桜の舞い散る園で・・・~Sorrow and a feather of courage~

桜の舞い散る園で・・・~Sorrow and a feather of courage~

CLANNAD



麻枝さん曰く、自身が行けるところまで行った作品ということもあってか、過去の麻枝さんの作品も踏まえて作られている作品。今日久しぶりにAFTER STORYをプレイして分かったことなんだけど、もしかしたらAIRを越えてるかも・・・
過去の麻枝さんの作品、「ONE~輝く季節へ~」と「kanon」の奇跡、「AIR」の家族・絆。
これらのテーマが全て重ね合わさって出来た作品が「CLANNAD」なんだなと思った。
シンプルかつ深いテーマの中で現実的な人間ドラマが秀逸に描き出されている。
現実的な人間らしい問題に苦悩して、挫折して。それでも頑張ろうとして。共感出来るシナリオが多い。
それ故に、現実的ではないシナリオやインパクトの薄いシナリオがあるのが難点。この辺が人を選ぶところかもしれない。シナリオは万人受けしそうなはずなのに、この辺が人を選ぶところなのだろうか。
以下、シナリオ。ネタバレ多し。


古河渚

とにかく、頑張って前に進もうとする姿勢。現実から目をそらさずに進んでいこうとする態度。それが、朋也や春原とは正反対だった。
前に進もうとしなかった朋也と進もうとしても勇気が持てなかった渚の両者が交わることによって、お互いが影響され変わっていく姿には共感するところがある。
ありきたりなシナリオと言えばそこまでなのだが、そのシナリオでもここまで共感出来るシナリオ。悪くはない。
渚シナリオの真骨頂はアフター。


藤林杏

内容的には単なる恋愛物。
理屈では分かっていても、どうしようもないという二人。その辺りの描写が深く描かれていたためか、なかなか痛い話。気持ちの面では納得が出来ない、その辺りが凝縮されているシナリオ。最後の所がいいと思う。


藤林椋

一途な想いとその真っ直ぐさ。
杏シナリオの別バージョンみたいなものなので、ヒネリはないが悪くはない。


柊勝平

ちょっとご都合的的シナリオだったかもしれない。
椋と勝平、二人の真っ直ぐさが実ったシナリオ。
もうちょっと友情の部分にも焦点を置いてほしかったかも。


坂上智代

春原とも絡みが面白いですね。
なぜかこのシナリオはボリュームが多かった気がする。後半の切なさは尋常ではない。
別れてから気づく、本当の気持ち。
二人をつなぎ止めたのはやっぱり気持ちの面であること。
一番最後は綺麗に終わる。そのせいで、智代アフターは地雷になりました。
それはともかく、このシナリオは朋也が情けない気がするんだよなぁw


一ノ瀬ことみ

キャラの性格はちょっとアレだが、シナリオは秀逸。
現実を認められず、目を背ける。
しかし、周りで支えてくれる友人と、ずっと好きだった人が一緒で。
ラストシーンは感動的。


伊吹風子

そもそもキャラが好きになれない。シナリオもお約束なライトファンタジー。
CLANNADの中でも異色なシナリオと言えるかも。
その部分さえ受け入れられれば、世間では評価が高いので感動するかもしれない。
一番人を選ぶシナリオ。


宮沢有紀寧

一番地味なシナリオ。キャラ・シナリオともにインパクトがなく、恋愛面への持って行きかたも少々不自然なところがある。
後半の展開も今ひとつなため、もっとヒネリが必要だったかなと思う。
光の玉の意味はこのシナリオである程度言われる。


幸村俊夫


短いながらも教師の気持ちと思われる物が描かれていた。最後に朋也と春原が二人そろって礼を言うところは良かった。


相良美佐枝

過去の話がメイン。やはり非現実的な感じがあり、あんまり馴染めなかった。
キャラとしてはいいんだけど・・・
これも風子以上に人を選ぶシナリオ。

春原陽平・芽衣

春原兄の方はギャグ面では好きなんだけど、とにかく面白そうなことならば何でも突っ込むという性格は好きではない。
と、それはおいといて、こういうキャラにもシナリオを用意してくれたのはさすがにうれしい。
最後のガチンコも良かったなと思う。スカッと終わるから。


AFTER STORY

上記にあげたキャラ以外のシナリオを含めた、渚シナリオの後日談。
とにかくどのシナリオも泣ける。
芳野さん・公子さん・早苗さん・秋夫さん・岡崎父。
どのシナリオも現実的な問題に直面して、挫折しそうになってもそれでも頑張って。
各々のシナリオ全てに見応えがあった。
一週目ではAIR的な展開。
そして、全ての幸せの象徴である光の玉が揃ったときに起きた奇跡。
一番最後の展開は予測出来る物であったが、それでも泣けた。
ED曲の中で幸せそうに暮らす、朋也・渚・汐を見て、本当に良かったなと思った。
これをアニメでやらないのは本当にもったいない・・・
いや、光の玉云々を含めて難しいのは分かるけど。


グラフィック

イベントCGはたしか、差分を抜いて64枚程度。とにかく量が少ない。
ギャグシーンのイベントCGが一枚もないのは残念。その辺はフルボイス版に期待することにしましょう。

相変わらずのいたる絵。苦手な人は苦手かもしれない。
しかし、背景の巧さは相変わらずである。


音楽

ボーカル曲は、OP・挿入歌・ED二曲をの四曲。
OPはアニメ・劇場版でもお馴染みのメグメル。さすがにriyaさんは上手い。

BGMのほうはAIRやkanonみたいに強く印象に残る曲はないのだが、全体的に暖かい、優しい雰囲気がある。
お気に入りは「渚」・「彼女の本気」・「東風」・「潮鳴り」。
どうでもいいのですが、曲名がONEと似ている気がします。
どうしたんですか?折戸さん。


システム

全ての機能がほぼ完全装備。オート設定をものすごく細かく決めれるのもこの作品くらいなものか?
細かい設定も可能。


総評

アフターだけならAIRすらも凌ぐ作品にできあがっている。
麻枝さんの全てが詰まっている作品だと思う。
誰もが突き当たりそうな現実的な問題を一生懸命乗り越えようとする姿を見ると、こっちも頑張ろうという気になれる。笑いと感動をもたらしてくれる、作品。
人を選ぶところをあるが、それでも万人受けかも。
家族・絆・奇跡。このシナリオをやって思うことはたくさんある。
是非みんなにもやって欲しいと思う。


© Rakuten Group, Inc.
X
Create a Mobile Website
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: