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2006.02.04
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寒いですよ。真冬日ですもん。
今日から公開された「ミュンヘン」早く見たいのですが、レディース・ディに見ることにして今日は家にこもっていました。

そして、お薦め映画として、だいぶ前に皆さんのレヴューを読みながらなかなか見れなかった「シティ・オブ・ゴッド」。
TVのBSでやった物で、しっかり録画しました。
ちょっと長いんですけどね(130分)、全く飽きさせませんでしたね~。

☆シティ・オブ・ゴッド☆(2002)
フェルナンド・メイレレス監督

シティ・オブ・ゴッド

ストーリー
 1960年代後半、ブラジル・リオデジャネイロの貧民街“シティ・オブ・ゴッド”では銃による強盗や殺人が絶え間なく続いていた。そこでは3人のチンピラ少年が幅を利かせている。ギャングに憧れる幼い少年リトル・ダイスは彼らとともにモーテル襲撃に加わり、そこで初めての人殺しを経験すると、そのまま行方をくらました。一方、3人組の一人を兄に持つ少年ブスカペは事件現場で取材記者を目にしてカメラマンを夢見るようになる。70年代、名をリトル・ゼと改めた少年リトル・ダイスは、“リオ最強のワル”となって街に舞い戻ってきた…。

~~~~~~~~~

これは、実話だと知っていた。そして、少年達のギャング抗争。
ドキュメンタリーとは違うけれども、それに近いものなんだろうかとも思っていた。
それで、気にはなっていたのだが見なかった映画なのだ。

でも、さすがにいろんな賞を取っただけあって、のっけの鶏のシーンから引き寄せられてしまった。
ポップな音楽と、乾いた目線で重苦しくなく見せてくれる。


社会的な面はまず置いておいて、映画としてはクライムムービー、アクションでもありだね。
ブラジル版「仁義なき戦い」とかいわれているのかな。
確かに、少年達だというだけでギャング団の抗争だね。
マフィアやギャング物、歴史物も・・とにかくいろんな物が詰まっているような気がするよ。
そして、そんないろんな映画の中でも、秀逸だと思う。

ポップな音楽、ディスコミュージックなど音楽の使い方もとてもいい。
カメラワークは、これ映画館で見たら結構目が疲れたかもしれない。
荒っぽい見せ方などあって、あっちこっちぶれたりするから。
でも、冒頭の鶏のシーンや、その鶏を捕まえようとするカメラをぶら下げた少年の場面とか、うまいよね~。

登場人物が多いのだが、主要な場面の前に、出てくる人物の関連性がわかるように説明的な場面が入れられている。
そういうさりげないつなげ方が、親切でもあり観客をひきつけて置くのだろう。

また、唯一この町から出ようと決心した少年ブスカベに、この物語を語らせている。
ギャングの少年達が主人公なのだが、ブスカベというワンクッションを置くことで、タッチが重くならなかったのかもしれないね。

~~~~~~~~~

この話は、「神の町」といわれるスラム街の少年ギャングの歴史みたいなものだ。

大きく3つに分かれているが、60年代のこの町は作られたばかりの町で、クリーム色の同じ家が連なっていて、道幅も広く一見スラム街とは思えないのだ。
ただし、そこの町にはどんどんと貧しい者達が送り込まれていた。
そんな中で、3人の若者がまだまだかわいいともいえる「ちょっと英雄気取り」な犯罪を犯す。
その三人組にくっついていた少年リトル・ダイス(後のリトル・ゼ)が、「モーテル襲撃」でびびって逃げた3人組を尻目に皆殺しにした。
その後、知らぬ間に殺人犯にされた3人のその後が描かれている。

次には70年代。
リトル・ゼが町に戻ってきた。
彼と彼の親友マネが、麻薬に目をつけこの町を牛耳っていくさまだ。
まだ15歳ぐらいかね?もしかしたらもっと幼いのかな?

そして、80年代に入る頃。
他のギャング達との全面抗争。
たぶん20代にはなっていそうだけど、年齢がよくわかんないな。

そのリトル・ゼ達年上のギャングの後ろには、彼らが死ぬのを待っているチビたちギャングが居る。
年上で力があるギャングが居る間は大人しく小さくなっているのだが、ちょっとでも力の関係が崩れたら、その隙をついてのし上がろうとする。
そんな彼らは、小学校の低学年ぐらいの子供達だ。
なぜか、どんどん低年齢化していくのだよね・・・

もう、こういう生活が当たりまえ。
前にも銃、後ろにも銃が突きつけられているような生活だ。
昔の日本だったらチャンバラごっこをやったような子供達が、本物の銃を手にそこらへんで遊んでいる。
この一昔前の日本の子供達のたとえは、変だけど(笑)
(でも、今の日本の子供達はチャンバラごっこなんてしないし、たむろしていてもゲームしているだけなんで)

貧困、麻薬、暴力、無教育、この連鎖が繰り返されるのだ。

抗争物ってやっぱり感じるよね。
諸行無常。
戦国時代みたいだ。
ただ、これが少年達だというところが、やっぱり一番ずるい所かもしれない。
実話だから、ずるいといえないんだけど・・・

素人だという映画の中の少年達。
やっぱり少年達の表情にひきつけられる。
本物の恐怖の顔、怒りの顔、そしてなにも感じていないかのような表情のない顔。
かと思えば仲間内で笑い転げる陽気な顔。

見ながらいろいろ考えるかもしれない。
しかし、軽いタッチで見せ、重苦しくない。
見逃している方は、ご覧になってはどうだろうか。












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最終更新日  2006.02.04 20:12:49
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