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4男5女の部屋
稲川 淳二
「雪山での死体」
これ、実際にアルプスで起きた事件なんですが、ビバークってありますよね。
山登りをして、巌っぷちや狭い岩場なんかで露営をする、あれです。
アルブスの山で、これをやってた人が、寝袋に入ったまま
崖からぶら下がっていると地元の消防団に通報があったんです。
これは、おかしいと。
もう3日間もその状態で、どうやらずっとぶら下がってるらしい。
声をかけても、なんの反応もない。死んでるんじゃないのか。
それで、地上から拡声器を使って、声をかけたんです。
「おーい。もしこれが聞こえるなら、なんらかの意墨表示をしてくれ」と。
でも、山の専門家にいわせると、あり得ないことらしい。
だって寝袋にぶら下がったまま、死んだりすることはないんですから。
それで身元がわかりまして、ご両親など家族の方々も現地に
呼ばれてきました。
それからまた数日しても、やっぱりなんの反応もない。
それであの断崖絶壁に登ってロープを引き上げようかってことに
なったんだけれど、実はこれ、並大抵のことじゃない難しい。
だからといってこれ以上季節がいっちゃうと、ますます死体が
上げられなくなる。
で、とうとう乱暴な話なんですが、ライフルでね、寝袋をつないでいる
ロープを撃つってことになったんです。
ポン友のカメラマン、新田雅治<仮名>も、早速この現場に行って
撮影を始めた取材人の一人です。
東京からいっぱい集まった。
民放各社みんな揃ってる。
その中でも新田は有名でベテランですから、報道陣のキャップとなって
どこに拠点を設けるか、決めることになったそうです。
そしたら山小屋が一つだけ、現場近くにありました。
物置みたいな小屋なんですが、まあいいや、ないよりましだと
ここを拠点にしようと決めました。
とにかく外はすごい吹雪なんです。自分の前に手を伸ばすと
指先がもう見えない状態なんだ。
自分の命を守るだけでも大変な状況でした。
しかし仕事だからしょうがない。
やらなくっちゃと、頑張った。
2,3日はここで足止めになるかもしれない。
そのためにはまず、山小屋を簡単に修繕して、雑魚寝できるように
透き間を補強しようということになった。
新田は、山はベテランですから、みんなに注意事項を伝えます。
とにかく気候が半端じゃない。
ものすごい吹雪だし、外にいる時が一番危ないぞ、と。
「安心すると命取りになる。だから僕は撮影の仕事より
報道陣みんなの安全に気を使ったね。一応リーダーだから、緊張したよ」
当時を振り返って、新田はいいました。
夜、新田はいつまでも眠れずに、ずっと吹雪を聞きながら起きていました。
すると
「ザッ、ザッ、ザッ、ザッ」吹雪の中を足音がした。
「ザッ、ザッ、ザッ」
「おー、誰か来てるな。」
「新田さん、誰か来てますね」
事務所の若手のカメラマンが起きてきた。
暗いし、方向を見失うといけない。
新田は若手カメラマンに、おい、俺と一緒に怒鳴れ、といって
「おーい!こっちだ!」って、中から叫びました。
その声で、小屋のみんなが起きた。
「どうしたんです?」
「いや、今、人が来てるんだ」
それでみんなが起き上がって
「お-い,こっちだ!こっちだぞ」と叫んだ。
すると
「ジャッ、ジャッ、ジャッ、ジャッ」
足音が入口に回り込んでくる。
「来たぞ!来たぞ!」
みんな立ち上がって、耳をすますと
「バシャッ!!」
ドアの近くで身体にかかった雪を振り払うような音がした。
「おい、開けてやれ」
新田の命令で、カメラマンがガタッと立て付けの悪い扉を開け
外をのぞいた。
ものすごい吹雪が、扉を開けたとたん飛び込んできました。
「大丈夫ですか!」とカメラマン。
しかし、叫んだんだけど、いない。見えない。
「…誰もいません!」
「……何いってんだ。今来ただろう」
「でも、いないんです!」
あまりに強い吹雪でいったん扉を閉めざるを得ない。
ちょっと開けただけで、小屋中に細かい雪が舞ってました。
火も消えかけて、しょうがない、一度閉めたんです。
すると
「バシャッ・・・」と、また大きな音がした。
あ、そうか、風をよけるために脇に立っているんだ。
「ジヤッ、ジヤッ、ジヤッ」再び扉の前に立つ音。
「それ、開けてやれ。横にいたんだ!」
しかし、カメラマンが扉を開けても、やはり、いない。
「…本当か?」
「本当です!いません!」
おかしい――――確かに聞こえたんだが――。
ええ、私も聞こえましたとカメラマン。
新田は複雑な心境で、まんじりともせず、そのまま朝を迎えました。
翌朝、靄が立ちこめて、視界は限りなくゼロに近い。
昨日のカメラマンが
「新田さん、これ見て下さいよ」という。
見ると、雪の上に足跡があった。
やっばり来てたんだ。空耳じゃなかった。
ところが……、足跡は小屋じゃなく、小屋の反対側に向かっている。
「おい、まずいぞ、問違えたんだ。吹雪で。小屋がわからなかったんだろう。
どこかで倒れているかもしれない」
へたをすると、遭難してるかも…。
やはり、放ってはおけません。
みんなは現場に行かせ、新田は事務所の若手カメラマン三人を連れて
その足跡を追っかけました。
「こういう所では、大股で歩くと危ないぞ」
山の怖さを知っている新田は、そう三人にアドバイスして
足跡を追いました。
手を前に出すと、指の先が消えてしまうぐらい、相変わらず霧はすごい。
で、ずっと歩いていると
突然「うわっ!」と先頭のカメラマンがこけた。
「…新田さん!」
「どうした」
見ると、転んだカメラマンのすぐ先に、雪がありません。
そこは、断崖だったんです。うっかりしていたら、落ちていた…。
全然、わからなかった。
注意しないで前だけ向いて歩いていたらきっと落ちていた。
どこまでが雪で、どこまでが崖なのかもわからない。
先順の彼が、身体を横たえながら下をのぞきました。
すると、「いました。新田さん、下にいます」
みんな腹這いになってのぞくと、真下に3つのへこんだ岩があって
その真ん中の穴の中に、いました……。落ちていた。
赤と黄色の上着が見えました。
「おーい、大丈夫か―――」やはり、返事はありません。
新田は無線を取り出して、救助を頼もうとしました。
同じ放送局のサブリーダーに連絡すると
「新田さん、今、ライフルを撃つ人が到着しました!そろそろ始まります。
すぐこっちに来て下さい」
しかし
「いや、今、人が落ちてるのを発見したんだ。報道の連中でいなくなった
やつはいないかどうか調べてくれ。赤と黄色の上着が見えてる。
すぐ来てくれ。救助だ」
「…わかりました。でも、新田さん、報道は紺か黒、赤と黄色の服なんて
着ませんよ」
言われてみれば、そうです。
「新田さん、じゃあ、こっちの人間はみんな行かせますから。
町にも連絡を入れます。だから新田さんだけはすぐ米て下さい」
新田はその場を彼らに任せ、現場に急ぎました。
家族の人が見守る中、ライフルでロープが撃たれ、膠着した死体が寝袋から
収容されました。
山小屋に戻ってくると昨日のカメラマンが
「新田さん、さっき崖から上がった死体、知ってます?」と聞く。
「何、どうした?」
「あれ、1年前の死体だったらしいんです。地元の警察が、1年前に
行方不明になった人の死体だって、言ってましたよ」
「へえー」
「しかし…昨日のこと………おかしいと思いませんか……」
「…?」
「だって、おかしいじゃないですか。あんな吹雪ですっごくふぶいて
いたのに、俺たちに足音が聞こえるのって、なんだかおかしいと
思いませんか…」
そういわれてみれば…、と新田。そうだ。おかしいな、と思いました。
「昨晩のあれ、もしかして幽霊じゃないですかね。自分の死体を
発見してほしくって、今朝はわざわざ足跡までつけていった。
自分を発見してほしいから、昨晩もあんな足音立てたんじゃないでしょう
か………」
その彼、まじめな顔でいってました・・・
それから3年経って・・・偶然、四谷でバッタリと新田と会いました。
私はミステリーナイトツアーが近かったんで、この話をたまたま
思い出しまして
「あの話、使わしてもらってるよ。すごかったね」って
彼に世間話程度にいうと
「ああ、淳ちゃん、あれ、違うよ」と新田。
「違う違う。あれは、違うんだ……」
彼がいうには……
寝袋から発見された死体の遺族が、しばらくして関係者を呼んで
法事をしたといいます。
それで、当時、現場でいろいろとお世話になった人たちも呼んで
盛大にやりたい。そ<うすることで息子の魂も鎮められたらとご両親が
望んで、報道写真のリーダーだった新田のところにも、連絡が来たそうです。
彼は、自分はただ仕事として写真を撮っただけだし、なにも自分が見ず
知らずの遭難者の法事に出席することもないだろうと・・・
初めは思ったらしいんですが、なんか引っかかったんですね。
理由はわからない。でもなんか引っかかったんで、出席しました。
それで、お邪魔して、お線香をあげて、出席してる人たちと話をした。
お酒も飲んで、寝袋で亡くなった男の人のアルバムなんかが
回ってくるのを見る。と、そこへ、かなり赤い顔をした男が隣に座ってきて
「カメラマンの新田さんですか?」と聞くんです。
「ええそうです」と答えると、彼、かなり酔ってましたが、アルバムを開き
「新田さん、実はこの写真なんですがね…」と言いだす。
それは集合写真で、山小屋かどこかで写した写真です。
10人ぐらいの人が集まって写真におさまっている。
日付を見ると2か月前。亡くなる少し前に撮ったものらしい。
「この写真なんですがね、これ…」
指さす所を見ると、亡くなった人だ。左前方に写っている。
まさか自分がこんなに早く死ぬとは微塵にも思っていない顔。
近い未来に死ぬなんて、到底思ってない顔をしている。
「ところで、新田さんは、この人知ってます?」
もう一人、写真の中の人物を指しました。
それは、死んだ彼の斜め後ろにいる人物で亡くなった彼の肩に
親しそうに後ろから手をかけている。
笑ってます、にっこりと。
実にうれしそうに笑ってる。しかし、顔に見覚えはないから
「いや、知りませんね」と答えた。
でも
「この人……赤と黄色の上着………着てますよね」
そういわれてみると、そうだー。赤と黄色のジャケットを着ている。
「あの時…新田さんたち……もう一人、遭難者を上げてましたよね…」
男はいう。新川は、ああーと思い出した。
「ああー、あれは、違いますよ。あれはね、あの遺体は1年も前の
ものだったんだ。1年も前に死んでたんですよ。
それを我々がただ見つげただけです」
すると男は「実はそれが、この人なんですよ」と
写真を指していった。
「え!この人が…まさか………」
それは違う、1年前にすでに死んでいた。
だが、写真の日付は2か月前・・・。
「いや、新田さん、間違いなくこの人なんです」
「・・・?」
1年前に死んだやつがなぜこんな所に写ってる。こんな偶然ってあるものか。
ドキッとして、新田は思わず写真から目を離したそうです。
「淳ちゃん…その日、帰りながらね、俺気づいたんだ」
新田が言いました。
「何?何を?」
「淳ちゃんね、あれ違うんだよ。あの赤と黄色の服着たやつ
岩場の中に穴を掘ったような所に落ちてただろう。
あれ、あんな崖の下なんかに、普通は誰も行かないよ。
よほどのごとがない限りね。
ということは、誰かがあそこに行かなくては、やつを発見できなかった。
自分を発見させる必要があったんだ。で、待ってたんだろうなあ…やつは。
こうして見回して、誰がいいかなって。
―――俺を発見させるには、誰を殺そうかなあ――――って
あ、ん、た、に、きーめたといって笑った顔が・・・
あの写真の顔だったんだろうね……」
彼、そういって目を伏せました。
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