ワルディーの京都案内

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2015/08/06
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テーマ: 癌(3513)
カテゴリ: 癌治療情報
 朝日新聞「患者を生きる」2014年12月10日の記事です。


看護師のYSさん(27)は2009年秋、骨のがんである骨肉腫が骨盤に見つかった。看護師になって半年だった。勤め先のがん研有明病院(東京都江東区)に入院することになった。

 転移は認められなかったが、腫瘍(しゅよう)は5センチ以上あり、骨盤の左半分を占めていた。整形外科の主治医、下地尚(しもじたかし)さん(51)は「早く治療を始めなければ」と思った。

 骨肉腫の標準治療は、抗がん剤でできるだけ腫瘍を小さくした後、手術で腫瘍を取る。術後も抗がん剤で再発や転移を防ぐ。1年以上かかると見込まれた。

 入院治療は12月から始まった。顔を知っている同期の看護師の姿が見えた。「病気にならなければ、私も働いていたのに」と気持ちが沈み、目をそらした。

 その頃、入退院を繰り返していた同じ年齢の女性患者と親しくなった。大学生で発症し、再発していた。「もう治らないのかな」と打ち明けられた。

 不安やつらさ。身近な人には言えないことがあるのだろう。「仕事がイヤ、と言ってる人たちがうらやましいね」。いろんなことを語り合った。「つらいのは私だけじゃない。がんばって病気を治そう」と思うようになった。

 同期の看護師が、お菓子やマンガを持って見舞ってくれた。勤め先に入院したことが、逆に励みになった。

 抗がん剤と放射線治療を実施したが、腫瘍はほとんど小さくならず、手術に臨むことになった。

 骨盤にできた腫瘍は、直腸や尿道、膀胱(ぼうこう)に接し、近くには女性器もある。下地さんは泌尿器科や婦人科の医師と検討を重ね、「難しい手術になる」と思った。

 腫瘍の広がりによっては、人工肛門(こうもん)と人工膀胱が必要になる可能性が高いこと。歩行に影響が出るが、杖1本で歩くことは可能だろうということ。下地さんら医師団は手術を前に説明した。

 泌尿器科に勤務し、人工膀胱をつける患者は身近だった。だが、直面したときのショックは想像以上だった。「両方付けるなら生きたくない」とつぶやいた。泣いてたしなめたのは看護師だった。「そんなこと、言っちゃだめ」。寄り添ってくれる看護師が、身近で大きな存在に思えた。


写真:勤務する病院で、長い入院生活が始まった=東京都江東区のがん研有明病院

2.jpg


(患者さんの名前はイニシャル表記にさせていただきました。)


 この方、人工膀胱をつける患者は身近に見てきたが、まさか自分がそれをつける可能性が高い状態になろうとは。若くして人工肛門(こうもん)と人工膀胱の可能性。その手術に向わなければならなくなったときの気持ち、想像して余りあるものがあります。


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最終更新日  2018/09/20 06:34:56 AM
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