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A氏 :それなのに、それが何故、崩壊していくのかね。
私
: アメリカはロシアを対等の相手とみなさなかったのが原因
で、ロシア国内では プーチンの屈辱的な外交
とみなされたし、 中央アジアへの米軍基地の容認は中国との関係も悪化
した。
メンツを潰された プーチン
は 2002年以降、対米政策の軌道を修正
する。
2003年のイラク戦争には国際法、国連憲章に違反する暴挙と批判
する。
一方、 エネルギーの国際価格の上昇
がロシアの国際的な比重を大きく変え、 ロシア人の自信回復と大国主義の復活
へとつながる。
すなわち、 03年のイラク戦争から05年にかけてロシアと西側の間には不信感が一気に強まる。
A氏 : 西側 は ロシアの民主的な改革 が進んでいないことや 腐敗、汚職構造や利権争奪 のために投資が効果的でないこと、エネルギーの利益が国内の生産に投資されていないなどで不信感をもっているね。
私
:一方、 ロシア側
としては、西側がロシアを大国として扱わないことや、欧米的な民主主義をロシアやロシアの周辺諸国に押し付けること、NATOは解消されず、アメリカは今ではイランのミサイル対策として迎撃ミサイルをロシア周辺諸国に配置をしようとしている。
そして、近年、 中国経済が大きく発展
した。
対外路線をめぐる欧米との対立に反比例して、ロシアと中国は近年急速に接近
しているという。
A氏 :ロシアと中国は同じ大陸にあるので、石油や天然ガスはパイプで送ることができるので効果的ではないのかね。
私
:ロシアも中国に安定したエネルギーを売ることができる。
しかし、 パイプラインの設置
はなかなか進んでいないようだね。
基本的に 中国は、エネルギーは欲しいが、あまりロシアに依存
したくはない。
ロシアに弱みを握られるからだね。
A氏
:ロシアは、 ウクライナが親米化
したとき、 一時、天然ガス供給をストップ
しようとしたね。
そういう信用できない 大国的な無法行動
をするからね。
私
:日本との関係では、 プーチンは日本企業をロシア市場へ進出させることには熱心
であるという。
2005年6月
に サンクトペテルブルク郊外
に トヨタが工場進出
を決定したとき、 プーチン大統領はその起工式に自ら駆けつける熱意
を示したという。
しかし、ロシアは外国からの進出企業がロシア市場で業績を上げると、ロシア側のパートナーや企業から買収オファーをもちかけられる。
断わると有形無形の嫌がらせにあって、なにかと税金をかけられ、撤退せざるを得なくなるというから、これからは分からないね。
A氏 : 北方領土問題 はどうなるかね。
私
: プーチン大統領
は 北方四島の主権
については議論するつもりは全くないと述べているというね。
この本では、 プーチンの対日政策の「行動様式
」を 4点
あげているね。
第一は「言動不一致」
第二は「首尾一貫性の欠如」
第三は「理屈よりも力の尊重」
第四は「翼賛型の政策施行キャンペーン」
A氏 :要するにやりたい放題ということかね。
私
:プーチンは 欧米世界との統合
を欲する。
他方でロシアの特殊的な地位に固執
する。
その矛盾は同政権の一般的な性格
だね。
それが対日政策にも現れているということかもしれないね。
この本は、細かい分析が多いが、一言で言えば、まだ、 ロシアの動きは不安定で、今後の動きには目が離せない とうことだね。
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