エデンの南

エデンの南

December 19, 2004
XML
カテゴリ: 読書
これもサルトルの『聖ジュネ』に対するバタイユ評です。
『聖ジュネ』は読もうと思って、ず~~っと前に購入したんだけど・・・長いんで、後回しにしたまま、ずっと後回しになってます。(汗)
んで、これは、バタイユったら、皮肉たっぷりにサルトルをコケにしていて笑えます。
例えばこの辺。

<<知的制覇を確信しているサルトルは、この『聖ジュネ』を発表することによって、ついに彼の本心をさらけ出してみせるような作品を書いたことになる。それというのも、彼の諸欠点が、これほど顕著にあらわれたことはいままでになかったからである。>>

<<わたしは、このいつ果てるともしれない論文を、当世のもっとも豊饒な作品のひとつと見るだけでなく、さらに、サルトルの最高傑作とも見なしたい。それというのも、彼はこれくらいはめをはずした作品を書いたことはなかったし、また、これほどひどく思想の日常の徹 ensablement からはみ出した作品を書いたこともなかったからである。>>

とまあ、随所に出てくる皮肉がなかなかおもろいっす。 『聖ジュネ』も読まなきゃね。
私サルトルの小説好きなんですが、政治活動に取り組んでからのサルトルはよくわからんっつー所があります。カミュとの闘争もありましたし・・・
サルトルは、セリーヌにも痛烈にコケにされてますね。

私、以前 こちら に、ジュネの読者を突き放す書き方について書きましたが、バタイユは<<霊的交通>>という言葉を使い、繰り返しこれについて書いています。
そして「文学とは霊的交通 communication である」とさえ言いきってしまいます。

<<サルトルは、かなり独善的に、祝聖式的もしくは詩的な霊的交通の一形態を語って、そこでは、列席者もしくは読者が「事物にかえられてゆくのを感ずる」と言っている。>>

とバタイユは書いているのですが、この「読者の事物化」とは、作者に否定される事によって感じると言う事なのでしょうか? 私はジュネを読んだ時に、そういう感覚には陥りませんでした。それはサルトルよりは客観的に読んだという事なのかもしれないのですが。
まあ、そもそも物語に入り込まなければ、読書の楽しみが損なわれる、半減する、という事もそれほどないと思います。
是非 こちら を読んでみて頂きたいのですが、自分にとっては、そういうジュネの書き方は、斬新でおもしろいとさえ思いました。ジュネ作品のいい所だとさえ思えます。
ところがバタイユは、この <<霊的交通>> に執拗にこだわっているようで、<<成功の衣装に飾られてはいるものの、やはりひとつの失敗でしかなかった>> だとか、<<ジュネの作品とは、猜疑心のつよいひとりの男の喧噪でしかない>> 等と書いているのには、賛成しかねます。

<<文学のたわむれが霊的交通を前提とするものであるからには、このとらえることのできない霊的交通は、なんとしても不快の感情をのこすのであり、もの足りない思いにさそわれるままに、当然わたしたちは、真正の霊的交通にほかならない電光の意識の方へと、さしむけられるのである。>>

<<霊的交通を拒否したために、ジュネは、志高の瞬間にまでは到達しえないことになる--ものその瞬間にまで到達することができたなら、いくら彼でも、孤立した存在--もしくは、サルトルのいうように短く「存在」 etre --への彼の執着に、すべてを還元しようとすることはやめただろうに。>>

う~~ん・・・ちと私にはわからないっす。

バタイユの『文学と悪』について、5回連続書いてきました。
是非是非エミリ・ブロンテから順番に読んでみてくださいませ。コメントもいただけるとうれしいな~。
エミリ・ブロンテ
ボードレール、ミシュレ、ウィリアム・ブレイク
サド
プルースト、カフカ

ところで、この前白いポインセチアを頂きました。ほんとに素敵で惚れ惚れしながら眺めています。画像ではこの素晴らしさがイマイチ表現できてないのが残念ではありますが・・・

白いポインセチア



ヘヴンズさん*∵☆** クリスマス特集 *★*‥*

ヘヴンズさんChristmasPresentランキング

激安!! 爆発!! 福袋セール 12月13日20時00分~12月19日23時55分

宝1クリスマスセール 12月07日0時~12月19日23:55まで

最高の着心地♪
『送料無料・SALE』くずまゆシルクの紬厚地パジャマ・レディス
『送料無料・SALE』くずまゆシルクの紬厚地パジャマ・レディス

これ、まぢすげー。全然寒くないっす。1日快適ですぜ♪ こんなインナーあるんだ~と思ったですよ! 自分としては、ちと高い買い物だったんだけど、えがったよ。(涙)
ゲルマニウムシルク 七分袖シャツ
ゲルマニウムシルク 七分袖シャツ

おおっ!! メンズTバックの登場~~~!!
女性から男性へのクリスマスプレゼントにもいいね!
コレールカラーのメンズTバック
コレールカラーのメンズTバック

参加してます~クリックよろしく!→ 人気blogランキングへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  December 19, 2004 06:50:39 PM
コメント(3) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

