2時から3時過ぎまでそうやってranchの周りを走り回ったので、少しは近所の地理もわかってきた。そのあと、一番近い近所である馬を飼っている家の方へ歩いていった。庭先まで行くと、たまたまその家の主人が馬の世話をしていた。 「May we take some pictures with you?」 と訊いたら、さあどうぞとばかり一緒に写真におさまってくれて、 「ついでにこの馬と一緒の写真もとれ」 「カウボーイ・ハットがあるからかぶれ」 と愛想がいい。ほとんど2mはあるんじゃないかと思えるほど背が高い。 「どこから来たの?」 「日本からの農業実習生です。Mr. Doiのところに住んでいます」 「それは遠いところをよく来たもんだ。まあ家に入りなさい」 誘われるままに家にお邪魔するとビールが出た。いろいろ話をしているうちに、 「一緒にメキシコ料理を食べに行こう」 と言う。しかし、実習生の身分で外食できるゆとりなどはない。 「Thank you, but we have only few money.」 「問題ないよ、おごってあげるから」 「Oh!really? Of course we will!」