つれづれなるままに―日本一学歴の高い掃除夫だった不具のブログ―

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2007.10.26
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カテゴリ: 現代日本文学
『沈黙』『イエスの生涯』『死海のほとり』など遠藤文学の核となるテーマをつづった短編集。告解集と読んだ方があるいは適切かもしれない。それだけ私小説的ということでもある。

「母なるもの」「小さな町にて」はともに隠れキリシタンを題材にしている。弱き者、臆病な者、卑怯な者に目線が行きがちな作者が外人神父から「あなたのキリスト教解釈は浄土教的です」と言われた、というのはおそらく実体験だろうと思う。

実体験という意味では「学生」もフランスへの留学体験を下敷きにしたものだし、「ガリラヤの春」「巡礼」も作者のイスラエルへの取材旅行を反映したものであろう。「あの人がわたしの人生を横切らなければ弥次喜多のような世界で呑気に生きることができたのに」という矢代の述懐は、おそらく作者の本音ではないか。

「召使たち」「犀鳥」「指」は小説というより随想に近い。前二編は転びバテレンの話、最後の掌編はトマスの指の話である。

処分本NO145.





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Last updated  2007.10.30 17:33:01
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