SEAL OF CAIN

SEAL OF CAIN

Calendar

Freepage List

読書のページ


小栗虫太郎


夢野久作


江戸川乱歩


ジョイス


ダンテ


バルザック


ルイ=フェルディナン・セリーヌ


ギリシャ神話


養老孟司、竹内久美子


夏目漱石


ジュネ


中井英夫 (塔晶夫)


バタイユ


☆小・中・高校生へのお薦め本☆


ポー


今年読んだ本


ブロンテ姉妹


ミシュレ


澁澤龍彦


ウィリアム・ブレイク


ブコウスキー


ミルトン


ヘルマン・ヘッセ


コリン・ウィルソン


ドストエフスキー 関連本も


ヘンリー・ミラー


トーマス・マン


川端康成


ミラン・クンデラ


その他


フランツ・カフカ


オスカー・ワイルド


寺山修司


プーシキン


スティーヴン・キング


ロジェ・マルタン・デュ・ガール


三島由紀夫


加賀乙彦


田中一村伝


美輪明宏


モーパッサン


マルキ・ド・サド


生田耕作


マンディアルグ


阿川佐和子


アポリネール


ヘミングウェイ


ルイ・アラゴン


ラシーヌ


佐賀のがばいばあちゃん


カポーティ


藤田嗣治関連


阿部定事件


マーガレット・ミッチェル


コンスタン


トルストイ


吸血鬼関連


三国志


きもの


梁石日


井原西鶴


東電OL殺人事件関連


安倍公房


アンドレ・ブルトン


淀川長治


<映画の見方> がわかる本


グリンプス


フリッカー、あるいは映画の魔


河合隼雄


野球関係


立花隆


ポール・ギャリコ


中島義道


坂口安吾


業田良家


源氏物語


今日も映画日和、本と映画と70年を語ろう


トーキングヘッズ叢書


マルセル・プルースト


清水正


ガストン・ルルー


バルベー・ドールヴィイ


谷崎潤一郎


アルベール・カミュ


四王天延孝


泉鏡花


写本・グノーシス神話・ゾロアスター教


ジョージ・オーウェル


アイン・ランド


映画のページ


タランティーノ/キル・ビル関連


江戸川乱歩映画祭


恐怖・ホラー・サイコ系


吉本直聞


ベルトルッチ「ドリーマーズ」と1968年考


パゾリーニ


カール・ドライヤー


カサヴェテス


ウィリアム・ワイラー


ジャン=ピエール・ジュネ


ロジャー・コーマン


塚本晋也


ジャン・コクトー


ジャン・ルノワール


その他


キューブリック


ゴダール


クローネンバーグ


ケン・ラッセル


黒澤明


ヒッチコック


ロジェ・ヴァディム


エリア・カザン


フェリーニ


溝口健二


ヴィットリオ・デ・シーカ


ヴィスコンティ


男はつらいよ


ウディ・アレン


ヤン・シュヴァンクマイエル


ATG


大島渚


特別企画★日本映画監督協会70年の70本+1


トリュフォー


黒木和雄


吉田喜重


佐々木昭一郎


タルコフスキー


北野武


ジム・ジャームッシュ


勅使河原宏


悪名シリーズ


ベルイマン


市川崑


エド・ウッド関連


ロッセリーニ


マーティン・スコセッシ


フランク・キャプラ


ジャック・タチ


リドリー・スコット


特撮


アンリ=ジョルジュ・クルーゾー


新藤兼人


フリッツ・ラング


ロメール


ドラゴンボール


エヴァンゲリオン


ブルース・リー


Rozen Maiden ローゼンメイデン


マクロス


1997年スペイン旅行記


日本に対する嫌悪とスペインへの思い


マラガ到着


退屈な寮生活


セビリヤの旅


快適だったホームステイ


モロッコの旅


初めての一人旅 ~コルドバへ~


忘れられないグラナダ


忘れられないグラナダ (つづき)


グラナダに別れを告げ、バルセロナへ。


プラハ→ウィーン→ブダペスト旅行日記


旅前


旅中


旅後/関連話


棒いろいろ



映画


グルメ


ラーメン日記


ベルギー・オランダ旅行日記


Archives

November , 2024
October , 2024
September , 2024
August , 2024
July , 2024
June , 2024
May , 2024
April , 2024
March , 2024
February , 2024

Favorite Blog

米政府がウクライナ… New! Condor3333さん

騙す、騙される まろ0301さん

ミュージカル「GROUN… アラネアさん

【重要なお知らせ】I… 楽天ブログスタッフさん

ユダヤが解ると真実… ごろにゃん2706さん

Comments

SEAL OF CAIN @ Re[1]:あけましておめでとうございます。(02/04) アラネアさんへ あけましておめでとうござ…
アラネア @ Re:あけましておめでとうございます。(02/04) えっと~、あけましておめでとうございま…
aki@ Re:#私を構成する42枚(06/28) この様な書込大変失礼致します。日本も当…
SEAL OF CAIN @ Re[1]:スマホケース(05/06) アラネアさんへ ビックリですよね! 好き…
アラネア @ Re:スマホケース(05/06) スマホケース、こんなにたくさんあるなん…

© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: