2014年8月7日 朝日新聞朝刊の記事です。
「今できることを今やる」との思いから各地を旅行した=2010年1月、中国・江蘇省蘇州市
広島市のSさんは2007年7月、尿膜管がんのブログを始めた。診断から約3カ月。最新の海外情報と自身の治療記録を公開し、ブログ上で自分のことを「ガンファイター」と名付けた。
始めて5カ月。「さくら」と名乗る27歳の女性がメッセージを書き込んできた。「私自身も尿膜管がんと診断されている」。同じ病気の患者と初めてつながった。
本人の許可を得て治療経過をブログで公開。すると、ほかの患者たちからも情報が寄せられた。
海外の患者サイト「膀胱(ぼうこう)がんウェブカフェ」で仕入れた最新の臨床研究や治療情報の英語論文を訳し、ブログで共有した。主治医と相談し、自分の治療でも試みた。
うまくいかなかったこともある。10年1月、それまで使っていた抗がん剤が効かず、次の治療を模索していた。広島市民病院の主治医(当時)、三枝道尚(さえぐさみちひさ)さん(54)と話し、「さくら」さんも治療に使い、海外の論文で紹介されていた、大腸がん用の抗がん剤を試してみることにした。
ただ、海外でも臨床試験の段階で効果は不明。医療保険も対象外だった。治療に使うには、院内の倫理委員会に諮る必要があった。「全額自己負担でも構いませんので対応をお願いします」。思いを手紙にし、三枝さんに託した。2月下旬、倫理委員会で承認され、治療できることになった。
しかし、効果は出なかった。5月下旬、Sさんは「実験的治療の失敗」と題し、ブログで報告した。「薬効なく、副作用だけが残った自分がみじめに思えました」
三枝さんは、別の抗がん剤を組み合わせる治療を提案した。功を奏し、三枝さんが「このまま治るのでは」と期待するほど、腫瘍(しゅよう)マーカーの値が一時改善した。
尿膜管がんは治療法が確立しておらず、すべてが手探りだ。薬も使ってみなければ、効果は分からない。「確立された治療法がないので本当に難しい。抗がん剤が効けばいいが、効く人ばかりではない」と三枝さんは言う。
Sさんは自分で治療法を調べる意味をブログでこう説明した。「命がかかる治療を主治医に丸投げすることは好みではありません。自分なりに調べた結果が反映される治療を望んでいるのです」
(原文はご本名で書かれているようですが、ここでは頭文字表記にさせていただきました。写真掲載は控えました)
最後の「命がかかる治療を主治医に丸投げすることは好みではありません。自分なりに調べた結果が反映される治療を望んでいるのです」は、100%そのとおりだと思います。
付け加えるなら、一人の医者そして一つの診療科、一つの医療機関の知識・治験は限られています。このSさんよりは症例の多い私の悪性後膜腫瘍の場合ですらです。
インターネットの情報はもちろん、セカンドオピニオンも重要です。
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