Shionの部屋

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2008/01/13

■薄氷のガラス越しに見た世界（画像付）■

(12)

テーマ：スローライフ(924)

カテゴリ： ● 季節・四季・自然・植物

このところ、ぐっと寒くなってきましたからね。

散歩に行くたびに「今日は氷、張ってるかな？」と人工池まで走っていってチェックしていたサエは、広く張り詰めた氷に、大喜び。

さっそく採集（？）にかかりますが・・

薄い氷は引き揚げようとするとパリンと割れてしまい、なかなか大きな状態で地面に引っ張り上げることができません。

0712氷2.jpg

それでもできるだけ広い面積で、大きい氷を・・と何度も慎重にトライしたサエの努力が実って、
いくつかの氷を引きあげることに成功しました。

私はサエからそのうちの１枚をもらうと、薄氷をガラスに見立て、氷越しの景色を覗きます。

0712氷3.jpg

この、氷のガラス越しに見える景色が、私は大好き。

子供の頃、サエのように池やバケツから氷を引きあげたときは、かならずそれを目の前にかざして、氷越しに世界を眺めたものです。

ガラスのようにはいかず、輪郭が歪み色が霞んであいまいになる、薄氷越しの風景。

何がどう魅力的なのか、言葉でうまく説明することはできないのですが、吸い寄せられたように、いつまでも飽かず見つめてしまいます。

さて、サエは、思う存分大きな氷を引っ張りあげると、今度はそれを地面に投げつけて破壊します。

0712氷4.jpg

この破壊された氷は、割れたガラスにとてもよく似ています。

サエは「ガラスを思いっきり割ったらきっとこんな感じだよね。ガラスを割ったら怒られちゃうけど、氷なら怒られないから好きなだけ割れるよ。」と大喜び。
１枚１枚、大切に慎重に引きあげた氷を、大胆に割り尽くします。

「母さんもやれば？これ、１枚あげるよ。」
「母さんはいいや。サエが全部割りなよ。」
「どうして？割ると気分がスカッとするよー。」
「うん、知ってる。母さんも子供の頃、やったから。子供の頃に飽きるまで割りつくしたからもう、いいの。」

子供時代は自然や自然現象と向かい合い、飽きるまで試し、その手触りを心にきざむとき。
一見、時間の無駄に見える試みの１つ１つが、世界と自分とを繋ぐ貴重な糸の１本１本になるのでしょう。
私はサエに、たくさん外に出、出会った世界を試す経験を積み重ね、この糸をいっぱい、心の中に獲得して欲しい。

自然とじっくり向かい合って見えてくるものは、「わたし」という名の自然。
それから、「自然」が「あなた」という名の「わたし」であるという素朴な真実。

自然という命が他者ではなく、自分自身の命と同義であると感じる心が育ちますように・・と祈りつつ、都市にわずかに残された自然をたどる、朝の散歩道です。

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