日々おだやかに、心豊かに

日々おだやかに、心豊かに

2023.07.14
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カテゴリ: 食を考える



先日、「高級乾パスタ特集」で見かけたパスタを好奇心で買ってみました。
根が食いしん坊なので「美味しい」と聞くと
つい試したくなってしまうサガが悲しい(笑)。

試したのは
イタリアのマンチーニというパスタ。




代々小麦農家を継いできたマンチーニ家が
美味しいパスタを追求し続けて生まれたのだそう。




とにかくこだわりがすごい。


自社農場を創業したのは、初代マリアーノ・マンチーニ。
当初は硬質小麦を作る農家だったそうです。
やがて祖父、父が守ってきた農場を引き継ぎ三代目となる
マッシモ・マンチーニは農業大学で小麦を研究、
さらに十年の年月をかけて
風味豊かで滋味深い小麦を生み出しました。



苦労に苦労を重ねて作出した小麦は3種類。



種から自分たちだけの手で育て、
広大な農場から収穫してすぐ
農場の中心に据えた工場へ運びます。


化学物質を一切加えず
風味を壊さないように乾燥温度は40℃に抑え、
24時間以上かけてじっくりゆっくり乾燥させて
3種の小麦を独自のブレンドで挽き、小麦粉にします。

さらに
小麦の質を落とさずにパスタに仕上げるため、
この小麦に合うパスタマシンを2年かけて探したとか。


祖父から父、三代目まで大切に引き継がれてきた小麦畑。
そこで種から製粉、製造まで
すべてにおいて自分たちの納得のいく手法と手順だけで
こだわりのパスタを生み出していくのです。





こういう話、大好きなんだ。




その土地、その土地の気候風土があって、
文化があって。
自然環境と人が紡いできた歴史が
産物を生み出す。


そこで生まれ育ち、
根を張り、
文化を継承してきた人たちだけがつくれるもの。


見た目とか
舌ざわりとか
口に入れた瞬間のインパクトとか
そんな表面的なおいしさや安さ、手軽さばかりを追いかけて
添加物や防腐剤づくめになってしまった加工品があふれかえる現代。


でも、どんなに取り繕っても
脈々と人から人へと継いできた食文化、農文化にはまったくかなわない。

続いてきたことには意味がある。
「本物」でなければ、
「本物への思いと覚悟」がなければ、続かないのだ。




昨日、くだんのパスタが届きました。
早速、お昼ごはんにこのパスタを頂いてみました。

もうね、ゆでている時から小麦のいい香りがするの。
ゆであげの湯気から立ち込める、小麦の香り。
ひとくちたべれば
もっちもち。
こんなパスタ初めてだな。
なんと奥深い味わい。


「モノ」から人の思いが透けて見えてくる。


おいしいものを
おいしいままに



これがイタリアの大地の恵みだよー



じいちゃんから受け継いだ農家の誇りだよー。



そんなメッセージが無言で伝わる。



ああ、豊かだなあ。



正直、パスタって何でも同じかなあと思っていた自分を反省。

「ミシュラン●つ星シェフたちが使ってる」なんてうたい文句につられた自分にも反省。

そんな下世話な話で
このパスタを語るのは不敬過ぎた。




先祖から受け継がれてきた小麦づくりの心を
大事に大事に守り、
誇りに思い、
最大限の努力で
「本物のおいしさ」を伝えてきた
家族の物語だったのだ。







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Last updated  2023.07.14 20:35:18


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