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Neko月@ Re:野村美月 『“文学少女”と死にたがりの道化』(06/14) 深い。 面白い。 はまる。 読む。 サ…
shiba_moto @ Re[1]:土橋真二郎 『ツァラトゥストラへの階段3』(09/12) しばたさんへ コメントありがとうござい…
2008.05.01
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カテゴリ: 感想
 朝美は映画雑誌の編集者。難しいとされる韓流スター、フィル・ウォンのインタビューという問題を抱えていた。叔母の冬子さんが亡くなったのは1ヶ月前。朝美にとって彼女は亡き母の妹として幼い朝美を育ててくれた人だった。冬子さんの遺品を整理中に出てきた日記。そこには、彼女の高校、大学時代のことがいきいきと綴られていた・・・

 これはよかった。
 朝美が冬子さんの高校・大学当時の日記を読むことで、現在の朝美と当時の冬子さんのパートが交互になる構成。
 とにかく、80年代の青春を謳歌する冬子さんのパートがよかったです。瑞々しく、いきいきとした青春。転校生・藤城とのちょっと控えめで、かわいらしいほどの恋。お互いに好意を抱いているのがわかりながら、それでいてあと一歩が踏み出せない冬子さん。きっと今では考えられないような。まるで胸のドキドキが伝わってくるかのよう。
 でも80年代って、みんなそうだったような気がします。携帯電話もインターネットもない時代。東京に憧れ、東京を怖れ、サザンやタツロー(章題はすべてタツローの曲から)、ユーミンやオフコースを聴く。江ノ島へ遊びに行くくだりでは、受験戦争前の嵐の前の静けさのような頃を思い出しました。確かにあの頃、これが最後とばかりに遊んだものです。

 一方、朝美の毎日は仕事に追われるばかり。この辺がのんびりした雰囲気の冬子さんたちの青春時代との対比のようで面白いですね。
 最後の最後で不意打ちのような真実が出てきて、面食らいました。あれもこれも伏線なのかと驚くのとともに、冬子さんの抱えていた想いにうれしくなります。爽やかな気分で閉じることができる1冊でした。

 余談ですが、装画はタツローの名盤『 For You 』(1982年)のジャケットも担当していた鈴木英人。80年代にあの「FM STATION」誌の表紙を担当していた鈴木英人です。こういった演出もまたうれしいものです。
2008年4月29日読了





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Last updated  2008.05.01 15:05:51
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