2002年11月09日
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二人で摘果

      愛媛県吉田町 F岡M彦

もうすぐ、10回目の結婚記念日がやってくる。9才を頭に、三人の娘の父親である。

一番下は、4才。今年から、保育園に行くようになり、妻の手もあくようになったので、母と妻が家事と農作業を交替する事になった。今年の摘果(果実の間引き作業、温州ミカンの場合7月下旬から9月上旬にかけて行う)から、妻も本格的に農作業に加わるようになった。妻は今までの9年間は育児と家事に専念していて、家のみかん山の場所さえわからないような状態であった。ましてや農作業については、想像するまでもないだろう。私はこれまで父母と三人でやっていた作業を、父と妻との三人でやることとなったのである。

母と妻が入れ替わっただけだし、作業能率が上がったというわけでもないのだが、何かが違う!父が留守の時など、二人だけでやっていると、はっきりわかってくる。他の職業に、他人の目を気にすることなく、夫婦二人で楽しみながらできる仕事があるだろうか?3Kの代表と言われている農業ではあるけれど、妻と二人で楽しみながらやれば、捨てたものでもないと思う。但し、楽しみながらできない作業も結構多いのだ。

そんな楽しみながらできない作業をどうするかが、問題である。良い事ばかりの仕事はないと思うので、少しでも楽しみながらできる作業を多くすることが私のこれからの目標である。

私たちは、子どもたちの将来の事について、家にいる時や山で仕事をしながら話す事がある。妻は子どもたちに、農業ではなく、何か別の安定した職業についてほしいと考えている。それに対し、私は、三人の子どもたちに、できれば一人は家を継いで農業をやってもらい、二人は農家に嫁いで欲しいと思っている。そのためには、すべての職業を平等に見ることのできる目と知識を教えたうえに、農業の良さを自分の態度で子どもたちに見せることだと思う。

妻にも同様で、これから農業をやりながら農家の良さや農業の良さを知ってもらい、子どもたちにも農業をやってもらいたいと願うようになって欲しい。そのためには、自分自身が勉強し、新しい農業を目指すとともに、違う角度からみている妻の考えにも、耳を傾ける気持ちを持つことだと思う。

同志会の役をしているので、新婚、未婚の農業後継者と話すことが多くある。そこで感じることは、女性に対する考え方や態度に偏見があるということである。特に、独身者は、それゆえに嫁さんがもらえない。妻帯者の中にも結構いる。俗に、釣った魚にエサはいらないとよく言う人がいるが、それでは楽しい家庭生活を過ごすこともできない。

しかし、考えようによっては、ほんの少しのことで、簡単にできると私は思う。

一つは、うそをつかないこと。そして、もう一つは、年に3回プレゼントをすることだ。3回とは、誕生日、結婚記念日、クリスマスである。品物や金額はどうでもいいが、誕生日に真紅のバラの花束というのはどうだろう!

私は10年間、一度も欠かしたことがないつもりだ。

色々な役職で、年中家に居ることが少なく妻に迷惑をかけてはいるが、おかげで楽しい日々を過ごしている。難しそうで、やってみれば意外と簡単なことですよ、皆さん。試してみて下さい。

最後に、この原稿は、妻の手により、校正され清書され、いざ香川へ向かってポストに!!

※編集室より
F岡さんは南予果樹研究同志会の会長を務めていらっしゃいます。去る7月に、私たち農民倶楽部のメンバーが視察研修のため吉田町を訪れた際にいろいろとお世話をして頂きました。F岡さん、どうもありがとうございました。






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最終更新日  2002年11月09日 10時00分58秒
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