★人生はホラー映画★ただいま労災で休職中★投稿すると抹殺人生★人生は運が全て★

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2013.05.25
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 こんにちは。
 三閣僚が「幼児教育無償化合意」らしいけど、第三子以降が無償で、
 第二子が半額で、第一子はゼロらしい。下層の一人っ子はやっぱりアホが決定?
 だいたい、親がのん気だと子ものん気だからね。奇跡でも起きないとカシコには
 ならない可能性が大。
 四人キョウダイでも中高大ってお嬢様学校の人がいたけど。

 キョウダイがいても金もちは金もち。一人っ子でも貧乏は貧乏なんですが(笑)

 だいたい第一子って、親に遠慮するから、やりたいとか買ってとか絶対に言わないのです。
 (兄弟っていうの、男女混合の場合の漢字も考えて欲しい)
 親の財布の中身まで計算をするのが、第一子。


「パピヨンパピヨン7


   (六)
 二日目の朝は営業所には出勤せずに、熊川は直行で成田杏子のマンションに向かった。今日は私服ではなく、濃紺のスーツにした。これは会社から支給されたもう一つの制服だった。
 警察のものに似た制服でストーカーを権勢したいところだが、どこに出かけるかわからない気紛な成田杏子の警護に、制服は適切ではない。
 ちまたで流行の、サラリーマン風の空き巣に疑われないかと心配にはなった。
 首を数回振って昨日の悪夢を振り払った。成田京子の変身と夢、その両方だ。女にとりつかれていると思った。それとも母親を含む、女たちにいい印象を持てないでいるせいだろうか。
 クルマは持っていないので、社用車を借りたままだ。彼のアパートには駐車スペースがないし、クルマは保険や車検など経費がかかりすぎるので持たないことにしている。
 収入も家族が養えるほどないので、当分は独身貴族でいるつもりだ。だが本当は女にいつもすぐに逃げられている。
 プロとして約束の時間に遅れることはできない。契約ではガード時間は九時から十八時までだ。九時前には成田杏子の自宅前に立たなければならなかった。
 渋滞に巻き込まれたので予定よりも十分ほど遅れた。急いでクルマを止め、エントランスに飛び込んだ。邪魔になるところへ止めたのか管理人が飛び出してきた。
 遅刻しそうになっているので無視してエレベーターに乗り込む。迷わないように暗記していた記憶の地図に従って、成田杏子の自宅へたどりついた。
 念のために何度もふりかえって、不審者がいないかどうか確かめる。
 ホーンが三回鳴り響いた。
 杏子が現われるのを待機して待つ。しかし物音ひとつしなかった。主人がいないかのように教室は沈黙している。
 またホーンを鳴らした。今度は出てくるだろう。確かに九時に約束をしたはずだった。
 それから五分おきに呼び出しホンを鳴らしたが、まったく反応がなかった。まさかストーカーに殺されてしまったのか?
 ノブを回してみたがカギはかかっていた。
 いやな予感がした。念のために中へ入ってみたかった。元来た道程をダッシュして引き返していった。
わけがわからず抵抗する管理人を引きずっ て戻ってきた。ストーカーがどうのと説明していると、取り返しがつかなくなるかもしれない。
「なんなんですか、あなたは? 成田さんとはどういう関係?」
「ただの知り合いです。彼女が病気かもしれない。心配なので開けてください」
「知り合い? あの人にこんなに親身になってくれる人がいたなんてね」
「急いで、早くしてください」
 熊川は保管してある予備のカギを握って、おろおろしている。待つことができずに、熊川が強引にカギを鍵穴にさしこんで開錠した。
 ノブがゆるむと同時に引き開け、飛び込んだ。飛び込んだ瞬間に主人の許可を得ていないことに気づいて、念のために呼んでみた。
「成田さん。成田さーん。いますか?」
 薄暗い室内は時計のクオーツが振動する音だけが不気味にこだましている。
