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私
:著者は 1941年
生まれの アメリカ屈指の女性コラムニストにして社会評論家
。
原書の題名
は「 BAIT AND SWITCH
」だから 意訳
だね。
2002
年に「 ニッケル・アンド・ダイムド
」という本で、自らアメリカの最下層の仕事である ウェートレス、掃除代行業、スーパー(ウォールマート)の店員
の体験を書いて、 ベストセラー
になったという。
俺はこの「 ニッケル・アンド・ダイムド
」を読んではいないが、たまたま、ある 書評
で著者がホワイトカラーの体験を描いた「 捨てられるホワイトカラー
」を出しているというのを読んだので、図書館から借りたよ。
A氏
:自ら体験してその体験を書くという方法は、「 搾取される若者たち・バイク便ライダーは見た!」
の著者の 社会学
でいうところの「 参与観察
」だね。
アメリカの ワーキングプア
の知的街道では「 ワーキングプア:アメリカの下層社会
」があり、この街道は「 アメリカの没落
」、「 超・格差社会 アメリカの真実
」、「 働きすぎのアメリカ人
」、「 アメリカの非正規雇用
」、「 窒息するオフィス:仕事に強迫されるアメリカ人
」と続いてきているね。
私
:この本は アメリカの大学卒業者や中堅のホワイトカラー
の職についていた人たちが、 一旦、職を失うと貧困に落ちていく姿を体験
しようというものだね。
正規雇用
を得ることが難しくなり、 会社の上層部や中堅の社員がその地位から引きずり下ろされ、ビジネススーツを脱いで、スターバックスのカウンターの内側
で働かざるをえなくなってきたことだね。
ブルーカラーの低賃金問題が、ホワイトカラーに拡大
してきたのかね。
A氏 :こないだの「 高学歴ワーキングプア・『フリーター生産工場』としての大学院 」で描いている 日本の博士取得者の姿 に似ているね。
私
:アメリカのこの種の本は、だらだらといろいろな例が続いているのが欠点だね。
この本も 著者が1年にわたり、ホワイカラーの職、企業のPRを担当する職を探す体験
をいろいろ書いているが、ダラダラした感じだね。
A氏 :結局、就職するの?
私
: 1年かけて求職活動をするが失敗する。
しかし、その求職の過程で、求職中のホワイトカラー層に接することにより、その実態を具体的に描いているね。
この本を読んで、驚いたことは、 ホワイカラーの求職を支援するためのビジネス、すなわち、「就職ビジネス」が盛んなこと
だね。
これはちょっと、日本にはなじまないタイプのビジネスかもしれないね。
困っている求職者に目をつけて、 カネ
をもうける人たちがいるというのは、いかにもアメリカらしいね。
カネ
にがめついね。
A氏 :日本でも リクルート のようなビジネスもあるのではないの?
私
:この本でいう「 就職ビジネス
」とは 求人案内業
ではない。
求職者同士のネットワーク
があり、これに参加すると、同じホワイトカラーの求職者が集まり、 これに対して、履歴書の書き方や企業の売り込み方法の個人指導をするコンサルタント
がからむ。
性格診断や適性検査
などを行う。
自分を売り込むセミナー
まである。
女性なら、化粧の仕方まで指導
する。
もちろん、 有料
だ。
結局、著者は総額で 数十万円
をかけているね。
そして空振りだね。
こういう コンサルタント業 は別に企業紹介するわけでなく、 求職はあくまで求職者の個人的な努力 だね。
A氏 : 自己責任の国 だから、そういうビジネスが盛んになる素地があるんだね。
私
:著者は、 ホワイトカラーの求職
は、 ブルーカラーの求職
と異なるというようなことを言っているね。
それは、 ホワイトカラーは求職活動を通じて、人格的に会社側の発想に同化するようになる
からだね。
私
: ブルーカラー
はある意味、 肉体労働
で終わるから、 精神的な忠誠心はあまり重要ではない
からだろうかね。
心まで売らないのかね。
この300頁近い本で考えさせられたのは、 アメリカの失業者の考え方
だね。
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