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コドモのつぶやき
ヤマちゃん、それは担当ドクター
ヤマちゃん
・・・それは出産の時の担当医である。年のころは同じくらい。(想像にお任せするわ。でも、若いーって感じ?)うちの近くの病院に新しく産婦人科が開設されたということで新し物好きの私は、それだけで決めた。
どんを産むときも近いというだけの理由で、近くの総合病院に行ったものだが、HPで調べてみると、ドンのときにお世話になった先生は当然のごとくいなかった。まあ、エライ先生はいたけれど、ヅラっぽいし、どんが黄疸が強いということで退院時までもめたので
エライ先生
に黄疸が強いとどうなるんですか?と聞いたのにむにゃむにゃ言って逃げてしまった経緯があったのであんまり行きたくなかった。
産婦人科って本当に敷居が高くて、女性はみんなよっぽど心配にならない限り行かないのが殆どじゃないかな。でも、ドクターにとっては一患者に過ぎないからこっちがどんな決心をして、訪れたかなんてあんまり問題じゃない。結局、風邪とかでよく訪れる内科とかの診察だったらあまり感じないドクターや看護婦さんの対応に、産婦人科となるとすごく皆敏感になる。それを彼らは意識していないんだよね。
でも、ヤマちゃん、当初は随分なドクターだと感じた。医学博士でまさにドクター中のドクターなのだろうけれど・・・・ううむ、っていうか・・・。
それがだんだん杞憂に過ぎなかったんだなと思ったら逆にきちんと相談すれば、きちんと返してくれる先生だとわかり、いい先生に出会えてよかったと思う今日この頃なのであります。
でヤマちゃんである。
一言で言ってヒジョーにさばさばしたドクター。その軽快なテンポがなかなかちゃらんぽらんな私にみょーに合った。
妊婦というと診察、診察というと産婦人科では当然内診で。
内診というとカーテンの陰で”したばき”を脱がなきゃなんない。ところがどうしたものか、そのカーテンが妙に中途半端で振り向くとドクターと目が合ってしまうというなんともいえないポジション。だから振り向かないように必死でパンツはいたりしてるのだけれど、
「おーい、子宮ガン検診大丈夫だったよ」
「・・・・(必死)」
「チェッ きいてねえや」
聞いてるっつーの!
妊娠したとき、心配だったのは子宮筋腫があるんじゃないかと思っていたこと。生理がかなり重くて、妊娠前はもう4日目までは超重症ってかんじ。でも、やっぱりそういう症状が合っても婦人科には行きにくかった。
で、そのときのヤマちゃん、
「生理が重い?いいじゃん、もう当分無いんだし。そんな心配産後産後!」
前どんを産んだ土地M市では(当時は、まだM町)病院の妊娠証明をもらってそれをもって母子手帳を保険センターにもらいに行った。当然U市もそうかと思っていつヤマちゃんはその妊娠証明をくれるのかと思い、やきもきしていた。そこへ
「あのさー早く母子手帳もらってきてくんない?(怒)」
「え、だって妊娠証明書ないと。それとも、受付のところでもらうの?」
「母子手帳は保健所行けばもらえんの。妊娠しましたっていえば。妊娠証明書なんて病院に言ったらそれで病院は儲ける事考えて余計な出費がかさむじゃん。だから次の検診には絶対持ってきてよ!」
「はぁ~い」
・・・こちらの懐を心配してくれなくても。
私もいい年なのでヤマちゃんいわく”一応決まりで”高齢出産の注意をされた。(だから若い感じって言ったじゃん、若いとは言ってないよ!!)
