知的漫遊紀行

知的漫遊紀行

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

Ryu-chan6708

Ryu-chan6708

Calendar

Favorite Blog

まだ登録されていません

Freepage List

2009.07.06
XML
カテゴリ: 社会問題



無差別殺人の精神分析

宅間守 は、 加藤 造田 上部 など、昨日までふれてきた犯人と、かなり違う生い立ちだね。
1963年 、兵庫県伊丹市の生まれ。
町工場の旋盤工の父と同じ工場に勤めている母
  7歳年上の兄との4人暮らし。
 生活の苦しさからか 母は望まなかった子 であったという。
  後に母から「 生まれてこなければよかった 」という存在を否定される言葉まで聞いている。
  両親共働きなので、 幼稚園入園まで父方祖母宅で育てられる
  父親は厳しく、ときには 鉄拳制裁 もあり、母親は喜怒哀楽が激しかった。

A氏 :とても楽しい家庭ではないね。

:宅間は学校では 強い子 にはいじめられ、 弱い子 はいじめていた。
 中学校進学のときに、 大阪教育大付属池田中学受験 を目指すが、母親に反対されて諦める。
  彼が 中学受験 を考えたのは「 将来エリートになりたかった 」からであった。
このエリートへの羨望と嫉妬が事件の背景 にあるね。

A氏 :長い間続く、 欲求不満 だね。

:工業高校中退後、彼の 荒れた人生 が展開される。
  転職も多い。
  彼は 4度も結婚 しているが、最後の4度目以外は、 女性は年上 だね。
2回目の結婚相手 は、 19歳年上 宅間の小学校時代の担任教師だった女性 だという。

A氏 母性愛 に飢えていたんだろうね。

宅間 にも「 他責的傾向 」があり、「 自分がエリートになれないのは、遺伝子のせいであり、すべては素質・運・環境のせいである 」としていたという。
  「元妻や父親に対する恨みや学歴コンプレックスから、 社会や世間に仕返しをしようと考えた 」という。
  宅間の無差別殺人が 特殊 なのは、 エリート校の生徒という特定集団 を狙ったことだ。
  それから、宅間が読んでいた本の中に ヒットラー の「 我が闘争 」があったという。

  ここで話をアメリカに移すが、 1999年のコロンバイン高校銃乱射事件 では高校3年生の エリック ディラン 銃乱射 生徒12人と教師1人を殺害 する。
 そして2人は 自殺

 主犯の エリック 1981年 生まれで、父は 空軍輸送機のパイロット
  子分のディランは同じ年で、父は 地球物理学者 だが、 引退後は不動産で成功。
2人とも学校の成績はよかった。
  2人とも ヒットラーを崇拝 していた。

A氏 :その彼らに何の欲求不満があったのだろうか。

:学校での「 いじめ 」だね。
  この高校の運動部は、州の各種大会でチャンピオンをとっており、 選手たちは学校の英雄 だった。
  運動部員が2人をいじめても学校は問題にしなかった。
  運動部員による2人のイジメはエスカレートした。
  それへの 復讐 だね。
  そして「 他責的傾向 」も遺書からうかがえるという。

  この事件は マイケル・ムーア監督 の「 ボーリング・フォー・コロンバイン 」という映画で扱っているが、アメリカの銃社会を問題にしているね。

  ところが、 エリックの死体解剖 大量の抗うつ薬ルボックスが検出 された。
ルボックスの副作用である攻撃性 が事件を発生させた1因ではないかという。
  背景には アメリカ社会での抗うつ薬使用の拡大 があるね。

A氏 :「能力主義」「成果主義」「自己責任」「自発性」が強調される 欧米型社会 での特徴だね。
  スポーツ選手の 筋肉強化剤使用 と似ているね。

:銃弾のキズから回復した被害者がルボックスの製造元を告訴し、裁判ではそれが認められ、 2002年にルボックスの販売は中止 された。
  日本では販売中止にはなっていないという。
  しかし、「能力主義」「成果主義」「自己責任」「自発性」が強調される欧米型社会になりつつある日本も、 うつ病が増加傾向 だね。
  「 処方箋に頼った幸福 」も増加するのだろうか。

 明日は、 ヴァージニア工科大銃乱射事件 に移ろう。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.07.06 09:12:39
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: