2013.06.26
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 ライチャス・ブラザーズの名曲「アンチェインド・メロディー」が流れてくると、反射的にろくろ回しシーンが目に浮かんでしまうあなた、相当のゴースト好きですね。



 デミ・ムーアの産後女優復帰作ということで、当時はかなり話題になりましたが、ママっぽさを一切感じさせないベビーフェイス、黒髪のショートボブで可愛いらしさ全開でしたので、結婚を間近に控えたカップルという設定にはかなりの説得力がありましたね。

 1980年代中盤から1990年代初盤にかけては、「恋しくて」のメアリー・スチュワート・マスターソン、「プリティ・イン・ピンク」のモリー・リングウォルド、「アサシン」のブリジッド・フォンダあたりなども皆ショートボブで登場していましたので、ボブヘアラッシュだったとも言えるでしょう。



 1990年の「ゴースト」公開時には、五人連れだって劇場まで観に行き、周りの観客がシクシクと感動の涙を流したり、とめどもなく流れ出る水っパナをズルズルと啜り上げたりしている中、爆笑が止まらなくなった心得違いな奴でございます。

 地下鉄駅をさまようゴースト役を演じたヴィンセント・スキャヴェリのみが個人的なお気に入りな迷作映画ではありますが、「ゴースト/ニューヨークの幻」のロマンチックな世界観をブチ壊されてもオッケーという方のみ、読み進めていただければ幸いです。


わかりやすいあらすじ


 結婚秒読み、幸せいっぱい、夢いっぱいのエリート銀行員が不慮の事故に巻き込まれ、命を落としてしまう。
 自分の亡骸を腕に抱いて泣きじゃくる婚約者の姿を見て、天からお迎えの光が差し込んでもまだ向こうに行けないと思った彼は、遺された婚約者をそばで見守ろうとする。

 時が経つにつれ、何と自分の死は事故ではなく、仕組まれたものであることを知り、愕然とするゴースト銀行員。

 さあどうする?


 いたって単純明快ですね。
 それでは突っ込みどころ(見どころ)をご紹介しましょう。


見どころ


 この映画を語るうえで、どうしても外せないのが、生前に邪悪な罪を犯した者は、死後すぐに黒い死神ゴブリンのような団体が連れにやって来るというシーンです。

 善人は天国に行き、罪人は地獄に行くという概念を、わかりやすい形で表現したものですが、この部分がアニメーションだったため、それまでかなりシリアスな雰囲気だった映画の雰囲気が、一瞬にしてバラエティ番組の罰ゲーム風味になってしまいます。

 罪人がギャーッと言いながら黒い団体に引っ張られていくところは、故・淀長さんの淡々とした「さいなら、さいなら~」を付けてお見送りしたい気分になってくるので不思議です。

 天のお迎えシーンでも同じくアニメーションが使われているのですが、感動的なシーンにもかかわらず、笑いを誘ってしまうところがとても残念です。


どうでもいいトリビア


1. 飛行機墜落事故の映像がテレビに流れるシーンが、エリート銀行員の死が近づいている伏線となっている。
 また、このとき彼がベッドで読んでいる本は、スティーブン・キングのホラー小説 Thinner (痩せゆく男)。

2. 伝説のろくろ回しで使われたライチャス・ブラザーズの「アンチェインド・メロディ」の直前にチラっとかかっている曲は、同じく彼らの Since I Fell For You。

3. 同じく、ろくろ回しのデミ・ムーアの手つき。粘土を両手でしごいて棒状にしている(次回記事に続く)。
しかもこのときの彼女のろくろ衣装は袖なし白シャツ一枚で、ノーブラ、ノーパン状態。

 後に、エリート銀行員を演じたパトリック・スウェイジが自分の俳優人生を振り返り、このろくろシーンが一番興奮したと語っていた。何となくわかるような気がする。

4. しつこく、ろくろ回しから。粘土弄りで盛り上がった二人が、さあこれからというときの二人の手は洗ったように完全に綺麗。しかもシャツも綺麗になっている。「アンチェインド・メロディ」一曲分の長さでこれはありえない。

5. エリート銀行員が殺される直前に、恋人と見に行った舞台がシェイクスピアの戯曲「マクベス」。
マクベスのストーリーにも亡霊が登場することで、エリート銀行員に間もなく訪れる死を暗示している。

6. 手下の悪役として登場する黒人俳優(リック・アヴィレス)は、スタンドアップコメディアン。
有名どころでは、この他にマイケル・J・フォックス主演映画「摩天楼はバラ色に」で、オフィスビルの内装担当者として、マイケルのオフィスのドアにネームタグを張るチョイ役で出演している(このときはセリフなし)。

7. 黒いゴブリン団体のオオオ~~という低い声は、赤ん坊の泣き声を低速再生したもの。


 次回も、腐ってもゴーストレビューになります。


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最終更新日  2013.09.23 15:58:10


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