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2005年06月02日
テーマ： 『義経』(332)
カテゴリ： カテゴリ未分類
そうして2ヶ月。
そこに目をつけたのか、後白河のゴリ押しもあり（朝廷の方も頼朝から「勝手に官位
を与えないで下さい」と言われていたのをサラッと無視している）、逆らい切れずに義経は結局官位を受けてしまった。
官位は左衛門少尉
検非違使
検非違使は警察関係の第三等官で、これを 判官 といい、警察・軍事関係の中でもさほど高位ではないが、とにかく 派手 な役だそう。
その後、従五位下にも叙せられる。五位のまま検非違使に留まることは、京ではとりわけて名誉なことであったらしい。それに、五位になると、内裏・院への出入りができるようにもなる。そうなれば、行儀作法だの礼儀だの色々とうるさくなるので、義経はウキウキしながらそれらの練習やら準備をやっていたらしい。
（またそれを、景時がいちいち報告する）
逆らうにしても、やることなすこと、やたらに派手である^^；
派手といえば、後世の織田信長もどえらい派手な人ではあるが、その上をいってるように私は思う。サンバマツケンも顔負けです。
若気の至りにも限度があるが、しかし本人、これは「源氏にとっても名誉だし～ｖ」と思っていたらしいし、死ぬまでどうして兄さんを怒らせたのか分かってなかったと思われるし、世間一般にもそう思われている。その辺の無邪気さが、確かに私は可愛いと思うし、判官びいきたるゆえんでもあり^^；
それでも、ことが義経だけで済めば、問題はなかった。
が、他が黙ってるわけがない。
弟ぎみさえ命令を無視したんだから、俺だっていいじゃん？
そう思うのが人情である^^；
かくして、頼朝の口を酸っぱくして言った「勝手に任官しちゃいけません」という命令は無視され、ぞろぞろ 勝手に任官する連中が出てきてしまう （汗）
その数20人以上！
頼朝、まったくこれでは立つ瀬ナシ。
積年の苦労が水の泡。
とっても辛抱強かった（何せ、義経の生きてきたのと同じ年数分・積んできた苦労である）頼朝も、ここにきてついにブチ切れてしまう。（やっと本題！）
この頼朝の悪口雑言がなかなか面白いのですよ。「以前盾ついたのを許してやったというのに、この恩知らず！」など失態の前歴を持ち出して罵る（結構執念深い）のはまだしも、そういう前歴のないものには
to兵衛尉基清 「目ハ鼠眼
ニテ只候フベキトコロ、任官希有ナリ」
（鼠みたいにキョトついた眼ぇしてんだから大人しくしてりゃいいのに、任官するなんてとんでもない）
to刑部丞友景 「音様シワガレテ、後鬢サマデ刑部
ガラナシ」
（しゃがれ声の後鬢（ハゲ？）のくせに、刑部丞ってガラじゃねーだろテメェは）
to馬允時経 「大虚言
バカリヲ能トシテ、エシラヌ官好ミシテ、 揖斐庄
云ヒシラズ。アハレ 水駅
ノ人哉、悪馬細工シテアレカシ」
（大ボラ吹くしか能がない痴れモノが、身分不相応のお役人だってか。もう揖斐庄は取り上げだ。まったくお前みたいな粗忽なオッチョコチョイは、下手クソな馬具細工でもしてりゃいいんだよ）
to右衛門尉季重 「顔ハフワゝゝトシテ希有ノ任官カナ」
（フワフワした顔で任官なんざしてんじゃねーよ！）
と、「関係ないじゃん」と思われるようなことを持ち出して、あらん限り思いつくだけ罵倒しまくっている。
あの似せ絵の頼朝が、顔を真っ赤にしてぎゃあぎゃあワメいているところを想像すると、ギャグである。
（フワフワした顔って何？とか、オッチョコチョイと下手な馬具細工に何の関係が？とか、しゃがれ声のハゲでもお役人って普通じゃん？とか、ホントに意味不明^^；）
それもこれも、みんな義経の蒔いた種。
ここまでブチ切れさせたので、原因たる義経が、鎌倉
に帰らせてもらえなかったのは、まあ当然といえば、当然なのでゴザイマス。
「そっちで任官したものにはもう鎌倉へ帰ってこなくてよろしい。京で官位を頂いたんだから、せいぜい心をこめて京でお仕えして差し上げなさい。帰ってくる事は許しません。尾張墨俣を超えて東国
に入ってきたら、本領は没収・命もないものと思いなさい。以上」
その言に、慌てて義経は帰ってきたようですが、腰越で足止めを喰らいます。
そこで書いたのが有名な「腰越状」で、この内容もまたついついホロリときそうな内容なので、まさに「判官びいき」したくなるのも無理はないんですが・・・^^；
