PR
フリーページ
キーワードサーチ
カレンダー
コメント新着
元々はCAになりたかったそうで語学力に富み、よく会社にも外人の恋人から電話があった。
彼には離婚してまだベビーカーに乗せるような金髪の赤ん坊が一人いて、結子がベビーカーを押しているのを見たと噂があった。
結子が甲斐甲斐しく赤ん坊の世話を想像してみると、つくづく人間の二面性を感じてしまう。
何故なら彼女が海を好きなのを知っていたので、営業に出るフリをして明日朝から湘南へ行かないかとオレが誘った事があった。
翌朝彼女は水着を隠して持ってきて、俺と京浜急行へ乗った。
水着姿でメタボの中年男と、長い黒髪で小麦色の若い娘が浜を歩いているとミスマッチなのか、たくさんの人の視線を感じた。
しかし彼女にはそこに何も意識がなかったようで、潮の香をたっぷりと吸いこんでいた。
彼女にとっては唯一の主婦業からの解放だったかもしれない。
帰社後お互い日に焼けて顔が赤くなっていたが、これは二人だけの極秘事項だった。