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shiba_moto @ Re:???(05/08) 通りすがりさん >氷室さんは永眠なされ…
通りすがり@ ??? 氷室さんは永眠なされてます。
shiba_moto @ Re[1]:野村美月 『“文学少女”と死にたがりの道化』(06/14) Neko月さん、こんにちは。コメントありが…
Neko月@ Re:野村美月 『“文学少女”と死にたがりの道化』(06/14) 深い。 面白い。 はまる。 読む。 サ…
shiba_moto @ Re[1]:土橋真二郎 『ツァラトゥストラへの階段3』(09/12) しばたさんへ コメントありがとうござい…
2008.06.03
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カテゴリ: 感想
 癌で母・咲枝を亡くした小学五年生の我茂凰介。葬儀から一週間ほどで凰介は登校したが、今度は幼馴染の水城亜紀の母・恵が夫の職場から転落死してしまう。亜紀も車にはねられ、父・洋一郎や亜紀の父・徹の様子もおかしい。いったい両家には何が起きているのか・・・

 ミステリ・フロンティア第27回配本作品。第7回本格ミステリ大賞小説部門受賞作。
 ミスディレクションを多用した心理ミステリ。変わらぬ巧みな技術が見られます。多視点を活用した複雑な構造で、語るべきところとそうでないところを正確に使い分けています。それでいて過剰にごちゃつくことはなく、きれいにまとめられていて、スムーズに物語に引き込んでくれます。

 道尾さんの作品はまだ3作しか読んでいませんが、登場人物に対する徹底した厳しさがあるように感じられます。試練を与えているというべきかも。それが道尾さんの発言にある「本格ミステリほど人間を描ける、感情を描けるジャンルはほかにないんじゃないか」ということかもしれません。その点、本作は以前読んだ『 向日葵の咲かない夏 』に近いのかと。
 では、何が違うのかと考えたときに、思いついたのはやはり読後感でしょうか。『 向日葵の咲かない夏 』ではその不条理を生理的に受け付けられず、突き放されるような感覚がありました。今回の結末もまた決して正しいとか、きれいだとか言うべきものだとは思いませんが、それでも『 向日葵の咲かない夏 』ほどの読後感の悪さはありませんし、十分に受け入れられるものでした。もっとも、真相のインパクトでは劣りますが。

 ますます読みたくなる道尾作品。次は『背の眼』か、それとも『ソロモンの犬』か。
2008年5月29日読了





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Last updated  2008.06.03 23:38:19
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