青藍(せいらん)な日々

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第100話 メインテナンス


テナンスが大事かわかります。それも稀では無く、欧米ではそういうヨットがざらにある。
日本では20年以上たつとみすぼらしくなったヨットがざらにある。日本では中古艇の価格
が非常に安いのですが、このみすぼらしい姿を見ると、仕方ないなと思えます。もし、殆ど
のヨットが30年経っても非常にきれいなら、価格はグンと上がるでしょう。あのみすぼらしい
姿を見ると、これからあと何年持つだろうか?と不安に思えてくるのは当然ですね。

新艇が進水して、それから数年はほっといてもきれいですね、ある程度は。それで、その間
には何もしない。すこしづつきたなくなる。でも、動いてるうちは何もしない。壊れた物だけ
を修理する。それで、20年も経つと、気がつけばいろんな所が汚く、壊れたりしてくる。
これを一挙にやりかえるならば費用も相当かかる。それでそのまま放置されてくる。これが
現状でしょう。新艇が進水してから、メインテナンスは始まる。壊れてなくても、掃除したり、
グリスアップや、塩などをおとしてやったり、錆びが来ないようにしたり、細かいメインテナ
ンスをしていく。そうすれば、いつまでもきれいなのです。

メインテナンスというとエンジンだけのように思う方もおられますが、エンジンはもちろん、
あらゆる機器類、ウィンチやロープ、ステイ、バルブ、等々、さらに船体も、シートの下も、時々
掃除するだけで、全体が非常にきれいに保てる。20年を古いと思うからでしょうか、50年
をスパンで見るなら、まだ違うかもしれません。動く物は常に動かし、掃除して、磨いて、きれい
にしておく。そうすると、船齢だけで価格が左右されるような理不尽な事は無くなるかもしれま
せん。ところが、シートの下はごみだらけ、金属は錆び、クッションカバーは汚く、木部は傷だらけ
で何もやっていない。これでは乗る気にもならない。見ただけで、これ大丈夫?と思えます。

ヨットは寿命が長いだけに、使い捨てでは無い。新艇時から、少なくとも1年に1回は全体をみて
内外をきれいにクリーニングして、機器類を整備していくことをお奨めします。40年も50年も同じ
艇に乗る事は無いにしても、みんながそうすれば、次に自分のところに来るヨットもきれい、気持ち
も良いし、安全でもある。購入時にはいろんな検討をして購入しますが、その後も気を使ってあげ
たいものです。ソファーの下など見た事無い、開ければごみと使わなくなった物がぎっしりつまり、
みるのも嫌。そうはならないようにして下さい。

ところが、皆さん忙しい。それでなかなかヨットに来れない。来た時はメンテより乗る方が優先しま
す。そして、次にいつ来るか解らない。ならば、業者にまかせる事です。予算はこのメンテも含んで
いなければなりません。自分でするか業者にやらせるか。これをきちんとしておかなければなりま
せん。業者にやってもらうなら、それはそれで良い。でも、予算が?という方は自分でする事です。

アメリカで聞いた話ですが、一般的に、このサイズ以上なら業者がメインテナンスをするというような
暗黙の概念があるようです。大きなサイズの場合、オーナーが自分でするには大変過ぎる。それば
かりやっていては乗る暇も無くなる。そうすると、業者に任せる。それ以下なら、オーナーが自分で
できる。そういうサイズというものが何となくあるようです。このどちらかを購入時にもきちんと考えて
購入する。ですから皆きれいなのです。30年も経ったヨットが、ため息がでる程きれい、なんてのは
一杯ある。ですから、船齢を聞かないと何年経ってるのか想像もつかない。せっかく買ったヨット、い
つも気持ち良く乗りたいじゃないですか。きれいなのが嫌いな人は居ないと思いますよ。なるべく
お金を使いたく無いから、自分でする、あるいは自分がメンテも楽しみたいから自分でする。でも、
お金がもったいないから不具合が出るまで何もしない。これが現状のようです。ヨットは使い捨てで
はありません。高いお金を出して買ったにしては、どうして大事にしないのか、不思議です。まあ、
今の日本ではいくらきれいでも古ければ高くは売れません。ここから変えていかなければなりませ
んね。きれいであればある程高く評価される。そうならなければなりません。どうして、車と同じになっ
てしまったのか。これは徐々に意識を変えていく必要がありますね。

最近の傾向として、クルーの問題もありますが、メインテナンスの煩わしさから逃れる為に、また、
もう遠くへは行かないから、でも現役でヨットを楽しみたい。そういう方々がシングルハンドを目指す方
も多いようです。そうすると、いつでも気軽に乗れる。欧米ではそういう方々も多くなったと聞きます。
これはいかにメインテナンスが日常的であるかを物語っています。ヨットはメンテとワンセット。小型で
シンプルなら自分でするのも楽、大型はそうは行かない。



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