一応説明ということで午後の専門外来にダンナと来て、といわれた。いざ、行ってみると看護婦さんが
「予約されてます?」
なんて言っている。これはヤマちゃんの得意分野だ。そう、開口一番
「なんだっけ?」
どひゃ~。彼はいつもこの手だ。
そして高齢出産の説明にて。
「-でも、何かあったら検診とかでわからないの?」と私。そりゃあ、誰だって健康な子供が生まれることを望むのはあたりまえのことだと思う。
「わかんないね。(キッパリ)心臓病なんて全然わからない。生まれてこないと。羊水穿刺で今までおれは失敗したこと無いけど、
「君で初めて失敗するかもね。
金もかかるし。ま、やめといたほうがいいよ。」
-なんだかそれって、面倒だからっていう雰囲気も漂っていた。
ベビーの性別を聞くと
「あれ?前の時言ったじゃん」
「聞いてない」
「へへへ。上の子どっち?」
「男の子」
「ふーん。・・・・聞いただけだよ。」
「じゃなくて、本当に聞いてないって」
「「意地悪だろーケケケッ・・・カルテには女の子って書いてあるけど、まだピンクの服とか買わないでよ。でてこなきゃわからん」
しかし、この会話、5,6,7ヶ月くらいのときの検診で毎回繰り返されて、実は男の子ではないかと私は危惧したもんだ。
万事が万事こんな感じで。まあ、ヤマちゃんを知らない人は結構乱暴なものの言いのドクターに思えるかも。でも、なんでも相談できる雰囲気を持つ産婦人科医って少ないんだよね。
どんのときは女医さんだったけど、胃が痛い、といえば冗談だろうけれど
「胃カメラ飲んでくる?胃がんかも」
とか平気で言われたし。それがこっちが冗談で返せない冷ややかな感じなんだな。逆に結構こっちが先生の顔色をうかがわなきゃならないというのがありがち。それって重い体を引きずって、いつも不調だったりする妊婦にはかなりしんどい。
しかし、時にはこのヤマちゃんも気味が悪いほどミョーに優しい先生を演じることもあり、4ヶ月くらいのときに、前の晩から超重い頭痛とめまいで、もう目を閉じているのに天井がぐるぐる回っていることがあり、朝一番でオットに病院に連れて行ってもらったときだ。
こっちがちょっと気が抜けるような声で
「大丈夫~?」
としばらく背中をさすってくれた。
・・・が、正直、吐きそうなくらいのめまいで背中をさすられるとますます気持ちが悪かった。
そのあと、めまいを止める点滴を処置室の看護婦さんにしてもらったが、その点滴は相当痛いものらしく、看護婦さんは(社民党の田島先生みたいな顔していたな)甲高い声で「この点滴はすんごく痛いからね!痛かったらすぐ言ってね。」
しかし、確かに痛かった。
「痛いです」
「あらあら」
彼女はもう一度針を刺しなおしたけれど、あんまり変わらなかった。そして、点滴の薬液の入ったバッグを指差し、
「ここに時間かいてありますから、一時間経ったら呼んでくださいね」
そういってさっさと行ってしまったが、時間の書いた点滴のバッグは私の寝ている場所からは裏返しになっていて全然見えなかった・・・。おいおい大丈夫なのか?
この病院の処置室で点滴を3回(妊娠中に2回、食中りで1回)打ったことがあるけれど、正直言ってみんな注射が下手なのはなぜ?いつも悲しい思いをするのだ・・・。
で、眠りこけていたらいつのまにかとっくに点滴の薬はなくなっていた。看護婦さんを呼ぶとヤマちゃんを連れてきた。起き上がると、めまいはなくなっていた。
「めまい大丈夫?」
「あ、治ってる」
「おれが出来るのはこのくらいのことですぅ。はははは」
病院で出産する選択をしたら、(今は自宅出産とかはやってるしね)やっぱり一番問題なのは豪華設備ではなくて、ドクターや産科スタッフとの信頼が一番だと思う。オットのみならず親にも見せられないニンゲンの極限状態をさらけ出さずにいられない瞬間ですからね。あとから思い出すとギャッといってひっくり返るような事もあるしね。
たとえば良くある妊婦の敵”痔”
これだってヤマちゃんには何てことも無く話せるのである。
「痔になったから薬ちょうだい」
「どんなやつ?前なった?」
「上の子の時は軟膏」
「じゃ、出しとくよ」
ってなかんじで、なんのてらいもなくお願いできちゃう。
女医さんだったらもっと言いやすい、と思うかもしれないけれど、女医さんは同姓だから、逆にイヤというのがあるなー私は。女医さんはオンナの痛みがわかるから、ある程度シビアなところもあるわけ。このくらい我慢できるでしょ!みたいな。でも、オトコの先生は全然判らない分結構優しい。
さて、出産。
陣痛が来たり遠のいたりしていて、なんだかあやふやな私のおなか。
朝、陣痛促進剤を1錠飲んだら強い陣痛がやってきた。
LDRに戻った私のところにヤマちゃん。助産婦さんが
「促進剤でしょうかね?」
「だって、1錠でしょ?これ、ぜったい自然に来てるって!なんだよ~おれが指示出すと、いつもこういうことになるんだよな~」
・・・しかし、実際はそのあと、もう少しってところでまたまた陣痛が弱くなってしまい、点滴したのだ。
人工破水するとき、羊水が少なくなっていたのでなかなか処置ができないらしく、
「うわー切れねえ!届かないよ、手がつる!」
そう言われてもねえ、そのときの私ってどういう状態よ。
助産婦さんも看護婦さんも笑みを浮かべていたけど・・・。
しかし、出産直後
「ねえ、ちょっとここ切れてるんだけどさ-縫う?」
・・・そんなこと聞くなよ。こっちは見えないんだからさ。でも、たとえ見えても見たくないけど。
その病院では産婦人科医は一人で殺人的スケジュールをこなしているらしく、いつも
「殺すなら一思いに殺してくれぃ!」
とバタバタしながら騒いでいたが、私が一ヶ月検診を受けたあと、転勤でほかの病院に行ってしまったけど、どうやらその先でも超忙しいらしい・・・。いやあ商売繁盛でよかこったですたい!
ヤマちゃんが将来
えら~い
先生になることをここでお祈りするでごんす。元気でなー宿題やれよー風邪引くなよーなんちって。
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