに、フランス語で ça ne se fait pas. そんなことしないよ、と。Le Japon est un pays où on ne se méfie pas. 「日本は、(相手を)疑わない国です」他人を疑ってかかる、という感覚が薄い、ということだろうか。自分がやはり日本人だからかも知れないけれど、数年前に日本に行った時、都内でも田舎でも、不思議な安心感、もうほぼ恍惚とするような安心感を感じたものだった。あれは何だったんだろう、と今でも思う。都内の電車の中で、一人の青年がほかの青年に「俺、先月の収入300万だった」みたいな内容の会話をしていて、うわあ、フランスでこんな会話を大風呂敷ひろげるみたいに話したら、悪い人に後をつけられるか、違う人からそんな話しをしてはいけないよ、と注意されるかも知れない、と思った。ニケ氏は、「何故なら、日本は決まり事を守る国だから。日本は地球上でおそらく最も治安がいい国だと言える」と言った。Le Japon, c'est un pays le plus sûr de la planet.「多分、そのために逆に日本では監視するということがフランスに較べて未発達である」と説明していた。技術の先進国のはずの日本の意外な盲点だと思う。ニケ氏もこのままの日本でオリンピックに対処できるのか、と。ただ、日本にも監視カメラは結構あるのではないの?治安の良さ世界一。日本のニュースを読むと、そうとも思えない事件も起こっているが、確かに犯罪率はなんだかんだ言ってもかなり低いようだ。フランスではみんなが気をつけている限りにおいて安全だが、電車に乗って爆睡なんて絶対無理。寝たふりすら止めたほうがいい。あれはオリンピックの時期は絶対やらない方がいい。とは言え、全指定席のマルセイユ-パリ間の列車に乗ったりすると、疲れ果てて寝込むことはあるし、他の人も爆睡はしている。長距離列車だから、スリなんかは逆に逃げ場がないためもあるかも。うちのフランス人の夫も昔、最終列車で寝込んで二つ先の駅で気づいて深夜、車で迎えに行くはめになったこともある。診療室の待合室にバッグを置いてゆく人は2020年でもいるのだろうか。あれは、1990年代にパリに数年住んだ後、東京の歯医者さんで、目撃して、え?うっそ。あり得ない。フランスでこれやったら、お財布盗めって言ってるのと同じ、と驚いたものだった。が、確かに日本での若い時を思い出せば、自分も確実にしていたことだった。住む国でそういう感覚が変わるというのは面白いと我ながら思う。また、日本では、誰かが玄関ドアをノックすれば、何のためらいもなく「はあい」と開けてしまう。これもオリンピックの時期は避けたほうがいい。フランスでは、何者が来るかわからないから、パッとは開けない。どなたですか、Qui est ce ? キエース と、必ず確認する。ま、そのくらい懐疑的であったほうがいい。ニケ女史は、ほかの番組でも、「自白するまでは拘束する」という世界的には日本のイメージダウンにつながるため、ゴーン氏にたいして緩和した方法を日本がとったが、日本国内でも自白強要のやり方を批判的な人たちはいる、と話していた。司会者の男性は、まあ、中国もそうだし、フランスだって昔はねえ、と、やんわりと言っていた。とにもかくも、ゴーン氏はその隙をついて大晦日に逃亡をした。フランスの専門家が、こういう逃亡は半年前か数カ月前に用意しないとまず無理だろう、とも語っていた。そのゴーン容疑者は基本的にレバノンの人。レバノンではブドウ園に出資している。1920年にシリアと共にフランスの委任統治下に入り、1943年にフランスから独立したレバノンは15年に及ぶ内戦などのために経済的には発展を阻まれた。ローマ遺跡も残されているというレバノンは岐阜県くらいの面積があり、天然資源は乏しく、人口も610万人程度だそうだ。ドイツ、米国、英国、欧州諸国、ノルウエィ、フランス、カナダはレバノンの援助国だそうだ。ゴーン氏は奨学金をフランスから得て勉強した。義務教育は小学校のみだそうだ。2017年末までに日本からは有償資金協力として130,22億円がレバノンに送られてきたそうである。さて、ゴーン氏の話しに戻る。2005年からルノーの代表取締役社長だったゴーン氏は2009年からルノー日産の代表取締役社長として、年間最低11億円以上は報酬を得ていた。フランスのキャピタル誌によると、2016年は15,6millions euros 日本円で約18億8千7百万円の収入額がわかっている。ほかの自動車会社の社長もそれくらいか、それ以上の給与を手にしているので、日産を救ったゴーン氏にしてみれば、まだ少ない方だ、という思いもあったかも知れない。2009年、前アメリカ大統領のオバマ氏が二度に渡ってゴーン氏に面会し、ぜひジェネラル・モータースの社長になってくれ、と当時のゴーン氏の倍の給料を提示した、という。ゴーン氏は申し出を断り、ルノー日産に残った。多分、そのあたりから、自分の資金をうまく残そうという方向に拍車がかかった。それらしきことをゴーン氏自身も日本の裁判官の前で話したそうであることがフランスの経済紙レゼコーに書いてある。彼はフランス政府がルノー株を買うことを阻止したかった。