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2016/04/23

【がん情報】乳がん　遺伝性：４　「次世代のため」動き出す

テーマ：癌(3513)

カテゴリ：癌治療情報

朝日新聞「患者を生きる」の記事を引用し、私の意見・感想・気づきなどを述べさせていただいています。

≪2016年1月29日の記事≫　

　２０１４年夏、愛媛県に住む４０代の女性は、遺伝子検査で「遺伝性乳がん・卵巣がん（ＨＢＯＣ）」だとわかった。２度の乳がんで両胸の乳房全摘手術を受けた女性は、卵巣がんのリスクを下げるため、予防的に卵巣や卵管を切除する手術を希望した。

　この手術によって妊娠は望めなくなり、更年期などの症状が出る場合もあるが、年齢的にも迷いはなかった。公的医療保険は使えず、約８０万円を自己負担して、年末に手術を受けた。

　手術日は、妹の遺伝子検査の結果が出る日でもあった。妹も親から遺伝子変異を受け継いだ可能性は５０％。麻酔から覚めるとすぐに、携帯電話で「どうだった？」と妹にメールを送った。「やっぱり姉妹だね」と返信が届いた。妹にも遺伝子変異が確認された。

　「同じ立場の人と話したい」。退院後、インターネットで検索すると、東京都内に住む太宰牧子（だざいまきこ）さん（４７）に行き着いた。ＨＢＯＣ当事者らの団体「クラヴィスアルクス」を立ち上げていた。

　メールでやり取りを重ね、会って話した。高額な費用が必要になることや、遺伝性の病気への理解が進んでいないことへの問題意識は一緒だった。「次の世代のために何かしたい」。女性も、団体の四国支部として活動を始めた。

　同じ病気でも、年齢や家庭環境、がんの進行度は異なり、悩みも選択もそれぞれだ。その人らしい決断を応援できればと、考えている。

　夫はいつも寄り添ってくれたが、「面倒な嫁をもらったと思うでしょう？」と聞いたことがある。「でも、それが俺の嫁さんなんだよね」と夫は言ってくれた。

　遺伝子変異を受け継いだかもしれない娘には「重い荷物を背負わせた」という思いが消えない。人生の困難の一つとして、切り開く力をつけてほしいと願っている。

　「もし変異があったら、あなたもがんになるリスクが高いということ。怖くない？」

　女性が尋ねると、娘は答えた。「全く怖くないと言えばうそになるけど、お母さんを見てると、がんになっても、大丈夫じゃん」

　がんになってからの生き方を、少しだけほめてもらえたような気がした。

クラヴィスアルクス理事長の太宰牧子さん。バッジの売り上げなどを活動費にあてる

予防的切除は、保険対象外なのですね。知りませんでした。

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