「卓」


出会いはある夏の終わり。神戸・南京町をふらり歩くと中華の街に蕎麦を発見。
私は吸い込まれるようにして入っていく。
蕎麦を打つ店の主人「卓さん」は私と同じ年くらい。
おすすめの蕎麦 を下さい。」「じゃあ 黒蕎麦 をどうぞ。」
まんまと黒蕎麦にはまってしまった。


卓さんの蕎麦はやさしいおそば。
最初から蕎麦湯が出てくる、寛ぎモード全開。


昼下がりの蕎麦屋は隠れ家。居心地がよくてつい和む。
黙っていても蕎麦湯の追加が絶妙なタイミングでやってくる。
私が至福の時間を過ごす場所はここにきまった。


しばらくして出かけたらそこにあるはずの店が・・・
ない、ない、ない。どこなの?
本当にどこへ行ってしまったの?

うーん、蕎麦湯ショック(T_T)


あの店を探し求めて、随分歩いた。
いつもは通り過ぎる路地裏
街の探検は歩きつかれたけど
いろんな発見ができた。

花隈で私は恋しい蕎麦屋と再会を果たす。以前より店内が広い。
落ち着く感じがいい。
久しぶりの再会、黒蕎麦。
おかわりの蕎麦湯をのんで『ほぇーっ』と寛ぐ、これが私にとって最大の癒し。
そんな癒しのそば屋。
それが「卓」

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