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昨日子供の健やかな成長を願う日、日本列島は移動性高気圧に覆われ、最高気温が30℃を超えるところもあったよです。今年の春は花冷えの日が続き浮かれた気分にも浸れなかったようにも思われますが、春を体感しないまま一気に夏を迎える様相です。暑くなれば冷たいものが食べたくなるのが人の口というものでしょう。昨日のお昼に食べた昨日子供の健やかな成長を願う日、日本列島は移動性高気圧に覆われ、最高気温が30℃を超えるところもあったよです。今年の春は花冷えの日が続き浮かれた気分にも浸れなかったようにも思われますが、春を体感しないまま一気に夏を迎える様相です。暑くなれば冷たいものが食べたくなるのが人の口というものでしょう。昨日のお昼に食べた抹茶麺。抹茶の香りが届けられないのが残念ではありますが、つやのある鮮やかな麺の緑の色は、感じていただけるでしょう。一足先に夏の楽しみを味わいました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル。抹茶の香りが届けられないのが残念ではありますが、つやのある鮮やかな麺の緑の色は、感じていただけるでしょう。一足先に夏の楽しみを味わいました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年05月06日
今日5月5日は国民の祝日「こどもの日」。健やかな子どもの成長を願う日にふさわしい穏やかな天候に恵まれた朝を迎えました。スマホの記録を見れば、7時5分とあります。田植えもすっかり終えた田んぼは、水鏡のような水面を揺らしています。つぎの写真は、先月22日の早朝に同じアングルから撮った田植え直後のもの。早苗の成長ぶりがわかりますね。子どもの成長もこの早苗のようにあって欲しいものです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年05月05日
昨日の昼食。ショッピングモールの中の中華レストランで食べました。ランチメニューの中から、野菜と海鮮のとろみあんかけラーメンの組み合わせをチョイス。税込み1350円はお値打ちでしょう。野菜と海鮮のとろみあんかけって、早い話が八宝菜を醤油ラーメンにトッピングしただけというものの、中華専門店だけにその八宝菜はなかなかのもの。とくに木耳ところっとしたキノコ(マッシュルーム?)の食感がコリコリ、コロコロで美味しかった。チャーハンもご飯がパラパラになるまでよく炒めてあって、ごま油の香りも効いていてグッド!ラーメンもチャーハンも全体に薄味で脂っこくなくあっさりと仕上げてあったのは、腹回りが気になる中高年族としては有難い。それでもチャーハンの分だけカロリーオーバーか、少し残そうかなどと思いながらも、たちまちのうちに完食してしまうのですから、我ながら呆れますな。(笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年04月28日
米どころの当地でも昨今は転作が盛んに奨励され、麦や大豆が植えられるようになりました。昨年の秋遅くに蒔かれた麦畑の様子を見に行きますと、もうすでに麦の穂先が出揃い始めていました。猫ジャラシのようにも見える特徴的な穂先からは、すでに長いヒゲがピンと伸びていますから、どうやらこれは大麦のようです。この麦畑の青々とした緑の絨毯が黄金色に変わるのは、6月下旬から7月はじめにかけて。本格的な梅雨を迎える直前が当地での麦の刈り入れの時期になります。空模様を絶えず気にしながらの短くて慌しい麦秋となるのが、少々残念と言えなくもありません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年04月26日
当地北陸富山は米どころ。子どものころより農作業の風景が季節の移ろいそのものでした。この時期田起しが終われば、代掻き。その代掻きも終わった田んぼには一面水が張られ、鏡のよう。この窓からの風景は、日々気にかけているのですが、田起こしも代掻きの作業も見過ごしたようです。かってすべて手作業で行っていた農作業も今では主役はトラクター。田越しも代掻きもトラクターがあれば一人で短時間のうちに出来ちゃう。代掻きが終わればいよいよ田植え。田植えは見過ごさないようにしようと思っていますが・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年04月23日
昨日の昼食はちょっと贅沢に握り寿司。朝獲れの氷見漁港直送を売りにしている店で、お昼時はいつも満員。駐車場へも入れない。11時半に前を通りかかったら、ちょうど1台出て来たのでラッキーとばかり、そこへもぐりり込んだのでした。すでに店内は満席で30分くらい待たされましたけど・・・。お昼のサービスランチメニューの中から、「THE ひみ 1850円(税別)」をチョイス。さすがは朝獲れの氷見漁港直送のネタだけに「キトキト」。(海産物の鮮度がいいことを富山弁で「キトキト」といいます)とくに美味しかったのは、右から2番目。生のタコでした。3番目のレモンが乗っているのもグー!ヒラメ。税込2035円の庶民の贅沢が伝わったでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年04月18日
弥生3月最後の日は、陽の光さえも通さぬほどの霞が空全体をおおい薄暗い朝を迎えました。古人が、見渡す限りかかすみか雲に覆われた弥生はるかユーラシア大陸の奥地の砂漠から舞い上がった砂塵が、偏西風にのって東方海上の島国にまで到来する自然現象は、今でこそそれを黄砂と呼ぶことは誰もが知るところですが、古人はそれに春の匂いを感じ取り、「にほいぞ出ずる」と表現したことになりますね。春の到来を感じさせる暖かい一日となるようです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年03月31日
天気予報によれば、本日の日本列島は移動性高気圧に覆われ、全国的に穏やかな一日となりそうです。当地北陸富山の予想最高気温は20℃とか。この暖かさで桜の開花もいっきに進みそうです。人の口は現金なもので、暖かくなれば冷たいものが食べたくなるものです。特にお昼なんか、手軽に済ませたいですから。・・・・というわけで、昨日の昼食はぶっかけ冷しうどん。ゆでたてを冷水でぎゅっと締めて、少々固めの方がおいしいですよね。温泉卵を1個割って入れたので、だしは少々濃い目で。ネギはたっぷりと。あげ玉の油の甘みが効いて絶妙。ただ、暖かくなって花見のシーズンがやって来るのはよしとして、大陸から運ばれてくる黄砂はいただけませんね。目のかゆみに悩まされています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年03月30日
昨日は朝から温かい日差しが降り注ぎ、この分では桜の開花も一段と進むと思われるほど穏やかな一日となりました。昨日のお昼はそんな暖かな陽気に誘われて、抹茶めんを冷しで食べることにしました。どうです、色合いも鮮やかでしょう。香りをお届け出来ないのが残念です。目と香りで一足先に初夏を味わうことが出来ました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年03月28日
昨日お昼に食べた中華ランチ。野菜の旨煮あんかけラーメンと半チャーハンがセットになって、税抜き980円はお得でしょう。中華レストランに入ってラーメンだけというのはもの足りないって思うこと、ありませんか?ラーメンも食べたいし、ご飯ものも食べたい。こういうときにピッタリのランチサービスはありがたいです。野菜の旨煮あんかけって、八宝菜のことですよね。八宝菜がご飯の上にかけてあれば中華飯というのでしょう。この場合ラーメンにかけてある。ちょっと珍しいと思って注文したのでした。我々が中華レストランに入って注文するものといえば、大方ラーメン、ギョーザ、中華飯と決まっている。ラーメンも、八宝菜も、チャーハンも食べることができるというこの店のランチメニュー、ありがたいですよね。ところで、中華レストランで八宝菜と肩を並べる人気メニューといえば酢豚ということになろうかと思いますが、八宝菜をご飯の上にかけた中華飯はあるのに、酢豚をご飯の上にかけた丼のメニューがないのは、不思議といえば不思議。カニ玉の甘酢あんかけをご飯にかけた天津飯だってあるのに?酢豚をご飯の上にかけるだけのことですから、作れないメニューではないでしょうに。誰か酢豚をご飯の上にかけた丼のメニューを出してくれる中華レストランをご存じありませんか。そしてその丼の名前は何というのでしょう?・・・酢豚飯(すぶたはん)では、そのまんまで面白くありませんよね。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年03月24日
今朝の日の出。スマホの記録には、6時48分とあります。3月に入り春分の日まで10日を切りましたから、日もずいぶんと長くなりましたね。朝霧が田んぼといわず、民家の屋根といわず一面真っ白におおっています。薄く立ち込めた雲のせいでしょうか、陽の光が乱反射しているのでしょう。北アルプス立山連峰剣岳の頂上付近から昇った太陽の輪郭を不自然なほどに大きく写しています。被写体が被写体だけに、完全な逆光。中央に走る用水路の左下にもう一つ小さな太陽が緑色に写っています。何やら心霊写真のように見えなくもありませんね。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年03月12日
国道沿いにある中華レストランで食べた台湾風酢豚定食。メインの酢豚は写真左上の皿。普段食べなれた酢豚とはずいぶん違っていた。酢豚といえば豚肉、玉ネギ、ニンジン、タケノコ、ピーマン・・・、あと何が入っていたっけ。パイナップルが入いることもありますよね。ところがこの「台湾風」酢豚は、豚肉と微塵切りの玉ネギ、刻みネギのみ。唐辛子でピリ辛にしてある酸味の強いニンニクを効かせたスープ仕立てになっている。台湾の酢豚はこうなのか?甘酢あんでとろみのついた酢豚を食べなれた口には、違和感ありすぎ。それでも豚肉とスープをご飯にかけて混ぜて食べると、強い酸味も辛味も薄まって美味しいではないか。ちょっとクセになりそう。酸っぱくて辛くて甘いエスニックな南方系の味付けが台湾に北上してきて、中華料理と一体化したものなのかも知れませんね。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年03月10日
昨日食べたそば。山菜そば。高速のサービスエリアで食べました。ワラビ、ススタケ、ナメコ、それにゼンマイもあったのかな?山菜といってもこの時期山菜が芽吹くには早すぎますから、昨シーズンに採ったものを水煮にして保存したものを使用しているのは知れたこと。注文して出来上がるまで5分、食べるのに5分、しめて10分の昼食。税込み650円の代金には早さも含まれているという山菜そばでした。(笑!◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年03月05日
今日は2月の最終日。閏年の年ですから2月は29日までになります。明日から弥生3月となりますね。一日だけのことなのに、どういうわけか心がウキウキしてくるものです。Spring has come.いきなり英語でなんだよと思われるでしょうが、もう少しお付き合いの程を。英語を習いはじめて一番とまどうのは、動詞の時制。現在・過去・未来を表現する場合、動詞が変化するというもの。しかもそれぞれの時制に完了形があり、頭がややこしくなったというのは、一人私だけではありますまい。英文法の本に現在完了形の例文として必ず載っていたのが、冒頭に上げた文。訳すと「春到来」。春がやって来て、すでに今が春であるということを表現するとき、英語では完了形を使うのだと高校の英語の先生は教えてくれたものでした。このとき「have」は完了の助動詞で、持つという意味の動詞ではない。「be」動詞を使って、「Spring is come.」と表現することもあると。・・・ほんとうに頭が混乱しましたね。(笑!ところでこの「春」と「来」の二文字が並ぶと、どうして心が浮き立つのでしょうか。日本人に受け継がれてきた遺伝子の存在を感じずにはいられませんね。明治になってはじめて英語の完了形を例文をあげて説明しようとした英文法の先生も、無意識のうちに「summer」でも、「autumn」でも、いわんや「winter」でもなく、「spring」を使ったのに違いありません。この世の生きとし生けるものすべてが、生命の息吹を己が内から発する季節、春がやって来ました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年02月29日
春めいて来たと喜んだのもつかの間、日本列島を寒冷前線が通過した後、いつのまにか西高東低の気圧配置となりました。寒気団の南下により日中も温度が上がらず、昨日の最高気温は5℃ということでした。冬に逆戻りですな。寒い日には温かいものが食べたくなるのが人情というもの。昨日食べた煮込みうどん。読んで字のごとく煮込む料理ですから、煮込んでおいしいものは、野菜であれ肉であれ、何でも入れるのが煮込みうどんをおいしくする基本といえます。昨晩食べた牛筋大根の残りを入れました。(大根はうどんの下に隠れています。)煮崩れのしにくい少し太目のしっかりしたうどんがあれば、具材とじっくり煮込めばよし、普通のうどんしか用意できなくても、時間をうまく調整して、先に煮込んだ具材と鍋の中で混ぜ合わせるような感覚で調理すれば、負けず劣らずの立派な煮込みうどんになります。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年02月28日
かって日本では、「男子厨房に入るべからず」などと言われていましたが、今そのようなことを口にすれば、すぐに「男女共同参画」などという言葉が当たり前のように返って来る時代となりました。男女がよきパートナーとしてお互いに尊重しあい、性別にかかわらず、様々な生活の場面で一人ひとりの個性や能力を十分に発揮できる社会の実現が叫ばれて久しいです。私の家内などは「あたしゃ、おさんどんか!?」などと、しばしば口説くところをみれば、わが家では依然として共同参画はなされていないということになるのでしょうか。私だって「男子厨房に入るべし」と、台所に立つこともあるのです。まあ、そんなときはだいたい女房殿が留守のときですが・・・。(苦笑!冷蔵庫の中を覗いてみる。え~と、豚のバラ肉があるな。おっ、モヤシもある。あとキャベツとネギか・・・ということで、これらの具材を適当に刻んで、フライパンで炒めるというのがきわめて順当な選択ということになるのです。豚肉の野菜炒めですな。(笑!ところで本場の中国料理の特徴は、油で炒める「炒(チャア)」にありますね。野菜炒めこそ「炒(チャア)」という調理法がぴったりの料理だと思いませんか。日本料理には湯通しという調理法こそありますが、油通しということはあまり聞きません。それは煮る、炊くという調理法が主で炒めるという調理法には馴染みがなかったからかもしれません。同じ野菜を使ったとしても、日本料理なら土鍋でしんなりと煮て、味噌で味をととのえるということになるのでしょう。仏教しかり、漢字しかり、律令制度しかり。歴史をひも解くまでもなく、古来より日本人は大陸の文化を積極的に取り入れて来たはずなのに、どうして「炒(チャア)」という料理法は取り入れようとしなかったのだろう。中国料理が今日のように広く普及したのは、戦後になってからのこと。わずか70年足らずですから、そうすれば日本人は2000年の長きにわたって、中国料理の代表とも言える「野菜炒め」を食べそこねてきたと言えるかも知れませんね。そんな取り止めのないことを思い浮かべながら、フライパンを振っていたからでしょうか。レンジの回りはこぼれた野菜で油まみれ。う~む、「炒(チャア)」の極意を極めるのは、なかなかに難しいようです。(笑!・・・さて、どうしたものか。女房殿がご帰還あそばす前に、証拠隠滅をはからねば。(笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年02月22日
スマホの記録では、6時25分とあります。朝焼けというには不気味なほどに空全体が朱色に染まっています。空だけでは足りぬとばかり画面中央を走る用水路まで血を流したかのようです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年02月20日
昼食を外食でということになると、美味いのは当然のことながら、早くてそれなりにボリュームもあって、出来れば安いにこしたことがありませんね。そういった外食族のニーズを満足させることが商売繁盛の秘訣ということになるのでしょうけれど、この当たり前のことがなかなか難しいようです。先週の土曜日に高速のサービスエリアで食べました。私が選んだのは、豚ショウガ焼き丼セット。ごはんの上にキャベツの千切りが敷いてあって、その上に豚肉のショウガ焼きと玉ねぎ、カイワレが乗せてある。それにかけそばの小盛がついていて、これで税込850円は納得の価格。ごはんと肉がいっしょに食べられて、野菜もしっかり取りたい。その上お汁代わりに麺類も少しすすりたいというなかなか欲張りな要望をしっかりと満たしてくれたた豚ショウガ焼き丼セットでした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年02月19日
昨日2月4日は立春。立春と聞いて華やいだ気持ちに心が包まれるのは、雪国に住む者の体に受け継いだ遺伝子のなせる業であろうか。節分といえば、豆まき。私らが子どものころには、節分を迎えた日の夕方時になるとどの家庭からも、「鬼は外、福は内」の声が聞こえたものでしたが、昨今ではもっぱら海苔巻きを黙々と食べるという家庭が増えたようで、にぎやかな声を聞くことが少なくなったようです。ウエブトピックスより、「恵方巻」を食べる方は50.3%、一方で「豆まき」をする方は33.1%昨晩はわが家でも夕食に、マグロと卵の細巻きを食べました。海苔巻きは食べやすいように一口サイズに切ってありましたし、恵方の方角と言われても、夕食のテーブルの席は決まっています。いつも通りの場所でいつも通りの方角を向いて、一口サイズの巻き寿司を食べたということになりますから、果たして「恵方巻」と言えるのかどうか疑問ですが・・・。(笑!巻きずしを食べるときは声を発してはいけないということですから、どこの家庭からも「鬼は外、福は内」どころか、にぎやかな声が聞こえてこないわけです。そこで一句。近頃は鬼も巻きずし食べたがり風俗風習も時代とともに変わるということでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年02月05日
今朝5時過ぎの気温が私の愛車の車載温度計で5℃でしたから、冬期間にしては珍しく穏やかな朝を迎えました。どうやら薄い霧が発生していたようです。晴れていれば霧の向こうに何が見えるかというと、1週間ほど前に撮ったほぼ同時刻、同アングルの写真になります。北アルプス立山連峰の峰々がシルエットのよう浮かび上がってくるこの時間帯の風景は、何ものにも代え難いですね。冒頭冬期間にしてはと書きましたが、昨日が節分でしたから、暦の上では春ということになりますね。Spring is just around the corner.春霞とまではいきませんが、このような朝霧に包まれる朝を迎えるようになるというのは、春が近づいた証とも言えましょう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年02月04日
昨日食べたラーメン。麺は細切りのストレート。スープはこってりしているように見えるけれど、意外やあっさり。鶏ガラと豚骨からとったダシをベースに煮干などの魚介の旨みを加えて、和風味に調えられています。ラーメンにつきものの焼き豚は、いわゆるチャーシューではなく、煮込んだ豚ばら肉がのせてある。絶品は煮卵。しっかり醤油がしみているのに黄身は半熟で、割るととろ~りと黄身があふれ出てくる。その黄身に細切りの麺をからめて、ズルズルと音を立てて一気にすすると、これがウマイ!熟卵肉そば、税込み980円。ご馳走様でした。。。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年01月20日
昨日の早朝、夜明け前に撮りました。冬至も過ぎて幾分夜が明けるのも少し早くなりましたかね。スマホには6時13分と記録されています。細く切れるような上限の三日月を撮ったつもりでしたが、つぶれた餃子のように写ってしまったのは、撮影者の手振れによるもの。(苦笑!その三日月の少し上の方向に、星が一つ輝いていますね。これは金星でしょうか。この時間帯に輝いているとなると、明けの明星ということになるのでしょうけど、これも手振れのために、餃子のたれを落としてできたシミのように見えないこともない。(笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年01月10日
妻が用意してくれたお節料理は、3日までにほとんど食べつくしてしまったし、餅もそうそう食べれるものではなし。・・・ということで、昨日お昼に食べた鍋焼きうどん。白みそ仕立てのスープがなんともいえず美味しかった。身も心も温まるもつ煮込みうどん。輪島や珠洲の被災地に届けられないものか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年01月06日
