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2006.05.09

もうすぐ「母の日」ですね。
私は、花をプレゼントしようと思っていますよ。
皆さんは何を考えているのかしらね～～。

この映画
「世界中のすべてのお母さんへのありがとう」ってコピーがついています。
娘と母の物語・・だけではない、家族の物語かな～。

☆ローサのぬくもり☆（1999）
ベニト・サンブラノ監督

マリア・ガリアナ・・・・・・・・・・・・・・ローサ
カルロス・アルヴァレス＝ノヴォア・・・・・・老紳士
アナ・フェルナンデス・・・・・・・・・・・・マリア

ストーリー
スペインの大都市で自堕落な生活を送っている３５歳のマリア（アナ・フェルナンデス）のもとに、田舎から年老いた母ローサ（マリア・ガリアナ）がやってきた。それは暴力的な父親が病に倒れ、都会の大病院で治療する間だけ、娘の家から看病に通うということだった。父親の暴力に、何も言わず耐えてきた母親の人生を軽蔑する娘を暖かく見守るローサ。
そんなローサにほのかな想いを寄せる、犬と暮らす階下の老人（カルロス・アルバレス＝ナボア）。やがてローサの存在は、孤独な２人の心を溶かしていくのだった…。

～～～～～～～～

楽天には置いてないですね～。残念。
でもAmazonにはありましたよ。

　ローサのぬくもり　パッケージ写真だけですけど・・

同年発表された「オールアバウト・マイ・マザー」ぷちてん感想と比較される映画だそうです。
確かに「母」ですからね。
でも、あちらに比べると、こちらは地味かもしれないですね。
俳優さん達もみんな知らない方ばかりですしね。

このローサ母さん、ちょっと顔恐いです。多分昔は美人女優さんだったんだろうな～って思いながら見てましたよ。
気品のある顔ともいえますよね。
しかしちょっと見、気難しそうに見えるローサ母さんの懐の大きさに心温まるのです。
と言って、特別何をするわけではないのですよ。
ただ、娘を心配し、病床の夫の面倒を見、娘のぼろアパートの孤独な老人に料理を作ったり・・・
口数はそんなに多くないし、淡々としているんですけどね～。

そんなローサに惚れちゃう老人。
この老人がまたいいんです♪
もうほんとに、ローサに惚れちゃったって感じがかわいいのです＾＾）
彼の飼っているわんちゃんもDVDで紹介されていましたけど、シェパードなんですけどね。
他の映画やドラマにも出ている、賢いわんちゃんらしいですよ。
この犬の演技も、必見ですね＾＾）

マリアも、エキゾチックな女優さん。
役柄もあるでしょうが、気の強そうなのね～。

さて、孤独なちょっとすさんだ生活を送っているマリア。
彼女が、子供の頃から見てきた自分の家族。
暴力的でギャンブル好きな父親。
その父親に文句も言わず従ってきた母親。

彼女は父のような男とは暮らしたくない、母のように耐え忍ぶなんて真っ平だと思う。
男なんて！という気もちが常にあるのが分かる。
だから家庭を作りたいという気持ちにはならない。
そんな彼女は、町の男たちと気楽な付き合いをしている。
でも、今付き合っている男との間に子供ができてしまった。
もちろん、最初は子供を下ろすつもりだったのだが、彼女は「子供を産みたい」と思うようになってくる。

しかし、マリアはその妊娠の事を母親には言わないんだよね。
それだけではなく、マリアは母親のローサに甘えないのだ。
疎ましいという気持ちはないだろうが、母親と距離を置いているという感じなのだ。
もちろん、父親の病院へも行きたいとは思わない。

父親といえば、この頑固な親父さんは鼻がすごく利くのよね。
ホントかどうかわからないけど、ローサが老人と一緒にいた後、病院に行くと必ず
「お前、男のにおいがするぞ！」って言うのよ（笑）
すごいな～。（妙にカンがいいのかも？ローサの表情を見ているのかも？）
でも、その匂いに関してはこの隣の老人も「年をとると、老人の匂いがするんだ」って言うんだよね。
・・気をつけなくちゃいけないわね～、年をとったら＾＾）

そんな彼女が、この妊娠をきっかけに母親というものを見つめなおしていくのだ。
しかし、ローサがいる間に劇的に変わるという事はない。
むしろ、退院した父親と一緒にローサがとふるさとに帰ってしまってから、彼女は変わっていくのかもしれない。

ローサがいなくなり、寂しさを埋め合わせるように隣人の老人が訪ねてくる。
そこから、彼女は自分の素直な気持ちをこの老人にぶつけるのだ。

彼女がなににおびえているのか、不安な事がよくわかった。

ローサはマリアを見ていとおしげに言っていたっけ。
「お前は頑固な所がお父さんにそっくりだよ」

子供は産みたい。
でも、あの父親のように飲んだくれで暴力をふるう人間になったらどうしよう。

だから、恐いのだ。
「こんな私でも人生を変えられるって、励まして！」
彼女は老人に訴えるのだ。

ぎすぎすしたマリアの顔が変わっていくのが、見ていて分かるのよね。
頑固さでは負けない老人も、自分の心を開いていくのがわかる。
二人の会話に心打たれる。
ローサの残してくれたものは、鉢植えの花や手編みのベストなんだけど、一番はやっぱりこの老人との関係だよね～。

～～～～～～～～～～～～～～

母親ってありがたいなあってつくづく感じる映画だと思う。

そして、家族の形っていろいろあるのだと思う。
ラストは、いいなあ、素敵だなあって思ったよ。

変わっていくのはマリアだけではなく、この孤独な「死を待つだけ」の老人も。
そしてローサ自身も、娘と会話し、心ときめく恋心を思い出し、素敵な時間をもつ事が出来たんじゃないだろうか。

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