彩工房 彩花

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「春雨か 部屋に聞こゆる 雨雫」
暖かくて静かな日曜の朝です、ご挨拶の一句。 (February 26, 2006 06:35:52)





今日山田詠美さんの本をよんだら
殺意が私を尊敬の眼差しで見上げる。
憎しみが感涙にむせぶ。
嫉妬が天を仰いで感謝する。

という文があって表現がすごいなぁ!
と思いました^^



フィギュアスケートを見て・・・。 「★つ・ぶ・や・き★(65535)」 [ 好きな言葉。 ]
カテゴリー「好きな言葉」では、いいなあ~と思った言葉や思い出に残る言葉を書きたいと思います。

今日は、トリノオリンピックのフィギュアスケートを見てのこと。
もちろん、荒川選手の金メダルに涙が出るほど感動し、一緒に君が代を歌いましたが、
そのときの、NHKの刈屋アナウンサーと、解説の佐藤有香さんのやり取りが非常に印象的でした。

刈屋アナ 「よくオリンピックを楽しみたいという言葉を口にする選手がいるんですけども、
       最高に仕上げてきた人が初めて楽しめるんですね」
佐藤有香 「そう思います」
刈屋アナ 「はい」
佐藤有香 「楽しむというのはアハハといって楽しむのではなくて、今まで自分が作り上げてきた、その状態をこの場で出す、そして出すことが出来るから、そこで初めて自分が自分に感激をすると、そして楽しむことが出来るということだと思います」
刈屋アナ 「そうですよね」
佐藤有香 「はい」
刈屋アナ 「安藤さんにはこの経験をホントに生かしてほしいですね」

この「楽しむ」は、私たちが普段使っている意味とまったく違い、
むしろ「達成感」や「充実感」に近いものを感じます。
つまり、「楽しむ」には、それなりのことをやってこそ、本当に楽しめる
ということなのでしょう・・・。

テレビの影響か、荒川選手が想像を絶する努力をしてきたことが報道されるにつれ、
この「楽しむ」という言葉に強い感慨を覚えます。

今回のオリンピックでは、たしかに「楽しむ」という言葉が目立ったような気がします。
オリンピックだけでなく、昨今ではこの「楽しむ」という言葉があまりにもたくさんあふれている
気がします。
でも・・・私たちは「楽しむ」だけのコトを本当にしているんでしょうか?
そんなことを考えさせられる、今日のいい言葉でした。


ぎょうの介さん

この時季は、通勤のバックの中にカメラを入れて桜を撮ります。

「桜通り」と名づけられた道は果たしていくつあるのだろう、と思う程、東京にはその地元の人しか知らない桜が、花のアーケードとして人々の目を楽しませてくれます。

ぱっと咲いて瞬く間に散ってしまうところから、江戸っ子に好かれたのだ、だからこんなに多くの桜があるんだよ、とよく聞きます。

ぱっと散ってしまった後の寂寥感がいい、なんて、ひとつの人生の考え方です。

「春愁」を思うとき、「万葉集」に
4292「うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとりし思えば」大伴家持
                    (諸説ありますが、家持35歳の作)
という歌があります。

春陽の暖かさと吹く風の冷たさと咲く花々は、春を複雑なものにしていて、そこに秋とは違う春の物悲しさがあります。

3965「春の花今は盛りににほふらむ折りてかざさむ手力もがも」大伴家持
3966「うぐひすの鳴き散らすらむ春の花いつしか君と手折りかざさむ」大伴家持
                  (家持30歳 病に臥しているときの歌)

4139「春の苑紅におふ桃の花下照る道に出で立つ乙女」大伴家持
                              (家持33歳)
この歌は中国の樹下美人を踏まえた漢詩訳の作だ、なんて言われることもありますが、
私の中ではなぜか三好達治の「甃のうえ」のイメージに重なります。

花が咲き誇っている木の下を「をみなごしめやかに語らひあゆみ」、それを理由の無い
寂寥感に包まれた自分がただ眺めている。

ひとりでいる春を歌うことで、古来、歌人は春の物悲しい気持ちをいやしたのでしょうか。


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