よりによって元日の夕刻に発生した能登半島沖地震は、新春を寿ぎ幸多かれと願う人々の心を震え上がらせました。被災した地方の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。・・・といっても、もしかしたら私もお見舞いされる側に入るのでしょうか。当地北陸富山は比較的地震の少ないところと言われてきました。東日本大震災や阪神淡路大震災の時でさえ、揺れは感じられなかったと記憶しています。揺れを感じるときはたいがい今回のように震源が能登半島沖ということになります。これまで3~4回経験した能登半島沖を震源とする地震ではいずれも「あ、地震だ」と数秒身構えることはあっても、今回のように机の下に潜り込むということはありませんでしたね。私どもが住む高岡市全域にも避難指示が出されたということです。私の家の向いにある小学校が避難場所ということで、グランドは避難してきた人の車で一杯になりました。その後も震源にちかい能登地方では、震度4クラスの余震が頻発しているようで、そのたびに当地でも弱い揺れを感じますが、今までのように「どうやら地震のようだ」では済ますことはとてもできません。しばらくして振動がおさまるまで目を泳がせるようにして周囲を見回すというようなことになる。不安な気持ちで押しつぶされそうです。「災害は忘れたころにやって来る」とは、こどものころよりよく聞かされて来たことばですが、これに「災害は時を選ばずやって来る」も付け加えなければなりません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年01月02日
令和6年の新しい年が明けました。黎明は「 夜明け。明け方」を指すことばですが、「新しい事柄が始まろうとすること。また、その時」の意を表すときにも使われますね。今年は文字通り後者の意味で使われる年であってもらいたいものと願っています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2024年01月01日
昨日母の一周忌の法要を営みました。お寺さんへ行ってご住職にお経をあげてもらったのですが、その御堂にこんなかわいらしい縫いぐるみが置いてありましたので、パチリ。当地北陸富山は浄土真宗の門徒が多いことで知られています。そうですね、10軒のうち7~8軒は浄土真宗を信奉していると言ってよいでしょう。また、富山県は持ち家率が全国一の県であることもご存じでしょうか。どの家にも必ず奥座敷が設けられていて、そこには必ず仏壇が置かれています。当地のローカルテレビ放送で仏壇の製造販売を手掛けるメーカーのコマーシャルに、「親が拝めば、子も拝む」というコピーが出てまいります。・・・子ばかりでなく縫いぐるみも拝むというわけですな。浄土真宗の開祖親鸞聖人の教えに篤く帰依する当地の人々の信仰心をうかがい知ることができる一葉です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年12月04日
昨日お昼に食べたラーメン。スープの色がずいぶん濃いでしょ。これが今やラーメンの分類の中で、"ブラック"というカテゴリーまで作られるようになった、当地富山発生のブラックラーメンです。なんと言っても濃い口の生醤油を使ったスープが目を引きますね。麺は中太の縮れ麺が多いようです。具材は焼豚、メンマ、ネギと、いたってシンプル。写真のラーメンには煮卵が半分のっていますが、卵や海苔などはのせないことが多いようです。ただ一点どうしても欠かせないのが、仕上げにたっぷり振りかけるブラックペッパー。しかも粗挽きと決まっているようです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年12月03日
昨日極東の大陸から盲腸のように突き出た半島の付け根に位置するかの国が、弾道ミサイルの可能性のあるロケットを発射したと報じられています。かの国は事前に「衛星ロケット」を22日午前0時~12月1日午前0時の間に打ち上げると国際社会に通達していましたが、その通達時間の1時間前に発射したというのもいかにもかの国らしいと言えばかの国らしいですね。かの国では「衛星ロケット」と言っているにもかかわらず、わが国は「弾道ミサイルの可能性のあるロケット」と表現し、Jアラートを沖縄県に発令までしています。ちなみにかの国の南に位置するかの国と同じ民族の国は、「軍事偵察衛星」と表現しています。そこには国同士の間に複雑極まりない力学が働いていると言わざるを得ないのは残念なことです。それはそれとして、 仮に1トンの物体が1万メートル上空から落ちてきたらどうなるのか。高校の時に習った物理を思い出して計算してみました。 上空1万メートルから、1トンの鉄の固まりを自然落下させたとしたら、そのエネルギーEは、 E=mgh m=1トン、g=9.8m/sec/sec(重力加速度)、h=10000メートル を代入するとE=1000kg×9.8m/sec/sec×10000メートル=98000KJ(キロジュール)これでは、よく分からないので、熱の仕事当量 1CAL=4.18Jで換算するとE=98000÷4.18=23445KCAL水1gを1℃上昇させる時に使われるエネルギーが1CALだから、0℃の水234キロあまりをたちまちのうち沸騰させることになります。これに弾頭が積み込まれていたら、この比でないのは明らかですが、そのエネルギーの算出方法を知りませんので、どうなるのか想像もつきません。そういう意味からすれば、わが国政府が「弾道ミサイルの可能性のあるロケット」が通過する軌道上にある沖縄県にJアラートを発令したのは、至極妥当であるようにも思われます。・・・しかし、もし「弾道ミサイル」であったとしたら、沖縄県民はJアラートが発令されたとしてどこへどのように避難せよというのだろう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年11月22日
突然と言ってもいいくらいにやって来たここ数日の冷え込み。今朝も寒かったですね。秋が深まったと思う間もなく、唐突に冬がやって来たという感じがします。ウエブトニュースより北日本では積雪 全国的に今季一番の冷え込みさてその冬ですが、当地北陸富山に住む者にとって、冬の到来は雪のことを除いては考えられません。例年この時期になると、「今年は降るがやろか?」「降らんといて欲しいのぉ~・・・」とか、「そろそろスノー入れんなんかのぉ~」「まだ早かろがい・・・」という会話が挨拶代わりになるほどです。「降る」とは、当然雪のことです。「スノー」とは車のスノータイヤのことです。最近はスタッドレスタイヤというようですが、当地では10人中10人がスノータイヤと呼びますね。標準語に直しますと、「今年は(雪が多く)降るのだろうか?」「(多く)降らないで欲しいね・・・」、「そろそろ冬用タイヤに交換しなければならないかなぁ~」「まだ早いでしょう・・・」です。私たちが子どものころは、それこそ積った雪と家々の屋根から降ろされた雪で、屋根の軒先より高い所を歩いた記憶があります。それがここ14~5年ほど暖冬と呼ばれる時期が続いたのと、除雪機関が発達したのとで、いかに雪国といえども雪に埋もれるということはなくなりました。ところが昨年、一昨年あたりは短期間に集中的に雪が降り続くということがありましたから、朝起きて驚かされたこともしばしばでした。「災害は忘れたころにやって来る」ことは私とてよく承知していますが、暖冬に慣れたころにやって来るドカ雪はこたえます。(笑!さて突然やって来た今年の冬ですが、「今年は降るがかのぉ~?(今年は降るのだろうか?)」当然「降らんといて欲しいのぉ~」が私たちの本音です。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年11月16日
