2006年10月21日
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テーマ: 愛しき人へ(903)
カテゴリ: カテゴリ未分類
柴田恭兵。
彼は私にとって並々ならぬ存在である。

小学生の時、NHKの大河ドラマ「武田信玄」に上杉謙信役で出演している姿を見たのが最初だ。
中井貴一扮する弱っちい信玄に比べ、柴田謙信の凛々しいこと!
たいまつの炎に照らされ、汗だくで祈祷する柴田謙信に釘づけになった。

私が生まれて初めて自分で買ったCDは柴田恭兵の「リバティ」である。
バラード系の(たぶん)マイナーなアルバムだ。
今はもう手元にないが、ジャケットの写真もはっきり覚えている。
確か、白いタートルネックのニットを着た柴田恭兵が
切ない優しい表情で斜め横を向いていたはずだ。

柴田恭兵ファンの私は、当然のことながら「あぶない刑事」に行き会うことになる。
はまったなんていうものではなかった。
再放送されるたびに何度でも全力で見た。

私の家は、そのような「くだらない」テレビ番組を子供が見ることに厳しかったため、
私は同世代の子たちが昔見ていたテレビ番組を今でもほとんど知らないのだが、
「あぶ刑事」は初めて私が猛然と親に立ち向かい、勝ち取った「くだらない」テレビ番組だ。
(ちなみに親に立ち向かって無理矢理勝ち取ったものは他に
「暴れん坊将軍」やダウンタウンの番組等がある)

中学生だった私は、「あぶ刑事」がある日は学校の掃除を猛スピードで済ませ、
全速力で自転車をこぎ、超人的な速さで帰ったものだ。
「あぶ刑事」にとりつかれ、
柴田恭兵扮するユウジに恋焦がれ、妄想の世界をさまよった。
もともと「あぶ刑事」自体が現実離れしたものであるため私の妄想には拍車がかかり、
タカとユウジと私を主人公にしたティーンズハートばりの
自己中心的な、甘ったるい、薄っぺらく安っぽい
ラブロマンス小説を一本書いてしまったほどだ。

以前、若手お笑いコンビが「こんな彼女はいやだ」というネタで、
「放課後“一緒に帰ろう”と誘うと、“ごめん、今日あぶない刑事があるから!”と
大急ぎで帰って行く彼女」と言っているのを聞いて、
自分のことかと思った。
けれどどう考えても私はそのお笑い芸人と付き合った記憶はない。
どうやら私のことではなかったらしい。

(そういえば昨日もテレビで放送されてましたね、「あぶ刑事」ムービーが。
仕事から早足で帰ったことをこっそり白状します)

妄想期が過ぎても私は心の奥底で柴田恭兵のことがしっかりと好きで、
その歴史は着々と延びていった。

私が、物理的にもっとも彼に近づいた瞬間がある。
大学生の時だ。
アルバイト仲間と鍋パーティーをした時に行った先輩の家の近所に柴田恭兵の自宅があったのだ。
みんなで夜道を歩いていると、その先輩が
「あ、ここ柴田恭兵の家だよ」
と洋館のような家を指差した。
何ということ!
私は絶句して立ち尽くした、
とても現実とは思えなかった。
家には明かりがついていて、どう見ても人の生活の場だった。
ここが柴田恭兵の生活の場・・・
現実の中に彼はいるのだ!なんて素敵なんだ!と実感し、言葉もなかった。
いいものを見た、と思った。


数ヶ月前、柴田恭兵が肺ガンであるというニュースを知った時、
私は頭がクラクラした。
けれど手術は成功したとのこと。
きっと今は更に順調に回復していることだろう。
今私は、小学生の頃からの彼への思いすべての集大成として、
彼の無事を祈り、今後の活躍を願っている。











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最終更新日  2006年10月21日 23時22分36秒
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