桜の舞い散る園で・・・~Sorrow and a feather of courage~

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家族計画



ストーリー

いわくつきの7人が集まり、家族ごっこをすることから始まった家族計画。そこに達するまでも山あり谷あり。
そこのところがまず、なあなあな展開にならないでよかった。
妥協して馴れ合い、っていう流れではここまでの出来にはならなかっただろう。
その後、少しずつ、本当に少しずつ各々に変化が出てきて家族っぽくなっていき、
終盤は避けては通れなかった問題が表出。そして崩壊。
おおまかな流れは全員が同じ。終盤は涙涙の展開で、非の打ち所のない出来。すばらしいです。


高屋敷真純

一人では生きていけない真純さんだが、ちょっと極端だった気がする。
他人に依存しすぎで、だから家族計画にも乗り気だった。
そして、末莉もそうだろうけど家族というものに一種の理想を抱いてるように思えた。
懸命に母を演じようとした。それも、人に必要としてもらいたいから。
だけどその程度は病的。
あとこの人、他のヒロインに比べて背負ってるものが少ない気がすると思いました。
結婚詐欺にあって財産を失ってしまったということだけど、大人になって以降のことだ。
生まれた時からキツかった他のヒロイン達とは違う。
そこもまた、あまり入れ込めなかった原因だと思う。
この人のシナリオがもうちょっとまともなら、僕的にはNO.1のAIR以上の作品となっていたかも。
ちなみにこの人30歳。

高屋敷青葉

唯一、本当の高屋敷。
とにかくあの毒がすごかった。徹底した拒絶っぷり。冗談のつもりで司は青葉のことを魔女と呼んでいたが、司も言っているとおり、本当に人の不幸を心から楽しむ魔女かもしれない、というところが恐い。
司と似た境遇であるが、とことん生き方が徹底している。他人に求めない、そして現在・未来に求めない。
求めるのは過去のみ。過去の思い出だけが、青葉を動かしていた。だけどそれは偽りの過去であり、それを青葉もわかっていた。
昔から誰もわかってくれず、挙句勘当された青葉。
その過去は悲惨だし、それが破られた後の青葉は痛々しい。
後半はトゲが取れて急展開で、そこは少し馴染めない感じがした。
締めくくり方よりも、拒絶しているようでそうではなかったその様が、いいと思った。
冷徹に見えるがやはり、家族計画の中で何かを感じてたのだろう。
ちなみに彼女ルートで私の司といったとき、そこのシーンは案外シリアスなのに大爆笑してしまいました。

高屋敷準

妹の景と共に、子供の頃から酷い目に遭って来た二人。
些細なことからすれ違い、それがもとで準は手料理が食べられなくなった。
最後は食べられるようになった。
それは、本当の温かさを本能的にやっと知ることが出来たからだった。
家を出て行くシーンも、荒れて気に登るシーンも、心に響きました。
金をひたすら求めて、養護施設に寄付していた準。
景も準も、お互いに不器用で、すれ違いばかり。
求めていたものはすぐ傍にあったのに、気づくのにとても時間がかかった。
だけど家族計画を通して少しずつ変わっていき、それに気がついた。
その流れ、司との過去、すべてにおいて涙の連続のシナリオだった。
彼女のシナリオは彼女が主人公のようにも思えた。
EDテーマである「philosophy」は彼女のことを唄っているんじゃないかとも思った。
「どこにもないと目隠ししてた、何も求めず愛することも・・・」

高屋敷春花

能天気で何も考えてなさそうに見えて、それなりにいろいろ考えている。
家族計画が終わる羽目になった原因を作った張本人ではあるが、あの性格にみな救われていたと思う。
母親に会いに日本に来て、実際には会わずに帰ろうとした。
望まずして生まれ、親に会うことさえ叶わず。幸せになる権利があるにもかかわらずそうはなっておらず。だから司と家族になれてよかったと思う。
家族計画、という題名にはそぐわない締めだったがいいと思った。
ちなみにあの自転車欲しいなと思う。

高屋敷末莉

話が長い辺り、扱いはメインヒロイン。拒絶の色を示す司、青葉、準に必要以上に接してくる部分が、ちょっと腹立たしかったりしたこともあった。
だが末莉の生まれた環境はかなり悲惨で、あれならあそこまで温もりを求めようとするのもわかる。
そんな気がして、だんだんその感情は消えていった。
終盤青葉に迷惑をかけて、家出してしまうシーンが2回あった。
その後末莉の育った環境を見て、必死に周りに取り入ろうとする様を嫌悪することはなくなった。
終盤の二人のいちゃいちゃもいいんじゃないだろうか、とも思ったりw
あんま関係ないけど家族計画では、2番目にギャグキャラだと思う。
準シナリオでのエピローグであった、「なぜにーっ!」や、末莉の妄想力は常人を遙かに凌駕していた、には大爆笑してしまいました。
ちなみに彼女は司に対する呼び名が、沢村さん→司さん→お兄ちゃん→司(末莉ルートエピローグ時)ですけど、お兄ちゃん→司はどの辺から言ったんでしょうか?やっぱ婚姻した辺からなのかな?


音楽

ボーカル曲二曲はI've sound屈指の名曲だと思う。
自分的にOPの「同じ空の下で」はI've曲では二番目に好きで、EDの「philosophy」は三番目に好き。(一番は鳥の詩)
OPテーマはKOTOKOさんが、EDテーマはMOMOさんが担当されております。
作曲はI'veのボスである高瀬一也さんが、作詞は高瀬さんとOPはMOMOさん、EDはKOTOKOさんがそれぞれ担当されています。


グラフィック

顎がとがってて、なんかあれ。
けれども、顔の表情が豊かなのがよいw特に、イカレた親父の高屋敷宏がw


総評

超名作。ワケのわからねぇ萌えゲをやるよりかは、こっちの方をやった方が数倍いいと思う。PC版がアレな人は、PS2でも出ていますのでやってみてはどうかと思います。
家族というものがどのようなものなのか。家族を持ってる人達にとっても、得る物が多いシナリオだと思う。未プレイの人は是非やってみるべし。


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