りぃ-子’s SCRAP BOOK

りぃ-子’s SCRAP BOOK

2022.03.21
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カテゴリ: 読書・漫画・本
以前TVで愛新覚羅溥儀さんと、その弟溥傑さん、そして溥傑さんと結婚され夫婦仲も良かったという嵯峨浩さんの物語を知り、それから朝鮮半島にまつわる王族の方々の事が気になっていた。

といっても、歴史が苦手なので李王朝のことも、聴いたことはあるという程度で、全く知識がないのだけど。

朝鮮半島は昔から、激しい民族間の戦いや、入れ替わりがあったんですよね。
本来長い歴史を持つ朝鮮半島、平和でさえあれば、文化教養はかなり高度だったはず・・・
大陸で一つの文化を守っていく難しさを、つくづく感じますね。

日本の武力による支配、それ以前にすでに支配層の堕落と搾取のせいで、国民はもう生きるのが精一杯になり、内部崩壊があったといいます。

日本で幼い頃から李朝の末裔として、日本の皇族と同じ高い身分・収入を保証されて暮らしていた李垠さん・・・
全然知りませんでした。

日本の侵略ももちろんですが、他にも様々な理由があって、彼らは日本に逃れてきていたのでしょうか。



李王家の縁談【電子書籍】[ 林真理子 ]

しかし、この本の主人公、佐賀藩主鍋島家から、皇族に嫁いだ美貌の女性伊都子さんの思い付きにより、その娘で皇族である方子(まさこ)女王は外国の王家である李垠さんと結婚するという、他にはない運命をたどる事となるのです。
娘や一族の良き縁談を模索する事に生きがいを感じていた、主人公の伊都子さん、
色々な思惑が非常に興味深かったです。

日本の事なのに皇族と、伯爵や侯爵など華族との違いもあんまり知らなかったし、
その辺の区別や身分・周りからの扱われ方の違いも詳しく書かれていてとても面白かったです。

この中には、侵略のことを、ロシアや欧州などの侵略から日本が守った上、
多大な費用をかけて整備し教育環境も整えたのに、どうして日本に感謝せず逆らうのかと言う、素朴な思いが描かれてもいました。

今観ると・・・
日本、統治がめっちゃ下手だったんだろうなー…と、非常に残念な気持ちになりますね。

戦後のGHQはその辺がとても上手だったのでしょう。
ひどい事をする人ってのは、日本人にもアメリカ人にもいた事でしょうけど、
全体的にGHQは「与える」意識が強かった?
白人と言う点で、優位だったのかしら。

日本人は、同じ黄色人種だから、単純に日本なんかに負けたとは認めない、支配されたくないって反発が非常に大きかったのでしょうけれど。
それでも、もう少しうまくやれたのでは・・・?と思っちゃいますねえ。
いばるのではなく・・・憧れさせることが効果があるかもですね。
便利で、楽しげで豊かな生活を見せつけ、かつ、一緒にどう?って誘うことで。

島国根性では、他国を支配する能力が育ってきていないせいでしょうか。

あと、明治~大正に渡る、長州と薩摩に対する「嫌気」、これ・・・
昔のドラマとかにはあまり描かれてこなかったけど、結構感じてた人多かったんだろうなー。



李垠さんと方子さんの夫婦仲が良かったのはほっとしました。

溥傑さんと浩さんも夫婦仲が良かったそうですね。
日本に残った溥傑さんと浩さんの長女さんは確か心中されてしまったんですよね。
次女の嫮生さんは日本に帰化されご存命のようです。

李垠さんと方子さんは、お子さんのマサチューセッツ工科大への留学を機に渡米されたようですが、小説ではここまでしか触れられていません。

調べてみると、その後玖さんとともに韓国に行き、亡くなるまで暮らされたようです。

玖さんは、経営していた航空会社倒産後、日本へ戻りその後亡くなったようです。
波乱万丈な生涯だったのですね。





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最終更新日  2022.03.21 16:09:27
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