ワルディーの京都案内

ワルディーの京都案内

2021/09/06
XML
テーマ: 京都。(6081)
カテゴリ: 若冲と応挙
【2021年9月6日(月)】

 今日はもともとフリー日。今日がタイムリミットの会の作業に時間を費やしました。

 「若冲と応挙」の台40回。「絵を比べてみる」の「その4」です。


◆第4章 若冲と応挙を比較してみる(続き)

4-1 絵を比べてみる(続き)

 若冲と応挙の絵の比較の続きです。

 多くの動物を描いた「群獣図」です。 図1若冲「樹花鳥獣図屏風」 。以前の回で 「升目描き」 によるモノクロ調の 「白象群獣図」 を紹介しましたが、こちらはフルカラーです。右隻には白象を中心に23種類の動物が描かれ、左隻には鳳凰を中心に31種類の鳥が描かれています。モノクロ調の「白象群獣図」に比べると稚拙な技巧が見られるため、若冲の下絵による、弟子たちの彩色ではないかともいわれています。 図2応挙「群獣図屏風 」。19種類53体の動物が描かれています。多くの動物がつがいで登場し、大小様々な動物たちが争うことなくくつろいでいます。若冲作品も、応挙作品も、動物たちのパラダイスを描いてはいますが、ずいぶん雰囲気の違うパラダイスになっています。


図1 若冲「樹花鳥獣図屏風」静岡県立美術館蔵 上:右隻 下:左隻






図2 応挙「群獣図屏風」宮内庁三の丸尚蔵館蔵 上:右隻 下:左隻





                        京都・萬福寺蔵      静嘉堂文化美術館蔵

 今までは全部動植物の絵の比較でした。応挙は動植物以外に、風景画や人物画も多く描いたのに対し、若冲はほとんど風景画や人物画を描かなかったので、比較する絵が動植物の絵にならざるを得ないためです。若冲の絵への向き合い方が 大典顕常筆「寿蔵碣銘」 に記されていることを以前の回で紹介しました。 「では何を描くか。雲の上を飛ぶ麒麟や中国故事人物は実存しない。月代頭(さかやきあたま)の日本人を描くのは嫌である。日本の山水も描くほどのものはない。」 風景や人物は端から描く対象として考えていなかったのです。とはいうものの若冲は辛うじて、肖像画の形で人物画を遺しています。 図3若冲「蒲庵浄英像」 。黄檗僧・蒲庵浄英の肖像画です。対して 図4応挙「江口君図」 。出来栄えという点では応挙の方が数段上回っていると言っても過言ではないでしょう。もともと若冲は人物画が好きではなっかたし、得意でもなかったのでしょうが、お世話になった知己の肖像画だけは描かざるを得なかったのでしょう。




(続きます)


前回はこちら 次回はこちら



よろしかったらぽちっとお願いします。

にほんブログ村 旅行ブログ 京都旅行へ
にほんブログ村





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021/09/06 11:50:05 PM
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

ワルディー・ヨーリョ

ワルディー・ヨーリョ

カレンダー


© Rakuten Group, Inc.
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: