2003/8/11



・一昨年、昨年と比して、住宅地の「on sale(売りたし)」の看板がハワイ、サンフランシスコでずっと減った印象。
バブル期から昨年までずっと、あらゆるところで「on sale」の看板があったのに、ずっと少なくなった。
住宅市場の低金利政策は継続しているが、物件の動きが一時に比べてだいぶん落ち着いていることを示唆している。
住宅関連、派生の支出も一巡したことになる。
低金利の住宅ローン借り換えはまだあるものの、そこで浮いたお金は新たな支出に向かわず、カードローンの返済に向かっている部分が増えている。

・クー氏の高校、大学の仲間の数人が失業してしまった。ITバブル崩壊時には、彼らより若い30歳代が大きな影響を受け、クー氏の友人たち(高学歴、高実績のビジネスパーソン)は、殆ど影響を受けなかった。
それが、ここに来て次々と失業している。
大学卒業以来、初めての失業経験を味わう仲間を知り、今回の不況の深刻さを感じショックだった。

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直近のFRBのベージュブック(7月30日)でシカゴ連銀は、企業は明るい期待を語りながら、一方で人を切っていることに対して
「(経営者達は)自分達の実感を既に信用しなくなっている(decision makers no longer trust their own intuition)」
という談話が紹介されている。つまり直感的には減税、利下げ、ドル安、石油価格の低下など多くの景気拡大要因が重なるため、景気が回復するはずなのに、彼らの実際の行動は景気回復を前提にしていない。

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今回のベージュブックで、どこの地区を見ても企業からの資金需要はどこも横ばいがせいぜい。

バランスシートの強化を優先。

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ブッシュ大統領は再選のために経済問題(特に雇用問題)に取り組む必要がある。
明るい景気見通しが多いにも拘らず、雇用がどんどん悪化している。

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即効性のある政策で、雇用回復を狙うには「ドル安政策」をブッシュ政権が選ぶ可能性がある。

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一方国内では、郵貯などの民営化が総裁選のポイントとなっているが、郵貯民営化では日本経済は回復しない。

バランスシート不況(国内の民間企業が一斉に借金返済に走ることにより失われた内需をどう埋めるか)の対策が、最大の課題。

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銀行問題で、政府が投入した資金は、資本であり「低利融資」ではない。融資は返済義務があるが、資本はリスクマネーで、帰ってこない可能性も十分ある性質のカネ。
それを性急に「収益を上げて、公的資金を国に返すのは当たり前、常識的な対応だ」という竹中大臣・金融庁の動きは、相変わらず事の経緯を理解出来ていない。

いきなり実施された「繰延税金資産の見直し」は、一見論理的に聞こえるが「日米両国の税制の違い(無税償却)」を踏まえた経緯を無視する職権乱用。

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上記の様な金融機関と当局の間の無用な不信感は、余計なコストを発生させ結局は国民がその負担をすることとなる。


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