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私 : 連載2回目 だがようやく「 効率」というポイント をついてきた意見が出てきたようで、 「長時間労働」の問題は仕事の生産性向上に視点をおくべきだ ね。
A 氏 : その視点 からか、今回は、 産業医・大室正志氏と日立製作所・矢野和男氏 の2人のコメントが載っているね。
大室 氏は、 「長時間」の最大の要因と指摘するのは、管理職のマネジメント能力だ という。
さらに 大室 氏は、 仕事の内容や、やり方 は急速に変わっていて、 上司の経験したことのない仕事をする部下も多い から、 上司は部下の話を聞き負担を把握することが大切 で、「 大丈夫?」 と聞かれると反射的に「 大丈夫 」と答えてしまうので、 聞き方の工夫もいる という。
私 :それは マネジメント では当然だね。
野球 でいえば、 管理職にあたる監督 は ベンチ にいて、 刻々、選手の動きをみて、必要あれば指示をし、場合によっては選手交代も行う 。
米国野球 では、 監督はマネージャーという ね。
同様に、 管理職の主な観察の対象は部下 だね。
部下が過労自殺するなどは、そこの管理職の無能の証拠であり、管理職手当を返納すべきだ ね。
野球 で言えば、 監督がベンチで下を向いて本を読んだり、スマホをしていたりしているようなもの で、 選手を「観ていない」 。
A 氏 : 日立で人工知能の研究を率いる矢野 氏は、ずばり 労働の効率 に眼をむけているね。
加速度センサー を身につけ、 10年以上にわたり自身や被験者の1日の動きを記録 した。
その結果、明らかになったのは 、 1日に動ける時間の長さや、体の部位を動かせる回数は人それぞれに決まっていて 、「 昨日の遅れを今日取り戻そう」と長時間働いても、こなせる仕事量は実はほとんど増えない ということだという。
私 : パソコンで文章を書く、歩く、などについて、速さや規則性ごとに動きを分析すると、効率よく動ける時間にはそれぞれ限りがあり、「その配分を気合や根性で変えられるというのは一種の幻想」だ という。
パフォーマンスや集中力には、日常生活の規則性が大きく影響する そうで、3年前からサッカーJ1柏レイソルの18歳未満の選手にセンサーを24時間装着してもらう実験をしたところ、 練習の量と質だけではなく、睡眠や生活の規則性が試合でのパフォーマンスに影響を与えることがわかった という。
A 氏 :別の実験では、 平日は短時間睡眠で、週末に「寝だめ」するといった平日と休日の睡眠のばらつきが大きい人 ほど、 平日昼間の集中力が低くなるという結果 になったという。
矢野 氏は「 幸せな気持ちで働き、高い成果をあげるために、どんな時間の使い方が最適か。働き手も経営者も、精神論ではなく科学的に把握することが大切 」と 指摘 。
私 :俺達の頃には 生産性向上のために疲労と生産性の関係で「労働科学 」というのがあったが、今はどうなっているのかね。
仕事の「ムダ、ムラ、ムリ」の「3ム」をなくせ というが、 「ムリ」な仕事は生産性を阻害するというのは、俺達の頃は常識だった のにね。
ところで、 トヨタの改善20か条 の1つに「 改善をする作業は最低30分観察せよ 」というのがあったが、 今の管理職 はそれをやっているのだろうか。
これは、 マネジメントの問題と生産性向上がリンク しているね。
かって、 高度成長期に多くの第一線の仕事の改善の専門家が活躍していた が、今はいなくなってしまったのだろうか。
これらの人を管理職のアシスタントにつけるべきだ ね。
プロ野球の監督の補佐役のコーチ のように。