それが原因で、故仏前大統領シラク氏を怒らせ、サルコジー氏とも決して良い関係ではなかった。2014年夏から2016年夏まで、オランダ政権下で経済相だったマクロン氏(現仏大統領)はすでにゴーン氏の独断とも思える収入額に怒りを隠せなかったそうである。なにしろ、株主総会でゴーン氏の給与額に賛成できない、と結論が出たにも係わらず、高額な収入額を認めてしまったのだ。ゴーン氏の給与の半額以上は株として計上される。フランス政府は株にかかる税金を軽くしている。よって、マクロン経済相は給与額を低くするように頼んだ、というフィガロ紙の記事がある。当時、政府はすでに20パーセントのルノー日産株を持っていたので、発言権があったようである。最初、ゴーン氏に容疑がかけられ、日本で起訴された、と聞いた時は、ゴーン氏を懲らしめるために、フランス政府が日本の日産か日本政府に協力を頼んで逮捕したのか、と思ったくらいだった。だから、すぐ釈放されると。が、その世界一安全な国と定評があり、アジアの中でも最も欧米化していると思われた日本が自白強要で長引く拘束をする国だということがわかり、ゴーン容疑者が人質司法だと叫び始めたため、これでは日本のイメージダウンにつながり、日仏関係が悪化し、ルノー日産も危うくなると、もう、ゴーン氏を逃がそう、社長でもなくなったし、もうよい、となったのでは、とちょっぴり想像してしまった。 実際はもっと深刻でそんなものなどではないだろう。この事件を扱う当事者の困惑は想像もできない。日産でも確かそうだった、と思うが、フランスのルノー社でも、ゴーン氏のワンマンぶりと威圧感と彼に好かれたいと思わせる何かと、同時にまともなミーティングができない極めて重い雰囲気はあったそうだ、とフランスの番組で語られていた。また彼に意見する者は解雇されていった、とも。フランスのジャーナリストも彼のやや独裁者的な面は否めないでしょう、と語る。コストキラーとして工場閉鎖を断行した人物でもあるし、明日は我が身と思う部下がいても不思議ではない。ま、それはしかし、現ルノー社社長のスナール氏も工場閉鎖をしたことはある人なので、それは、ゴーン氏に限ったことではない。 もう一つはルノー社内で社長に意見を仰ぎたい、相談をしたい、と思っても、本人がなかなか捕まらない状況だった。え?いま、どこの国にいるの?ニューヨーク?リオデジャネイロ?日本?オランダ?どこ?ゴーン氏の脳裏にはおじいちゃんかな、外国を駆け抜けて仕事をしている祖父の姿が焼き付いていたようで、成功するにはああでないとダメなんだ、と思っていた節もある。子供時代のそのような思い込みと言うのは意外に根強く残ったりする。フランスのSudOuest誌は、2018年のルノーからの収入は1,000,000ユーロは確定している、と報じている。100万ユーロは約1億2千93万円相当。ゴーン氏は2012年からオランダに本籍を置いていた。収入税はオランダに収めることになる。一方で、ゴーン氏がオランダに183日以上滞在する証明が必要になる。フランス側としては、この点を追及するとのことだった。2019年6月24日のキャピタル誌の記事で、La Direction National des Vérifications de situations fiscales (DNVSF) という政府機関が財政調査の一環としてゴーン氏の飛行機の使用頻度、電話の発信位置で場所を確認したり、移動の内容などを細かく調査し、オランダでの滞在期間が183日に達しているかを見ることになる、と。2012年から約8年分を調査することになる。そのことはゴーン夫妻に前もってメールで知らされており、調査期間は約一年かかる、と記載されていた。フランスのル・クオティディング誌が伝えるところによると、Mazars 会計事務所の監査報告で次のことがわかっている。ルノー日産のオランダのホールディングBN社を通じて、アリアンスの代表取締役社長の権限とは関係なく、約13億3千75万円相当をゴーン元社長が個人的に使用した。この内容はすでにルノーの取締役会で2019年6月4日に開示された。この中には一部、ルノーからの費用として、2016年10月のヴェルサイユ宮殿でのゴーン夫妻の結婚式費用が含まれていた。この約13億3千75万円相当が、ルノー社からの現物支給もしくは benefits in kind あるいは les avantages en nature として認められるものであるならば、給料の一部として記載されるべきものであり、40パーセントは税金として納めなくてはいけない。ともかく収入額面でいろいろあったようだ。21年来、ゴーン氏を知るというフランス語を話すレバノンのジャーナリストはヨーロッパ1 のインタビューで、ゴーン氏の逮捕は確実に陰謀だと語っていた。ゴーン氏は近日中に声明をあげるそうだ。もしもゴーン氏が日本ではなく、ヨーロッパで逃亡していたら、フランスに引き渡される可能性はあったそうだが、日本に引き渡されることはないそうだ。一体、この事件どこに向かうのだろう。まったく想像がつかない。
January 8, 2020
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