過日、市の中心部にある公園で撮った写真になります。この樹木は、何という名前の木だったろう?すっかり葉を落として、枝だけとなっているので、名前が思い浮かびません。ついこの間まで色づいた葉をこんもりと茂らせ、行く秋を演出してくれていたのに。・・・自然はしっかりと季節の移ろいを見極め、冬支度を整えているようです・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年11月15日
過日、市の中心部にある公園で撮りました。当地北陸富山では、季節はいよいよ秋が深まったというよりは、冬が足早に忍び寄って来ているの思いを強くする今日この頃です。今朝といっても夜中の2時前になりますが、車載温度計は6℃でした。みごとに色づいた公園の散策道沿いの紅葉も、足早に過ぎて行く秋を惜しんでいるように感じられます。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年11月14日
一昨日お昼に食べた味噌ラーメンこの店のイチオシのメニュー、辛みそラーメン。炒めたたっぷりの野菜にこの店オリジナルの唐辛子味噌を乗せて食べる。味噌は辛いので少しずつ溶いて食べてくださいと、店員さんがラーメンを持ってきたときに説明してくれました。言われたとおり、少しずつ辛みそを溶いては味を確認しながらラーメンをすすると、甘口の白味噌ベースのスープは、それだけでも十分美味しいのですが、自慢の辛みそが溶けていくにつれ、辛味だけでなく違った旨味も加わって、まったく違った味のラーメンになります。ラーメンを食べていくうちに、次第に辛味が増してきて、終わり頃にはすごく辛い味になっているはずなのに、ついついスープを口に運んでしまいました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年11月06日
「月は東に日は西に」というのは、月の出と日の入りが重なる夕暮れ時を指すことばでしょうが、太陽が沈もうとしているとはいえ、まだ西の地平線に残っている時間帯になりますから、月は輪郭がかろうじて判別できる程度の白っぽいものになりますね。数日前の夕方5時過ぎに、東の山の稜線から昇ってきた月を撮りました。このとき振り返って西の空を見れば、空一面夕焼けに染まって真っ赤。東の空の穏やかな面持ちから比べると、西の空からは幻想的というよりは何か不気味ささえ感じさせるものがあります。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年11月04日
あまり好んでは行きたくない所を一つあげろと聞かれれば、私なら迷わず歯医者と答えます。実は今その歯医者から戻ったところなのです。5日前に奥歯の被せものが取れたのを放置していたのですが、今朝飲んだ熱い味噌汁が沁みたので、慌てて歯医者へ行った次第。予約なしで突然行ったものだから、1時間ほど待たされた。この待合室で待たされている間、どうしても耳に聞こえてくる、治療室の歯を削る機械の音、これほど耳障りで神経を逆撫でる音はないと思いませんか。遂にはその音を自分の耳にもっとも近いところで聞くことになるのですよ。治療用の椅子に座ると、赤ちゃんのよだれ前掛けのようなものを首に掛けられるのも、よくよく考えてみれば、自尊心をこれほど傷つけられるこんな情けない格好はないですぞ。椅子を倒され、眩しくて目を開けていられないほどのライトを当てられて、いよいよあの音が間近に大きく迫ってくるようになると、先ほどまであった大いなる自尊心はどこに行ってしまったのか、恥も外聞もなく大きく口をあけたままの顔をしかめ、身をこわばらせて、椅子の取っ手を握り締めることになるのです。一方、治療室にいるもう一人の人間は、同じ音を毎日イヤというほど聞いているので、何のこともない、淡々と己の仕事を進めるだけ、進めれば進めるだけ、こちらの取っ手を握る手に力が入るというわけ。何しろ世間広しといえども、他人の口でおまんまを食べているのは、歯医者だけですから、問答無用容赦なし。そんな修羅場を潜り抜け、今ようやく一息をついているところです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年10月30日
昨日食べたラーメン。背脂たっぷりの「背脂○○ラーメン」。「○○」は思い出そうとしているのですが、なんて言ったか思い出せません。ちなみに、メニューには基準となるラーメンが3種類ほどあって、それに煮卵や肉味噌、モヤシ炒めなどのトッピングを注文していくシステムらしい。いずれのラーメンも頭には「背脂」がついているところをみると、この店は背脂が売りの店らしい。私は昼時の一番忙しい時間帯に、この店で一番安いと思われる基準のラーメンだけを注文した厚かましい客だということに、ラーメンを食べ終わるころになってようやく気づいたのでしたが、汁だけになってからトッピングの具材を注文する気にもなれず、レジを済ませるとすごすごと店を後にしたのでした。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年10月24日
日本人ほどあいまいな物言いをする民族はいないと言われています。訪問先でそこの主人から昼時に「ごいっしょにお昼ごはんを食べていかれたらどうですか?」などと、食事を勧められたら、「いいえ、今日は。いづれまた・・・」と早々に席を立つのが当たり前のこと。すなわち日本語のあいまいさとは、訪れた客に「昼時になったので、この辺で帰ってくれないだろうか」とストレートに言わないどころか、「昼飯を用意するから食っていけ」と真逆の言い方をすることによく現れています。言われた方も言われた方で、「では、おことばに甘えて・・・」などと言おうものなら、台所でその家の奥さんがずっこけてしまうことをよく承知している。「いえ、このあと寄るところがありまして・・・」などと言葉をにごして、やおら腰を上げるのが礼儀とその辺のところはよくわきまえています。このあたりのやりとりの機微が欧米人には理解しがたいらしく、日本語はあいまいである、日本人は何を言われてもただへらへらと笑っているだけ、と言われる所以なのでしょう。では中国人はどうか?爆笑!エリート中国人 [ 小澤裕美 ]価格:799円(税込、送料無料) (2016/11/7時点)第5章「中国人との上手な付き合い方、教えます」に書いてあります。中国人に「今度遊びに来てください」は禁句であると。お土産やプレゼントにしても、「ほんの気持ちですけど」などと形式的なものでお茶をにごすのなら、初めからあげない方がよほどましだと。すなわち日本人の「私はあなたのことを気遣いしていますよ」の意味の「ほんのささやかなモノですけど・・・」は、中国では「こんな程度にしか自分のことを思っていないのか・・・」ととられてしまうそうですから、本当に注意が必要ですね。もともと「意言外にあるを尊ぶ」や「行間を読む」というのは、日本の文章表現だけに特徴あることではなく、中国でも行間から作者の真意が汲み取れるような漢詩こそ一級の詩であるといわれていて、日本も長い歴史の中でそれに倣って来たのでしたが、その文化が本家の中国より日本で昇華されたというのは、何事にもやわらかく婉曲を好む日本人だからこそ可能であったということでしょうか。何事にもやわらかく婉曲でどこが悪い。日本人に生まれてよかったと思うのです。・・・って、私としたことが、ストレートな物言いになってしまいました。(爆笑!・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年10月17日
わが郷土富山県を代表する民謡といえば、「越中おわら節」。越中で立山、加賀では白山♪駿河の富士山三国一だ~よ♪という合いの手の文句ご存じですか?故郷の立山を自慢しながらも、富士山は別格。日本一だと讃えていますね。自分は一歩下がり相手を立てる富山県人の人柄がよく出ています。歌い出しの合の手にも、それがよく表れています。歌われよ~ わしゃ囃す~♪(あなたが歌いなさいよ。私が合の手を入れますから)主役はあなた。私はそれを引き立てる役に回りましょうと言っていますね。実に奥ゆかしい。奇しくそのもおわら節に歌われている立山と白山に初冠雪が観測されたということです。ウエブトピックスより立山と白山で初冠雪 平年比で立山は4日、白山は17日早い雪化粧 ・・・道理で寒いはずですね。今年の異常暑かった夏夏は、晩夏と呼ばれる時期がなかったような気がします。真夏から一気に秋がやって来た感じがしませんか。当地北陸富山は、もう冬のやってくる足音が聞こえてきました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年10月10日
一昨日のお昼に食べたにぎり寿司。ちょっと贅沢に「特上にぎり」を注文。とは言うものの、サービスランチであら汁の味噌汁がついて、税抜き1350円。寿司ネタは、上段左よりブリトロ、マグロ中トロ、イワシ、ズワイガニ、アオリイカ。下の段へいって、ウナギ、イクラ、ノドグロ、マゴチ(?)、ボタンエビ。昼時は大変込み合うので11時過ぎに店に入ったのは大正解。私が入って間もなく次々と入店する客でたちまち満席。私の先にカウンター席についていた客が「特上にぎり」と大声で注文。そのあとに「上にぎり」って注文しにくくありませんか?・・・という次第で、私も「特上にぎり」。いつにない贅沢な昼食となったわけです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年10月09日
日本人は無類のカレー好きとか。私もその内の一人、よくよく考えてみれば、ほぼ1週間に一度はカレーを食べているようです。そこでこの1週間で直近に食べたカレーがこれ。国道沿いのインド料理専門店に入りました。ランチサービスで税込み950円。本日のお奨めランチのメニューがA・B2種類あって、迷っていると、一目インド人だと分かる浅黒い彫りの深い顔立ちの男性店員が、外国人だとは思えぬ流暢な日本語で奨めてくれたのがこのAの方のランチ。メニューには、なんとかカレー(名前は忘れました)、タンドリーチキン、野菜サラダ、ナンまたはごはん、ドリンク(アイスティー、マンゴージュース、ラッシー)付きと書いてありました。ドリンクは何になさいますかとは聞かれましたが、ナンにするかごはんにするか聞かれなかったのが不安でしたが、ナンでもごはんでもどちらも好きですから、まあいいかと思った。出てきたプレートを見て納得しました。お皿には大きなナンと少なめのごはん両方とも盛ってある。(笑!大きなナンは釜から出したばかりでアツアツ。カレーをつけなくてもそのまま食べても美味しい。大きさといいもっちりとした食感といいナンについては何(ナン)も申し分なし。ナンの上に乗っている鶏肉がタンドリーチキンか?・・・小さいぞ!(笑!何だか大きいとか、小さいとか、料理の味覚と関係がない論評をしていますね。インド料理専門店のカレーを食べていつも思うのは、香辛料が強すぎる。普段食べなれた家庭でよく作るジャガイモ、玉ネギ、ニンジンの入ったちょっととろみのあるジャパンナイズされたカレーの方が美味いような気がします。私は味覚オンチなのだろうか?そこでつい大きいとか小さいとかの論評になってしまうのです。ゴメンナサイ・・・。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年10月04日
我が故郷富山県はその名の通り山に富んだ県。お国自慢は何といっても山。北アルプス立山連邦ということになりましょう。朝な夕な、季節により様々な表情を見せてくれます。今朝はこの時期にしては珍しく朝霧が立ち込めていました。日の出の時刻が近づくにつれて、霧はさぁーっと晴れていき、北アルプスの峰々が現れ始めました。これは数日前の日の出直後。陽光に照らされた雲が魚のうろこのように見えます。同じ日の出直後でも、日によってこのような表情を見せることもあります。まるで山が削られたように見えませんか。これは1月に撮ったもの。神々しい冬の北アルプス。こういう珍しい写真が撮れることもあります。北アルプスこそ厚い雨雲におおわれて望めませんが、その代わりにダブルレインボーが撮れました。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年09月29日
先週のいつだったか、高速のサービスエリアで取った中食。野菜かき揚げ・卵そばにおにぎりを付けました。かき揚げは作り置きしてあったようで、つゆに浸かっているところは温かいのですが、上に出ている部分は冷たいままで、ちょっとがっかり。おそばはどうやら冷凍めんのようでした。これはまあ仕方がないですかね。お店の在庫管理が楽ですし、チャンスロスが解消されますから。冷凍めんといってもばかになりません。ゆでたてを急速冷凍してつくりますから、保管状態が良ければ美味しい麺になります。おにぎりはお店の手作り。しっかり握られていて食べ応えがある。具材の塩昆布もたっぷり入っていてとても美味しかった。驚いたのは値段。ずいぶん高くなったものだと。券売機でチケットを購入したのですが、千円札を投入して、そばとおにぎりのボタンを押すと、釣銭が10円玉4個しか返ってこなかった。・・・というわけで、野菜かき揚げ・卵そばにおにぎり1個で税込み960円の昼食でした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年09月26日
いったいいつまで続くのかと思う残暑。どうしても水を大目に飲んでしまうので、少々食傷気味です。そんな暑さに負けずに体力を維持するには、しっかり食事を摂ることが何よりも大切。・・・というわけで、今日のお昼に食べた冷し中華。刻みハムにキュウリ、錦糸卵と定番の具材ですが、麺といっしょにバランスよく栄養が摂れるのがいいですね。正体はスーパーの麺コーナーで売られていたパック詰めの冷し中華、380円で購入しました。たっぷりの量のスープはマイルドな酸味に仕上げてあり、別添のマヨネーズと混ぜ合わせると、最後にしっかりスープまで飲めて、グッー!よくよく考えて見れば、これが今年の夏初めて食べた冷し中華でしたね。冷し中華に限らず、ソーメンにしろざるそばにしろ、食べたい時に食べたい麺がスーパー・コンビニですぐ購入できる便利な時代になったものです。逆にいつでも食べることができると思うから、いかに暑いからといって9月に冷し中華を食べるというようなことになったのかなとも思ったりしながら、麺をすすったことでした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年09月16日
今朝の日の出は午前5時10分過ぎくらいだったでしょうか。ずいぶんと夜が明けるのが遅くなりましたね。今朝はあいにくの薄曇り。北アルプスの山並みから顔を出しているはずの太陽が、雲に遮られているのでしょう、たまたま雲の薄い部分と厚い部分の違いで、このような左右明暗に分かれた珍しい写真が撮れました。秋分の日(9月23日)が近づくにつれて、日の出はさらに南寄り(写真の右寄り)に移動します。写真中央の白く写っている用水路の延長線上にある山が、北アルプスの秀峰剣岳。私の記憶が間違っていなければ、秋分の日にはちょうど剣岳の頂上付近から太陽が顔を出すはず。23日晴れていれば、日の出を写真に撮って検証してみたいと思っています。どうか、お楽しみに♪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年09月09日
昨日のお昼は外食で。国道沿いの中華レストランに入りました。豚肉と野菜の黒酢あんかけ定食を選びました。野菜はナス、ニンジン、カボチャ、ゴボウ、サツマイモ、レンコン、あと何が入っていたろう?ナス、ニンジンはよくあるにしても、カボチャ、ゴボウ、サツマイモ、レンコンというのは珍しい。しかし、根菜類たっぷりというのは黒酢と相まっていかにも体に良さそうに思えますよね。ポピュラーな酢豚のような味付けですが、サクサクとした噛みごたえのゴボウとレンコンに加え、カボチャ、サツマイモの食感がホクホクしていて、酢豚に思えない何とも不思議な中華風甘酢あんかけです。それに加え、付け合わせのキャベツとトマトのサラダが健康願望の中年オジサンにはうれしい配慮というもの。定食としてついてくるご飯はお代わり自由ということでしたが、一杯で十分な量が盛ってありますから余すくらい。根菜を中心にたっぷりの野菜と黒酢というのが、いかにも健康的という感じがしませんか。卵スープに副菜に春巻き一切れがついて税込み850円。ご馳走様でした♪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年09月03日
朝ごはんと言えばいいのか昼ごはんと言えばいいのか、はたまたこのような和風の麺がブランチと言えるのかどうか分かりませんが、とにかく11時ごろに食べた"きしめん"。手作りのきしめんに乾燥ワカメと市販のかき揚げをトッピングしました。冷たい麺類しか口にしなかったこの夏、久しぶりに温かい麺をふぅーふぅーいいながら啜ったのでしたが、9月に入ったとはいえ最高気温が35℃を越す猛暑日が続きます。いや~、暑いのなんのって、吹き出す汗を拭いながら食べたきしめんでした。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年09月02日
きょう未明、ハッとするくらい大きな月を見ました。これはスーパームーンだな。月が大きく見えたり小さく見えたりすることを経験上知ってはいましたが、要は月の軌道は楕円軌道であるがため、地球に近づいたり離れたりしているから、遠くにあれば小さく見え、近づけば大きく見えるということなのでしょう。とりわけ今回は月が最も地球に近づいたときと満月になるタイミングが一致したので、際立って大きく見えたのでしょう。「エクストラ・スーパームーン」と呼ぶそうです。ところでこの「エクストラ・スーパームーン」という外来語、「スーパー」は飛び抜けて優れているさまを表す形容詞、「エクストラ」は他の名詞や形容詞の前に付いて、余分・外部・極上などの意を表すということですから、日本語にすれば「格別に優れて大きい月」とでも訳すのでしょうか。日本では「満月」「望月」は誰もが知る言葉ですが、その満月が大きいということを表現する言葉はありませんよね。「大月(おおつき)」が「スーパームーン」だなどとは聞いてはいませんし。奈良・平安の昔よりこれだけ月を愛でることに長けてきた我が大和民族ですが、「スーパームーン」に該当する言葉がないというのは驚きです。一方「十六夜月(いざよい)」「立待月(たちまち)」などと、月の満ち欠けについては情緒豊かな言葉がたくさんあることを思えば、満月が大きいか小さいかはそれほど我が民族の感性に響かなかったことを証明しています。月の満ち欠けにこそ趣の極みがあると考えてきたのでしょう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月31日
私らが子どものころは、お盆が過ぎれば風が変わり、一日ごとに涼しくなっていくのが感じられたものでしたが、近年の「猛暑」はどうしたことだろう。当地北陸富山では、ひと夏で最高気温が35℃以上を観測したいわゆる猛暑日の日数の最高記録を更新したとか。どうしても水分を多く摂ってしまいますので、食傷気味。そんなときには冷たい麺類に限ります。昨日食べた自家製ざるラーメン。細目の生ラーメンを少々固めにゆでます。ゆで上がったら冷水でしっかり芯まで冷します。よく水を切って器に盛ったら、刻みのりをかけて出来上がり。あとは少々濃い目の和風だしつゆにつけてズルズルッといっきにすするだけ。手っ取り早く言えば、ざるそばのラーメンバージョンですね。(笑!市販の和風ノンオイルドレッシングがあったので、だしつゆに数滴たらしてみたところ、かすかにシソの風味がして、ざるそばでもなし、冷し中華でもなし、まさしく"ざるそばのラーメンバージョン"としか表現のしようのない冷しラーメンが楽しめました♪・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月25日
旧暦のお盆が過ぎても連日の猛暑は緩む兆しを見せません。しかし、日の出の時間をみる限り、確実に夏は足早に通り過ぎつつあることが実感できます。夏至のころには朝4時には薄明るくなっていたものが、今は4時30分を過ぎても真っ暗。今朝4時35分に携帯のカメラ機能を使って撮りました。最近の携帯のカメラは性能がいいですね。夜景モードにして撮ると、肉眼では薄ぼんやりとしか見えない山の稜線も、くっきりと捉えることが出来きています。ただ、近場の水田の様子は用水路がかすかに白く写っているだけ。光量が十分足りていないことが分かります。当地北陸富山では、太陽が昇って来る東の方向には3000メートル級の北アルプス立山連峰が屏風のようにそびえる立っているので、当地の実際の日の出時間は、私の観測によれば、暦の日の出時間より約30分遅れということになります。ですから、今日の実際の日の出は5時30分ころ。4時30分では真っ暗なわけです。携帯のカメラ機能の夜景モードだけが、本日8月18日の夜明け前を知っているということになりますね。日本の近代文学を代表するといわれる大作「夜明け前」で、島崎藤村は「木曾路は すべて山の中である」と書き始めています。信州中山道の馬籠生まれの藤村は、やはりこのような夜明け前を目にしていたのでしょうか。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月21日
