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GrahamはFrankfaterの夢を見るか？その13

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2022.01.13

とっくに言及していたと思ったのだけれど、ここにちょこっと書いただけで「アニメ」カテゴリのタイトルにその名がなかった。遅ればせながら少々。

観返すのはこれで何度目か。結末もわかっているのに、なぜか興奮してしまう。ひとつには、声優さんの布陣が懐かしいからかもしれない。かつての昭和のメンバーは、その多くが故人になった。

ノスタルジーはこれくらいにしよう。１３階段を上り、絞首刑にされるルパンの画から物語は始まる。だがこれは終わりから始まる物語ではない。殺されたのはルパンのコピーであり、本物のルパンは不二子のためにあるお宝を追っていた。

あらすじを追っても仕方がないので、感想に入る。ストーリーとしては悪党物語であり、SFであり、大人のラブストーリーでもある。中核をなすアイディアは今観ても斬新だ。いや、むしろDNAとか遺伝子操作とかが喧しい現代だからこそ楽しめるお話かもしれない。

だが…今回思ったのは、「国家の暴力」という側面だ。ルパンも複製人間も卓越した個人だが、「国家」はもっと強力だ。アメリカ合衆国政府は果たして神であるか？　この映画が作られた当時は湾岸戦争もイラク戦争もなかったが、ラストを見るだけでも、国家という機構の暴力性は疑い得ないところである。