「成田さーん? 入りますよ。いいですか?」
 まるでどこかのお笑い番組のような気がして、思わず笑いがこぼれた。
反応がないのを確かめて、クツを脱いで大理石ばりの廊下にあがった。ストーカーがいたりしてはいけないので、一歩一歩と慎重に進んでゆく。
 考えすぎだとも思った。しかしプロとしてはあらゆる可能性を考えて行動するように、上司からたたき込まれている。若いから未熟でしたでは済まされない。失業しないためにも、ここは慎重にやる。
「成田さーん」
 リヴィングまで入ってみたが電気もつけず、カーテンもひいたままで朝の生活のにおいがしなかった。
 彼女の寝室はどこだったかと見当をつけ、かたく閉じているドアをたたいた。
「成田さーん。いますか? あけますよ」
 ノブを動くほうに動かして、隙間に飛び込んだ。間接照明だけが仕事をしていて、薄暗い。目が慣れるまで、網膜に届いている映像を脳が理解できないでいた。
「あ」
 絶句とい言葉はこういう時のためにあるのだろう。なんと成田杏子はまだ(寝ていた)
「なに? うるさい?」
「成田さん、おはようございます」
 熊川は踵をつけて、敬礼した。
「たしか九時にいきますといいましたね」
「いったっけ? でもあたし急いでない。大丈夫だから外で待ってて、着替えるわ」
 それから変身した女の身仕度は五十分もかかった。顔を洗ってから、プロ仕様のメイクを完璧にして眉を描きあげるのはシロウトだった女には骨が折れるだろう。
 女としての身仕度には慣れていないと推理できた。
 廊下に立ったまま待たされて、熊川の足はむくんできた。しばらく守衛のような業務ばかりで、立ったままの仕事はやっていなかったせいでかなりこたえた。
 会社の割引で通っているジムで、足を重点的に鍛えようと決めた。
 念入りに時間をかけて(女)になった成田杏子は、熊川のクルマでモーニングをとるために近くのレストランに乗りつけた。デパートで買い付けたダイヤモンドのリングと、一粒のペンダントが輝いている。
 リングは左手の薬指にあった。〇・七カラットぐらいはありそうだ。恋人に付き合ってジュエリーショップに出入りしているうちに、かなり目利きになった。まるで婚約指輪だ。
「婚約されたんですか?」
「いいでしょ。そう見える?」「はぁ」
「もらう前に買っちゃった。いいよね別に」
「高いんでしょうね。本当に婚約するときは何を買ってもらうんですか?」
「さぁ、あたしこれで満足よ。幸せ」
 そういうと恍惚とした笑顔を浮かべ、リングを眺めた。よほどうれしいらしい。女はいつもこんな顔をする。家賃を踏み倒してまで買った三万五千円のリングをなめるように見ていた。別れたときも返ってこなかった。
 ティファニーの店頭でゴールドのリングをシルバーにさせるために、えんえんと一時間説得した。
 席につくと成田杏子はさっさとオーダーを決めると、正面に座っても潜望鏡のように首を振る熊川をみた。もちろん監視のためだ。
「ねぇ、あなたもいる?」
「もうすませました」
 熊川は一緒に出てきた杏子をみて、目を白黒させていた管理人の顔を何度も思い出しては、吹き出しそうになるのを必死でこらえていた。
「ストーカーがビデオに映っていたか聞かないんですか?」
「きくわ。どうだったの?」
「何度もうちの上司とチェックしましたが、ずっとつけているような不審な男はいませんでした」
「そう、なんだ。でもきっと今日はみつかるんじゃない。プロにたのんだんだから大丈夫よね」
 フフとアイラインがきれいに引かれた目が笑った。形のいい唇が大きく伸びた。
 バターをたっぷりとつけたトーストの薫りが、鼻孔をくすぐって気分がいい。
 こころなしか目の前にいる女が、ミスユニバースのように見えた。





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最終更新日  2013.06.08 13:18:32
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