頼朝にしてみれば、義経が「全然サッパリ分かってない」ことがよく分かってしまって、火に更に油が注がれたようなものなんですが・・・
それはまた、いずれ。
長々とお付合いありがとうございました。
＊時代が少々前後しています。範頼や義経の任官は、ホントは壇ノ浦より前の話らしい^^；
そこに目をつけたのか、後白河のゴリ押しもあり（朝廷の方も頼朝から「勝手に
官位は
検非違使は警察関係の第三等官で、これを 判官 といい、警察・軍事関係の中でもさほど高位ではないが、とにかく 派手 な役だそう。
その後、従五位下にも叙せられる。五位のまま検非違使に留まることは、京ではとりわけて名誉なことであったらしい。それに、五位になると、内裏・院への出入りができるようにもなる。そうなれば、行儀作法だの礼儀だの色々とうるさくなるので、義経はウキウキしながらそれらの練習やら準備をやっていたらしい。
（またそれを、景時がいちいち報告する）
逆らうにしても、やることなすこと、やたらに派手である^^；
派手といえば、後世の織田信長もどえらい派手な人ではあるが、その上をいってるように私は思う。サンバマツケンも顔負けです。
若気の至りにも限度があるが、しかし本人、これは「源氏にとっても名誉だし～ｖ」と思っていたらしいし、死ぬまでどうして兄さんを怒らせたのか分かってなかったと思われるし、世間一般にもそう思われている。その辺の無邪気さが、確かに私は可愛いと思うし、判官びいきたるゆえんでもあり^^；
それでも、ことが義経だけで済めば、問題はなかった。
が、他が黙ってるわけがない。
弟ぎみさえ命令を無視したんだから、俺だっていいじゃん？
そう思うのが人情である^^；
かくして、頼朝の口を酸っぱくして言った「勝手に任官しちゃいけません」という命令は無視され、ぞろぞろ 勝手に任官する連中が出てきてしまう （汗）
その数20人以上！
頼朝、まったくこれでは立つ瀬ナシ。
積年の苦労が水の泡。
とっても辛抱強かった（何せ、義経の生きてきたのと同じ年数分・積んできた苦労である）頼朝も、ここにきてついにブチ切れてしまう。（やっと本題！）
この頼朝の悪口雑言がなかなか面白いのですよ。「以前盾ついたのを許してやったというのに、この恩知らず！」など失態の前歴を持ち出して罵る（結構執念深い）のはまだしも、そういう前歴のないものには
to兵衛尉基清 「目ハ
（鼠みたいにキョトついた眼ぇしてんだから大人しくしてりゃいいのに、任官するなんてとんでもない）
to刑部丞友景 「音様シワガレテ、後鬢サマデ
（しゃがれ声の後鬢（ハゲ？）のくせに、刑部丞ってガラじゃねーだろテメェは）
to馬允時経 「
（大ボラ吹くしか能がない痴れモノが、身分不相応のお役人だってか。もう揖斐庄は取り上げだ。まったくお前みたいな粗忽なオッチョコチョイは、下手クソな馬具細工でもしてりゃいいんだよ）
to右衛門尉季重 「顔ハフワゝゝトシテ希有ノ任官カナ」
（フワフワした顔で任官なんざしてんじゃねーよ！）
と、「関係ないじゃん」と思われるようなことを持ち出して、あらん限り思いつくだけ罵倒しまくっている。
あの似せ絵の頼朝が、顔を真っ赤にしてぎゃあぎゃあワメいているところを想像すると、ギャグである。
（フワフワした顔って何？とか、オッチョコチョイと下手な馬具細工に何の関係が？とか、しゃがれ声のハゲでもお役人って普通じゃん？とか、ホントに意味不明^^；）
それもこれも、みんな義経の蒔いた種。
ここまでブチ切れさせたので、原因たる義経が、
「そっちで任官したものにはもう鎌倉へ帰ってこなくてよろしい。京で官位を頂いたんだから、せいぜい心をこめて京でお仕えして差し上げなさい。帰ってくる事は許しません。尾張墨俣を超えて
その言に、慌てて義経は帰ってきたようですが、腰越で足止めを喰らいます。
そこで書いたのが有名な「腰越状」で、この内容もまたついついホロリときそうな内容なので、まさに「判官びいき」したくなるのも無理はないんですが・・・^^；
頼朝にしてみれば、義経が「全然サッパリ分かってない」ことがよく分かってしまって、火に更に油が注がれたようなものなんですが・・・
それはまた、いずれ。
長々とお付合いありがとうございました。
＊時代が少々前後しています。範頼や義経の任官は、ホントは壇ノ浦より前の話らしい^^；
参考は
「 源頼朝の世界 」
「 つわものの賦 」
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