日本列島を襲った台風6号と7号は、沖縄、九州・四国、近畿・中国地方におおきな災害をもたらしました。当地北陸富山では、台風7号の予想進路上にあり15日深夜から16日未明にかけて厳重な注意が必要と報じられていましたが、幸いなことに台風は西寄りの進路をとったのでしょう。今朝起きてみれば雨もまったく降っていませんし、風もよそとさえ吹いておらず不気味なくらい。ただ湿った南風の影響でしょうか、朝から異常に蒸し暑い。当地では8月に入ってから雨らしい雨は降っておらず、連日最高気温が35℃以上の日が続いています。台風の雲がもたらす雨に期待していたところもあったのですが、当てが外れましたね。まあ、大雨による河川の氾濫や土砂崩れで、甚大な被害を受けられた地方のことを思えば、台風におしめりを期待するなどはばからねばなりませんね。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月16日
連日暑い日が続きます。皆さんはどのような暑さ対策をなさっていますか?私はといえば、ありきたりといえばありきたり、ヤケクソといえばヤケクソともいえるかもしれません。暑いときには熱いものをと思って、食べたラーメン。とんこつ醤油ラーメン。税込み950円。豚ばら肉の叉焼が1枚というのはさみしいですが、炒めたたっぷりのモヤシと刻みネギがどっさりというのはうれしいですね。薬味には白ネギが一般的な当地では、青ネギというのは珍しい。モヤシ炒めと青ネギ、それにこってりと舌にまとわりつく熱々の豚骨スープ。汗を拭き拭きふうふういって麺をすする。いかにも夏バテ防止に効きそうな気がしてきます。・・・夏の暑さなんかに負けないぞと。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・「酒とそばと」幻冬舎から好評発売中この度幻冬舎さんのご協力を得て、拙著『「酒」と「そば」と』を出版しました。このブログの酒とそばについて書いたものを加筆修正したものです。肩肘張らずに気軽にお読みいただけるエッセイ集です。まず「はじめに」から、書店での立ち読み気分をお味わいください。はじめに小粋な蕎麦屋に入って、いきなり「天婦羅そばを一つ」なんて注文するのは、いただけませんな。まあ、うどん屋に入ったわけじゃないのだから、蕎麦屋に入ってそばを注文して何が悪いということになるのでしょうけれど。しかし、もしあなたが「そば通」と呼ばれたいのなら、そして真の「酒飲み」と呼ばれたいのなら、カウンターに座ってまずは厨房からこちらの様子を眼光鋭くうかがういかにも頑固そうな店主の視線を浴びながらも、店の雰囲気をしばし味わうようなそぶりを見せてから、おもむろにこのように言ってみたいもの。「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」そんな古き良き時代の蕎麦屋の流儀なるものについて書かれた本を、書店で目にしたことがありました。私がまだ高校に上がったばかりのころだったでしょうか。ほぉ~、蕎麦屋とは、まず酒を飲むところだというのか。俺もやがて蕎麦屋へ入ることがあったら、そんなセリフを吐いてみたいものだと思ったものでした。・・・あれから五十年、何の因果か製麺業を営むことになった私は、その蕎麦屋へそばを納めに行っては、「毎度ありがとうございます。今日から新そばで打ってあります」などと言うことはあっても、「酒を一本つけてください。熱燗がいいでしょう」などと言ったためしが久しくなかったことに今さらながら気づき、失望に打ちひしがれています。日々仕事に追われながらも、いつかきっとそんな至高の悦楽を味わうことができる日の来ることを夢見て、「酒」と「そば」のうんちくを秘かに温めていると、驚いたことにこれはこれで楽しいではありませんか。そのささやかな楽しみの一端を披露して、世の酒好き、そば好きといわれる皆さんと喜びを分かち合うことができれば幸せと、ペンを執った次第です。「酒」と「そば」、二編に分けてご紹介していきましょう。まずは「酒」編より、人は何故酒を飲むのでしょうか?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・第一部「酒」編「過ぎたるは及ばざるがごとし」古来より「酒は百薬の長」といいます。実にいい響きを持ったことばですな。私は常々この心地良い響きを妻に言って聞かせるのですが、妻は私にこう言うではありませんか。「あら、そういうものですか。では『過ぎたるはなお及ばざるがごとし』って、どのように響きになって?」と。このほど世界保健機関(WHO)が発表したところによると、2016年に世界で死亡した人のうち約三百万人が、飲酒関連が原因と考えられるということです。「酒は百薬の長」とも語り継がれているのに、これほど多くの人が、飲酒が原因で命を落としているということは、これはやはり飲み過ぎたから、ということになるのでしょうか。大雑把な計算になりますが、世界の人口を約七十億として、アルコールを摂取する人の数を約半数と考えれば、35億。3,000,000 ÷ 3,500,000,000 = 0.086% という計算になりますから、なんだ、酒飲みの千人のうちの一人以下じゃないかと胸を撫で下ろした愛飲家の方、多いのではないでしょうか?しかしながら、どうしても気になるのは、どれだけ飲めば「過ぎたる組」になるのかということ。WHOの定義によれば、大量機会飲酒とは純アルコール換算で60グラム以上の飲酒機会を30日に一回以上持つことと書いてあります。そこで早速調べてみました。エチルアルコールの密度は、0.789g/ml ですから、 60 ÷ 0.789 = 76 ml、ビールのアルコール度数は、概ね5%と考えれば、 76 ÷ 5% = 1,520mlビール大瓶(633ml)二本半という計算になります。同様に清酒のアルコール度数を15%として計算すると、2.8合。すなわちビールなら三本、清酒なら三合をひと月に一回でも飲む機会があれば、WHOは大量機会飲酒と定めているということになります。確かにわが国はWHOに加盟しているかもしれないが、私個人はWHOになど加盟していないと主張する人もいるでしょう。見上げた心意気と拍手喝采を送りたいところではありますが、清酒三合以上を飲んだ翌朝のことを常々経験している者からすれば、やはりそうであったかとうなだれるしかありませんね。あなたはうなだれる口ですか、それとも清酒三合ぐらいではうなだれませんと豪語する口ですか? う~む、古来より語り継がれてきたことわざ「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」とは、なるほど深い含蓄のあることばだと認めざるを得ません。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・飲ん兵衛な製麺会社社長が綴る、クスっと笑える蘊蓄(うんちく)が満載。酒の文化や歴史、あらゆる種類の「○○そば」の由来、偉人の逸話に至るまで。世の酒好きとそば好きに贈ります。日本人たるもの、これを知らなきゃはじまらない。ぜひご一読いただければ幸いに存じます。◆酒そば本舗トップページへ◆**貴方の共感できる生き方がきっとある**にほんブログ村FC2ブログランキング人気ブログランキングPINGOO! ノンジャンル
2023年08月09日
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