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Neko月@ Re:野村美月 『“文学少女”と死にたがりの道化』(06/14) 深い。 面白い。 はまる。 読む。 サ…
shiba_moto @ Re[1]:土橋真二郎 『ツァラトゥストラへの階段3』(09/12) しばたさんへ コメントありがとうござい…
2006.08.05
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カテゴリ: 感想
 総合病院の病院長の孫娘が誘拐された。身代金の代わりに要求されたのは、病院のスポンサーであり、不正な株取引を追及されて入院している大手食品関連会社の会長の命であった。この誘拐の狙いは何なのか。家族、病院、患者・・・すべてを守るために病院側と警察は1つの策を実行に移す。

 『 連鎖 』で乱歩賞を受賞する前に最終候補に残っていたという『代償』を下敷きとした作品『 誘拐の果実 』。真保さんといえば漢字二文字というイメージが未だにあるので『代償』というタイトルを変えるのはもったいない気もします。講談社ではないからかもしれませんが。

 さて、文庫本で上下巻という大作は、その長さを感じさせない作品でした。複雑に絡み合う緻密な構成、思ってもみなかったような身代金、手に汗を握るような展開と非常に楽しませてくれます。とくに犯人からの前代未聞の要求は独創的で、警察や事件関係者を翻弄する様は痛快ですらあります。
誘拐の果実(上) 誘拐の果実(下)  ただし、作者が本当に書きたかったのは誘拐事件そのものではなく、何故犯人は誘拐事件を起さなければならなかったのかというホワイダニットの部分であり、物語後半のこの部分と中盤までのサスペンスフルな誘拐事件部分との落差が大きいのがひっかかります。最終盤の最後の脅迫に至っては、良い話を意識しすぎているような気になってしまいます。ここがちょっと残念。

 一筋縄ではいかない誘拐事件で、誘拐もののおもしろさを表現した『 誘拐の果実 』。同時期に刊行された東野圭吾さんの『 ゲームの名は誘拐 』と読み比べてみようかと思います。
2006年8月5日読了






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Last updated  2006.08.07 12:09:35
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