ワルディーの京都案内

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2021/08/15
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テーマ: 京都。(6079)
カテゴリ: 若冲と応挙
【2021年8月15日(日)】

 雨が続きます。雨の被害が相次いでいますが、幸い私の地域は今のところ避難指示は出ていません。修学旅行ガイドでよく通る清水寺参道の茶わん坂での崖崩れは驚きました。

 もう一つ気になるのが甲子園。「天候不良のため、本日8月15日第1試合の開始を午前8時から遅らせます。天候の回復を待って、試合を行う予定です」とのことですが、果たして・・・。

 3連続在宅日の中日。会の集まりの準備に追われています。京都駅往復もします。


 「若冲と応挙」の第35回。応挙のその他の作品の続きです。


◆第3章 円山応挙(続き)

3-6 その他の作品(続き)

図1「氷屏風図」 。やはり天明期の作です。左上へ、右上へ、水面の氷のひびが入っています。現代絵画と見まごう構図です。


図1「氷図屏風」天明年間(1781~1788)大英博物館蔵


図2「海上竜巻図」天明7年(1787)個人蔵
図2「海上竜巻図」 。応挙55歳の作品です。竜巻の恐怖感を水墨画で見事に表現しています。天に昇る龍も描かれています。当時は竜巻は龍が起こすと信じられていました。

図3「富士図」 。応挙60歳の作です。富士山は、生地色のまま塗り残し、外側を墨でぼかす 「外隈」 の技法が使われています。「外隈」は狩野探幽が得意とする技法でした。 円満院祐常 「萬誌」 「探幽は遠山、ことに外隈が美しい。この隈は一回の刷毛では施すことができない。最初に水でほどよく隈をとり、その湿ったところへ淡墨や濃墨を入れると”ほっこり”としてよい」 と書いています。応挙はこの絵で探幽風の外隈を意識したのかもしれません。

図3「富士図」寛政4年(1792)三井記念美術館蔵



図4「龍門図」寛政5年(1793)京都国立博物館蔵
図4「龍門図」 。応挙61歳の作です。中幅は滝の中を昇る鯉が砲弾のような形で描かれています。これは応挙独特の鯉の描き方です。中幅の寸法を左右より長くして、鯉の上昇が強調されるよう工夫されています。

 最後に制作年代はよく分かりませんが、軽妙な作品を2点紹介します。

図5「狗子図画賛」 。「己が身の闇より吼て夜半の秋」の句を蕪村が添えています。「秋の闇夜で吠える黒い犬は、自分の色のように黒い心の闇から吠えるのだろうか」という意味です。句の意味と可愛い黒犬の対照が面白い絵です。

図6「猫も杓子も図画賛」 。「ぢいもばばも猫も杓子もおどりかな」の句を 蕪村 が添えていますが、「猫は応挙が戯れに描き、杓子は蕪村が酔って描いた」と右側に書かれており、絵は蕪村との共同作品であることが分かります。応挙らしくない猫の描写が面白いです。


右:図6「猫も杓子も図画賛」応挙・蕪村筆 海の見える杜美術館蔵




(続きます)


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最終更新日  2021/08/15 11:50:05 PM
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