勝手に最遊記Ⅱ

勝手に最遊記Ⅱ

Pain―2





古びた教会


        割れたステンドグラス

                      変色した壁




――――――――――――――――無言で桃花を迎えた教会は、不気味なほどの静寂さをたたえていた。




「・・・・・・。」そっと扉を開け、中を伺う。



饐えたような、古びた建物特有の匂い。だが、閉め切っていたような感覚はない。
『あの人の記憶通り・・・。』

桃花に取り憑いた、女の記憶。

この教会を根城として、数十人の妖怪が暮らしていた。


断片的に流れ込んで来た記憶の渦に、白衣を着た男と―――――――・・・・「・・・・だ・・・大、桷・・?」


薄暗い中から聞こえてくる、微かなモーター音。 割れたステンドグラスを揺らす、緑色の発光。


――――――――――桃花の足が、止まった。




                                「・・だっ・・・・・大・・・桷ぅっ・・・!!」





祈りを捧げる 祭壇に。







                 巨大なカプセルの中に  繋がれた






                                      大桷の・・・・大桷の、首 のみ。






「・・っ、・・でぇ、なっ・・んで、そんな姿にっ・・・・!」






膝から力が抜け落ち、座り込んだ。





あたかも、神へ愚者が許しを請うような姿で・・・・・・・・「なんでっ、大桷っ・・・!!」






桃花の背中で、教会の扉が閉められた―――――――――――――――――――――























© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: