萬華鏡-まんげきょう-

六人僧(ろくにんそう)

六人僧 ろくにんそう



※和泉流のみ

【登場人物】
参詣人(シテ) / 参詣人(アド) / 参詣人(アド)
妻(アド)  / 妻(アド) / 妻(アド)


【あらすじ】
ある男が仲間の二人と連れ立って諸国参詣の旅に出ようとする。
ここで 誓いを立てる

道中、決して腹を立てぬこと

こうして旅に出かけた三人は辻堂に着き休憩を取る。
シテの男(参詣人)はぐっすりと眠ってしまうが、他の二人は寝付くことができない。
シテの男をゆすっても全く起きる気配がない。
そこで・・・

参詣人A「ちょっと悪戯しちゃう?」
参詣人B「おお、そりゃ名案。鼻の穴にコヨリでも刺してみるぅ?」(笑)
参詣人A「そんなんじゃ、なまぬるいよ、ここはひとつ・・・」
参詣人B「ふむふむ・・・」
参詣人A 「頭を剃髪して出家させちゃおうぜ」
参詣人B「えーっ( ̄▽ ̄:) そりゃさすがにまずいでしょ」
参詣人A「大丈夫だよ、やろうやろう」
参詣人B「そ・・・そう?( ̄▽ ̄:) やっちゃう?」

※↑これはあくまで私のイメージです。こんな台詞ありませんのでご許されませ(爆)

まんまと坊主にした二人。狸寝入りをしてシテの男が目を覚ますのを待つ。

参詣人(シテ)「さ、よく寝た。行こか!」と参詣人AとBを揺り起こす。

そしてわざと参詣人AとBは坊主頭となったシテに驚いてみせる。
何が起こったのか事態が飲み込めない坊主となった男。

頭を触ってみると

||||||||||||||(* ̄ロ ̄)がびょーん||||||||||||||||つるっぱげ
※重ね重ねお断りしますが、狂言でこのような表現はありません・・あくまでイメージね、イメージ(笑)

腹を立てぬと誓ったがゆえ、犯人がAとBだとわかっていても怒ることもできず、仏参する二人と別れ一人坊主頭となった男はふるさとに戻る。

参詣人(シテ)「ようし・・ここはヤツらに復讐じゃヽ(`Д´)ノ」

AとBの参詣人の家を訪問し、妻と面会。
ここは折りよく両人の妻がそこにいた。

参詣人(シテ)「落ちついて聞け、二人の夫は高野山に行く途中の紀の川で溺れ死んじゃったのよ・・ここは一つ尼となって夫の菩提を弔ったほうが良いであろう」

まんまと信じ込み丸め込まれた妻たちは、髪をおろし、尼の姿となってしまう。

参詣人(シテ)の復讐はここだけでは終わらない。
高野山から戻る参詣人AとBに出会ったシテは今度は故郷で起こった事件を語る。

参詣人(シテ)「お前たちが仏参ではなく、実は馴染みの女と上方に行ったという讒言を妻たちが聞き、蛇身となって夫に復讐しようと刺し違えて死んでしまったらしい。」

参詣人A、B「え?またぁー!嘘ばっかり。さっきの仕返しだったらその手は食わぬわっ」

参詣人(シテ)「本当だよ、さすれば、これを見よ。」と妻たちの髪(遺髪と騙して)渡すと、それは確かに我が妻のものであると確信し、二人は泣き始める。

参詣人(シテ)「してやったりじゃ( ̄∀ ̄*)ニヤり」

妻を失った男二人は仏門に入る決心を固め、剃髪をしてもらうことになる。
妻たちの遺髪(?)を墓前に納めようと三人が故郷へ帰ると死んだはずの妻たちが法事に赴くところだった。

四人は生きての再会を喜ぶものの、騙されたことに立腹する。
そこに男(シテ)の妻が現われるが、既に尼の姿となっている。

ここは怒りをそれぞれ納め、後世を願おうと旅立つこととなる。

※参考 ござる乃座35th パンフレットより

【ぷち覚書】
発心物。
江戸中期から台本を確認できる作品で、落語「百人坊主(大山 詣り まいり )」の原作となったそうです。
落語の オチ が「お毛がなくなっておめでたい」とあるのに対して、狂言では 強戯言 こわざれごと (度の過ぎた悪戯)を仏門に入る 機縁 きえん とする宗教的テーマを持ちます。
タイトルの<六人僧>には 六道を 輪廻 りんね する僧の意味が暗示され終曲部では登場人物たちが、紅に輝いて西方に暮れる夕日を拝み極楽浄土を心に思い描く・・・。
これを 日想観 にっそうかん といい、念仏の謡で留められます。



☆管理人の鑑賞記録

平成18年3月22日(水) 於・国立能楽堂
【番組表】
参詣人(シテ) 野村萬斎 / 参詣人(アド)石田幸雄 / 参詣人(アド)深田博治
妻(アド) 高野和憲 / 妻(アド) 竹山悠樹 / 妻(アド) 月崎晴夫
後見 野村良乍 / 時田光洋


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