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Ryu-chan6708

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2008.07.08
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カテゴリ: 歴史


エコノミック・ヒットマン

:原書の題名は「 あるエコノミック・ヒットマンの告白 」で、 2004年の刊行 だね。
  まだ、 アメリカ経済がサブプライムローン問題 で火がついていないときだね。

A氏 エコノミック・ヒットマン EHM )とはどういう意味だね。
ヒットマン は「 殺し屋 」という意味だろう?
  「 経済の殺し屋(EHM) 」?

途上国を近代化 するために、 土木・建設工事の重要性をその国の政府に説得し、そのために巨額の融資 をする。
  それらの工事は、 アメリカの多国籍企業 が行うので、 融資の資金はアメリカ大企業に還流 する。
  そして、 融資先の国の経済を破綻 させ、 永遠に債務者であるアメリカの多国籍企業の言いなりにならざるを得ないような状況 に追い込む。
その国の経済を殺してしまう。
だから、この活動を行う アメリカのビジネスマン を「 経済の殺し屋 」だというわけだ。
  そして、多国籍企業の言うことを聞かないと、 本当の「殺し屋 」がくる。
  それでもだめだと「 アメリカ軍 」がイラクのように 先制攻撃 で来るというわけだ。
 著者は、その「 経済の殺し屋」の一人 であったというわけだ。

A氏 :そう言えば、 内橋克人著 悪夢のサイクル 」によると、 開発途上国における多国籍企業による支配指数 というのがある。
  
2002年の国連貿易開発会議のデータ によると トリニダード・ドバコ44.1パーセント チリー28.4パーセント パナマ28.2パーセント ホンジュラス27.5パーセント など、 中南米のラテンアメリカの諸国が突出 しているという。

市場原理主義の拡大とダブル部分 があるね。
  著者は、この「 経済の殺し屋 」だったというが、具体的な「殺し」までの話は少ないね。

  この本の前半は一般論と「 経済の殺し屋 」になった経緯で占められている。
  著者は、この 多国籍 大企業、アメリカ政府、世界銀行・IMFなどの大銀行の3本柱の結束 を「 コーポレートクラシー 」と言っているね。
餌に食いついた途上国の搾取による飽くなき利益追求 だね。

A氏 日本の政官財の癒着 なんて、 みたいなものだね。

:この本は、随筆的に書かれているので、あちこちに話がとんで、まとめようとすると大変だ。
  そこで、俺は一応、 時系列的 にまとめてみた。
  まず、 サウジアラビア だが、これはこの本の主題と違うね。
  まだ、「 コーポレートクラシー 」が確立する前の話だね。
  例の 第一次オイルショック から始まる。

A氏 1973年の第4次中東戦 争が起きる。
ニクソン大統領 は、すぐに イスラエルに対して、22億ドルの援助を決定 するね。
  これに対応して、 中東の産油国が輸出禁止を行い、石油が一挙に値上がりする。
今の値上がりと原因が明らかに違うね。

:これで アメリカ政府、多国籍企業、大銀行がトラウマ となり、 3本柱の結束が強化される結果 となる。
アメリカ は、 サウジの石油ドルの還流 を狙い、 サウジの近代化のための工事を売り込む。
これには「 経済のヒットマン 」はないが、 ドルの還流というモデル ができる。
  これは、サウジの経済を混乱させるという「 経済の殺し屋 」の話ではないが、 アメリカ政府、多国籍企業、大銀行が結束して「コーポレートクラシー」が確立したという例 としてあげているんだろうね。

 明日は、 グァテマラ の話から始めよう。






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Last updated  2008.07.08 07:26:55
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